西暦2500年、人類の終末期(改訂1)

(ほんの思いつき、推敲を繰り返します)

“人類の生存はアフリカ大陸だけ” これが終末期の姿らしい。

先進国では出生率の低下から大幅に人口が減り、農村部に少ない家族が生存するだけとなる。まとまった人口が存在するのはアフリカ大陸のみとなるだろう。一方で、自動車がなくなり温暖化はスローダウンし、地球の空気は再び綺麗になるかも知れない。

以下は思いつくままにどんなリスクがあるか、リスクを遠ざけるために何ができるかを書いてみた。

各国の政府及び地方自治体は出生率を向上させるための対策を考えているが、それと同時に人口が半分、四分の1と減少していくことに備えて、電源確保のための社会インフラのあり方や食糧確保のための農地改革について研究する委員会を急いで組織する必要があるだろう。国連ではどんな検討がなされているだろうか?

まずは何が起こるか想像してみよう!

―人口減少は加速度がつく
現在は人口減少を人ごとだと思っている人がまだ多い。日本のように人口密度が高いところでは人口が減るのは良いことだという人もいるくらいだ。ところが人口減少が顕著になり、一般市民がこれを理解するようになると減少には加速度がつく。つまり不安な世界が来ることを知れば誰も子供を作りたくなくなるからだ。

―年齢別人口構成比の変化
① 寿命の伸長と②出生率の低下、という二つの要因のもとで起こる人口減少は年齢別人口構成を大きく変える。社会の維持のために労働する人口が減少し、生活支援を必要とする人口が増加する。

―人口の都市集中
*若者は都市へ移住するので都市の人口は一時的に増加するが、都市部では出生率が低いので地方からの流入が止まると減少が始まる。
*都市への人口集中が起こる中で大きな事前災害が発生すると都市機能と人命に大きな損失が発生する。
*地方では若者が減り高齢化が進むが、都市部より出生率は高いので細々と続く。但し、高齢者のみとなった限界村落は消えていく。

―電気の喪失(これが最も恐ろしい)
発電所、高圧送電網、市街地の送電網の全てが管理、維持されなければ電気は喪失する。地震、自然火災など地球環境が悪化する中で人口が減少すると電力施設の維持管理はいずれ破綻するだろう。

その先にあるのは
ーコンピュータ、通信の停止
ー銀行間決済、キャッシュレス決済の停止
ー電車・航空機・自動車などの交通機関の停止
ー機械を使用する工業生産は停止

近親者の夫婦・妊娠の増加
ー人類が大幅に減るために家族以外の異性を探すことが困難になり、兄弟や従兄弟などの近親者でのカップルが出てくる(もはや結婚などという制度は存在しなくなる)。
ー工場の生産活動が停止すると避妊薬やコンドームは手に入らなくなる。娯楽の少なくなった世界で妊娠が増える。(発展途上国が多産であることを見れば明らか)
ーしかし、医療機関が喪失しているので新生児を育てるのは大変なこととなる。

田畑の荒廃
ー田畑や森林が荒廃することで食料を得るのが困難になる。都市部への食糧供給は都市近郊の農地からのみとなる。
ー土地を持ち自給自足出来る農村の人たちは生き延びるが都市部では飢餓で死ぬ人が増える
ーいわゆる限界集落と呼ばれる山間部の高齢者のみの村が消えていくことの利点はある。このような場所は自然災害から守ることは難しく、野生動物から田畑を守るのも困難。

野獣との戦い
ー生き残った人間は協調せざるを得ないので人間の間での争いは減り戦争もなくなるが、野獣との戦いは深刻である。
ー地方では熊、鹿、猪、猿などの野獣が増えて人間は生活圏の安全確保が必要になる。
ー都市部では人間が捨てた犬・猫などのペットが異常に増えて人間の生活を脅かす。

江戸時代はどうだったのか?

江戸時代の日本の人口は約3400万人と言われている。現在の四分の1程の人口で電話も電気のなしに暮らしていた。

つまり人口が少なくても平和な生活が出来ていた。しかし勘違いをしては行けない。当時は平均寿命がはるかに短かった。多産ではあったが、成長できない子供も多かった。そのため現在起こっている①寿命が延びる+ ②出生率が下がり続ける、という条件のもとで起こる人口縮小とは異なる。この問題は別途検討する。

さて、ビジネスの社会ではRisk Managementの一環でBCP(Business Contingency Plan), BRP(Business Recovery Plan)というのが考えられている。人口減少にあたっては国家レベルでこれを考える必要があるだろう。

シナリオ1:
現代の文明を維持したまま縮小再生産に向かう。つまり電力・通信・限定的工業生産力を維持したまま縮小していくケース。

シナリオ2:
文明の力(電力・通信・機械工業生産力など)を失い江戸時代のような生活に戻りながら人口が縮小していくケース。

シナリオ3:
原始時代のような生活に戻りながら縮小していくケース。

地球上に残る人類がアフリカだけとなるような事態ではシナリオ3も不思議ではない。しかし、人類はシナリオ1または2で生存しながら出生率を再度上げる方向に転換できる可能性は高いと考えている。

文明の力としては、電力の維持をどのようにするかが最大の課題だろう。現在のような大規模な原子力、水力、火力などの発電所を維持することは困難となり、電力の小規模化と地産地消が必要だろうと考える。大規模発電所と日本列島全てへの高圧電力配電網の維持は不可能と思われる。

衣食住を考えてみよう!
衣:人口が減少するのだから、流行を追うような消費的態度を改めれば衣料資源は確保出来るのでは?

食:現在は人口が都市に集中し地方の田畑が荒れ野となりつつある。これを機会に大規模機会農業と言いたいところだが、工業生産力は今後低下するので難しいだろう。重要なことは農業、漁業従事者に対し国が保護を行い、荒れ野となるのを防ぐことだ。そして若者が地方に残るインセンティブを作り出すことだ。

住:既に日本中で空き家が増えている。木造個人住宅の維持は異常気象、自然災害を考えると困難だろう。そうなるといわゆるマンション、学校などの鉄筋コンクリート住宅の耐用年数を伸ばし、スラム化を防ぐ方法があるかということになる。高層住宅は維持が大変なのでエレベータの必要ない低層住宅の普及が鍵となるのでは?

電力:太陽光発電、中小河川における水車の如き原始的発電。廃棄物のメタンガスを利用した発電などを大切にすること。

医療資源:不老不死のための医学は不要である。最も必要なのは普通の内科医、外科医。中でも重要なのは産婦人科医と助産師、お産婆さんである。高度な医療を研究するよりは市井の人々の生活を助ける医療こそが必要である。