人口減少は好機ではない
「ドイツは日本より人口が少なくても立派な国として成り立っている。日本にとって人口減少は好機である。」とバカなことを言う学者がいるようだ。
“人口が少ない”ことと“人口減少”というmovementは全く別である。江戸時代は今よりはるかに少ない人口で日本が繁栄していた。しかし、当時は高齢者社会ではなかった。
人口の総数を別として、全員が赤ちゃんだったらどうか?全員が老人だったらどうか?
考えればわかることだ。人口が各年齢層にうまく分布して労働する人と労働する人に支えられる人のバランスが取れていなければならない。今のドイツも、江戸時代の日本もそのバランスが取れている。バランスが取れていれば人口が多くても少なくても良いのだ。
人口減少というのは災害や細菌性の病気で国民のすべての年齢層が一律に死んでしまうことではない。出生数が減少することで人口が減るのだ。その結果起こるのは就労年齢の人口が減少し、高齢者が増えることだ。
もう一つの問題は、多くの国民が人口減少を理解するようになると、人々は将来に不安を覚え子供を作らなくなる。そして人口減少が急激になることだ。バカな学者を含めて、国民の多くが理解するようになればカップルはいてもゴムの売り上げが増えるだけで赤ちゃんは見られなくなる。
学者さんがこんな簡単な理屈を理解しないようでは困ったものだ。