世界の理想、理論的解決策、現実見通し

ロシアとウクライナの戦争は行方が見えない。それ以外にも中国(中華人民共和国)と台湾(中華民国)や韓国(大韓民国)と北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の統一問題が今後どのように展開するか気にかかるところである。理想としては世界の国々がお互いに戦争することなく平和に独立を保てれば良いと思うが現実には不可能に近い。

ロシアとウクライナについて理想を言えば、ソ連崩壊時の国境まで時間を戻すことだろう。しかし、それにロシアが応じることはないだろう。そして世界の政治家が真剣に検討しなければいけない大きなリスクが迫っている。

ロシアは大国ではないということ。ソ連崩壊後のロシアは広大な国土を持ち、天然資源と多くの核弾頭を保有している。ところが経済規模は韓国より小さい。つまり産業が育っていない国である。一方のウクライナにはヨーロッパ最大の製鉄所があり、同じくヨーロッパ最大の原子力発電所もある。つまり製鉄、兵器産業、原子力産業はウクライナにあった。文化的にもキエフバレー団があり、ボリショイバレー団の主要メンバーにはウクライナ人が多いと言われている。

産業のないのに広い国土と核兵器だけを持った巨人が今のロシアである。西側諸国が協力してウクライナに兵器を供給し続けた場合はウクライナの勝利の可能性が見えてくるかもしれない。なぜならば経済規模が小さく、産業が育っていないロシアは兵站が続かなくなるからである。しかし、これで西側の勝利と考えるのは浅はかである。

ロシアはすでに“窮鼠猫を噛む”の鼠である。鼠は噛むだけだが、ロシアには大量の核があり、化学兵器がある。プーチンは国民のことを考えて降伏するような人間ではない。すでに非人道的行為をたくさん実行しており、その実績から見ても核兵器使用は十分にありうるのだ。そして帝政ロシアに戻るべきか、ソ連に戻るべきか、劣等感を抱えながら夢の中を彷徨っているのが現在のプーチン大統領。窮鼠の精神状態は凶器となっていることを世界の政治家は知るべきである。

私はそんな状態のプーチンロシアは世界の為に極めて危険であり、これ以上追い詰めることは更なる世界の混乱につながると憂いているのである。ロシアに対する制裁は貴重な天然資源の流通を妨げロシアだけでなく世界を混乱させていると考える。この段階で核兵器が使われれば世界は大混乱となるのが嫉視である。

ロシアをこれ以上追い詰めてはいけない。これが私の見方である。

私の考える理論的解決策は新ソ連の結成です。かつてのソ連を復活させるのではなくスラブ人の多い数カ国だけで新たな連邦を形成する。そしてその連邦はロシアが支配するのではなく共同で統治するという形。ロシアがウクライナを支配するのではなく、またウクライナがロシアを支配するのでもない、共同統治の連邦国家の形成である。国土、産業、経済力、天然資源が揃えば新たな立派な国が出来、安定も期待できるでしょう。国境紛争も減るでしょう。そして天然資源は有効に世界に流通させることで新連邦国家と西側諸国はwin・winとなる。

しかし、こんな提案は今まで聞いたことがないので現実的ではないのかもしれない。

現実はどこへ向かっているのだろうか

紛争が長期化しロシア、ウクライナだけでなく米英の国民がインフレ、エネルギー資源の流通混乱にN Oを突きつけるまでは現在の混乱が続くのでしょう。世界の経済、流通が混乱する中でロシアによる核兵器・化学兵器使用の現実味がどんどん高まるでしょう。 

大きな視野で世界を考える政治家の出現が待たれます。台湾問題や北朝鮮問題も同じである。米英は第二次世界大戦の前に日本を追い詰めたようなことを繰り返してはならない。そしてもはや中国は人口・国土面積・工業力・技術力などを総合的に判断すれば米国を抜いていると言っても過言ではない。米英が優っているのは軍事力のみである。この点を真摯に受け止めて国際関係を改善していくべきだろう。