長野県四人殺害事件
最初は特別な事件で気にすることもないと感じたがそうではないようである。ネットが普及し、コロナのパンデミックも経験し、今多くの人は対面でのコミュニケーションが苦手になりつつある。そんな中で自分が孤立していると感じる人は増えているだろう。いわゆる“ボッチ” “ひとりぼっち”という人たちだ。
このような人たちは楽しくしている人を見ると反感を覚える傾向にある。また、これと自意識過剰が重なると、楽しく話しながら自分と目が合う人がいると、自分が馬鹿にされているように感じることもあるだろう。今回はまさにそのケースなのだろう。毎日、自宅の前を楽しそうに話しながら散歩する人、その人たちが自分を馬鹿にしていると感じると、毎日その思いは募っていくだろう。そして事件は起きた。
このような孤独感というものは恐ろしいものである。ガラッと対象が変わるがプーチン大統領も同じようなところがあったと推測される。ソ連が崩壊し、仲間だった(実際には仲間というよりは見下していたのだが)周辺の国がロシアから離れていく。そして、それらの国がこともあろうに敵側であるNATOに段々加盟していく。ソ連を形成していた国が独立して緩衝帯になったあと敵側に入ってしまったのだ。ロシア・プーチンは恐怖感に苛まれていただろう。そしてロシア・ウクライナ戦争は始まった。
我々が考えなければいけないのは、格差社会ではこのような状況がどんどん増えるということだ。格差社会、ネット社会の中で生まれる“ぼっち人間”、彼らに不安を抱かせないように注意しないと、今回の長野県中野市で起きたような事件がまた起こるかもしれない。