トランプ大統領はウクライナ戦争を停める
マスコミ報道によるとトランプ氏はゼレンスキー大統領に対して「停戦に応じれば軍事支援は継続してやる」と言ったらしい。あまりにもざっくりした表現なので私は次のように解釈した。
停戦に応じればNATO加盟へのハードルが一つ減る。NATOは戦争中の国が加盟することを認めていないので現状のままでは永遠に加盟できない。NATOに加盟した場合、ロシアが再び侵攻を計画しても米英を含むNATOの全加盟国から攻撃を受ける可能性が出てくるので侵攻には踏み切れなくなる。これはウクライナにとって大きな利益だろう。
一方のロシアも既に軍備の多くを喪失しており、兵員についても北朝鮮から応援を受け入れるほどに厳しい状況なので停戦は大きな助け舟である。
紛争地の帰属については「停戦後に外交的努力で解決せよ」と言っているとのこと。おそらく、トランプ氏はどの地域を紛争地とするかなど詳細は考えていないのではないだろうか? 「とにかく停戦が必要だ!」というトランプ氏の考えは評価する。
このような停戦について将来再び戦争が発生する危険を含むものだと批判する人がいるが、千年以上戦争が繰り返されているウクライナの地に永続性のある平和を作ることを私はそもそも無理だと考えている。
ここで詳細な説明は省くが、今回のロシアによるウクライナ侵攻は太平洋戦争の時の日米の関係と極めて似ている。当時の日本が現在のロシアであり、当時の連合国が現在のウクライナとNATO諸国である。太平洋戦争は原爆投下という悲劇で終戦を可能にした。これと比べるならば、トランプ氏のdealは単純ではあるが大きな価値があるだろう。