【手書きマンガ】タイムマシーン2025
台本
博士「タイムマシーンの実験だ」
オレはしがないフリーター。
今日の仕事はタイムマシンとやらの試運転を
頼まれている。時間を移動する機械?
そんなものが本当にあるわけがないじゃないか。
半信半疑だったが、その疑念は裏切られることになるのだった。
シュン!
一瞬、明るい光に包まれてたどり着いたのは…
フリーター「オレは……森の中にいたはずだ」
ここは一体?見回すと平原に一本の木が生えているだけの
どこかさみしさを覚える風景だった。
オーダーは確か、一本の木を伐採せよとのことだったな。
わかりやすくていいや。
サッと斧を取り出す。
これも博士の科学力の結晶の一つ、レーザー斧だ。
岩すらもバターのように切ることができるらしい。
安全講習を受けたから機能を理解はしている。
ズズズ……ドーン!
フリーター「案外簡単な仕事だったな。後は戻るだけか」
シュン!
フリーター「ここは……?どこだ?」
元居た森に戻ってくるはずだったのだが、一帯は
森とは呼べないものになっていた。
ありていに言って、砂漠だった。
こんな、何を……?
「ああ、ご苦労様じゃよ」
ジジジと言うノイズの後に無線が入ってきた。博士だ。
「実験は成功じゃよ」
そう、男の行動によって
幾億育万の生命の活動が消え去ったのだ。
あの切られた木は、種子をまき、根を伸ばし、
一帯を森にするほど大きな仕事を成し遂げた……
ハズだったのだ。
それがなかったことになった。
フリーター「オレはなんてことを」
嘆いてももう遅い。結果は変えられないのだ。
後日談
ところで、博士はなぜオレがタイムトラベルする前の
記憶を保持していたんだ?
疑問に思って聞いてみた。
ほほう、気が付いたか…
そういうと博士は、トントンと頭を人差し指で2回たたいた。
BMI、ブレインマシンインターフェースじゃよ。
脳に特殊な回路を植え付けて時空の改変前の記憶を
保持できるようにしてあるのじゃ。
まあ、本体は研究所の奥にあるのじゃがな。
記憶の外部化……?そっちの方が楽にもうかりそうなニオイがするな。
フリーターは金がなかったが、博士は金がありすぎてセンスに描けるところがあるのだった。
まあ、体のいいアルバイト先として確保しておきますかね。
そういうことにしたのであった。
めでたしめでたし。