見出し画像

わかりやすく伝える技術(池上彰著)【レビュー】と猛獣塾塾頭の話し方

文章を書いたり、
人に話したりするときに
なんかうまく伝わらないって場面多いですよね。

内容は伝わってるけど、
いまいち”理解”してもらえてない。
重要度とか緊急度が
なんかこう”納得”してもらえない。

「相手の立場に立って」考えるとか
「相手の目線で」伝えるとかは分かってる。

そんなこと言われなくても
わかってるわ。

でも実際に
どんな言葉で、どんな話すればいいのかが難しい。
相手に合った説明がぱっと思いつく人はなかなかいません。

もしたくさんいれば
自己啓発本の棚にコミュニケーションの本が
あんなに並ぶことはありませんね。

猛獣塾入門講座ではまさに
相手に“腹落ち”(頭でわかるじゃなく、納得して腑に落ちる)
してもらうためにどうしたらいいかを

“演繹法””帰納法”という言葉で解説してます

(気になる方はこちら入門講座紹介ページへ)

今回は、池上彰さんの本に
猛獣塾の真髄と同じものを感じたのでレビューと合わせて
ご紹介します。(一部ネタバレしています)

池上彰 わかりやすい伝え方の本質
池上彰さんといえば、
難しいニュースを子供にもわかりやすく解説することで有名です。

最近は以前ほどメディア(特にテレビ)に
出ていませんが、現在東工大の教授として
リベラルアーツセンターで
理系学生向けに社会科の指導を行なっています。

さて、今回読んだこの本
「わかりやすく<伝える>技術」ですが

NHK記者だった池上彰さんが
いかに相手にわかりやすく伝えるか

四苦八苦した当時の”経験や思い”
そこから生まれた手法が書かれています。

手法の中で
印象的だったもの(特に図解)を
紹介したいのですが

池上彰さんや当時のNHK背景が
わかっていた方が理解しやすいので
先に少し説明します

彼がNHKに入社した当時
NHK記者というのは、
ラジオ原稿・レポーターのための
原稿執筆がメインの仕事でした。

記者自身が現場に出て
話す、リポートというのは当時はまだ先駆けの時期だったんです。

リポーターとしてどう説明したらいいか
新米で悩んでいる池上さんに上司からの助言は

「わかんないから適当にやれよ」

もはや助言じゃない。笑
上司の彼もリポーターの経験はなかったんです。

そんな状況だったからこそ
創意工夫を迫られ

今のわかりやすい解説といえば池上さんという
代名詞になったんですね

池上さんが編み出した手法の中で
3つのわかりやすい図解が印象的でした。

1日本は左、アメリカは右

あるニュースの解説で
日本とアメリカが出てくるとします。
そのための図解でこんな感じだと違和感ありませんか?

2枚目のこの画像の方が
なんかこうしっくり来ると思います。

何が違うかっていうと
地理的な位置関係と、図解の位置関係が
一致しているかどうかなんです。

日本からみるとアメリカって
東にあるので、地図で考えると

「日本→アメリカ」がふつうですよね
ちょっとした違いなんですが
見る人、読む人が普段当たり前に感じている位置関係を
図解するときも意識する必要があるというもの。

別の例をあげると
「関東圏に上野駅で起こった事件を報道するとき」

はじめから上野駅にズームした地図や画像を
みせるのではなく

まず関東全域の画像
→その中の東京
→の中の上野駅

みたいに、見る人の立ち位置から
どんどん伝えたい核心に触れていく方がいい。

子供にイギリスってどんな国か説明するときに
いきなりイギリスの地図をみせるんじゃなく
日本から見てどっちにあるのか、

日本とくらべて国は大きいのか
人口はおおいのか、、、
説明した方がきっと理解しやすいですね。

相手のベースにある普通や
考える軸、基準を意識して図を作成すること。

これが図解説明の極意。

2図解【矢印】の注意点
本編ではなく、コラムに書かれていた話ですが
矢印の使い方について興味深かったです。

図解するとき、誰でも
何気なく矢印をつかってますが

主に3種類の矢印を私たちは使い分ける必要があります。
・因果関係
・時間の経過
・移動

この3つの違いは説明するまでもないのですが、
使い分けがはっきりしてないと、むしろごちゃごちゃして
わかりにくくなります。

”ある出来事がおきたからこういう結果になったのか、
単に時間が経ったからこういう結果になったのか”

はっきり区別するために
色分けだったり、矢印のデザインを変えたりと
工夫が必要ですね。

猛獣塾を受講した人は真っ先にピンと来ましたよね。
塾頭がつくるパワポ資料は図解、
なかでも色分けのプロフェッショナルで

講座に使っている資料の色使いは
1つ1つすべてに意味が込められています。

頭だけの理解じゃなく、
すっと腹腹落ちする。

塾頭西田の相手に伝えたい思いが形になった資料です。
資料作成にここまでこだわる塾頭の思いを
記事にしたのこちらもどうぞ

(塾頭西田の腹落ちシートへの思い(近日公開予定))

3よそ見させない
図解の手法、最後に紹介するのは
無駄をとことん省くこと。

あるテストで日本の順位が落ちてしまった
ニュースを伝えるときの例です。

他の国の情報や
得点数を大胆に省くことで、日本の順位低下がくっきりします。

わかりやすく伝えるために
あえて、隠す
重要点以外は伝えない。

情報の取捨選択という視点は
すでに身近になってると思うんですが

図解するときにここまで大胆に考えたことはなかったですね。
他の国、得点にはまったく目をそらせません。

非常に大胆です。

私は、どうしても仕事に集中したい
勉強に集中したいときなんかは
スマホの電源を切って
その辺に放り投げたりするんですが

なんかそれに似てるなって感じます

他ごとに目をそらせない。
そんな状況を強制的につくる。
(スマホぽいぽい集中法って呼んでます。
ぜひ試してみてください。おすすめです。)

ただ、省きすぎると
受け手に対して誤解をあたえることもあるので
どんな情報を省くのかは慎重に選ばないといけませんね。

「自分ごとに落とし込む」猛獣塾塾頭西田の【伝える技術】

私が猛獣塾の講座を受けて
一番感じるのは「当事者意識」を刺激されるってことです。

塾頭西田の説明は
毎回、とってもわかりやすいんですが
わかりやすいというよりも

自分の姿がその説明内容に
画(え)になってイメージがでてくるんですよね。

特にそのわかりやすい説明の仕方、伝え方は
入門講座の「演繹・帰納法」が真髄なんですが
参加者から「生きた講座」って言われる理由がよくわかります。

講座の参加者が変わると
説明に使う例えが大幅に変わってくるんです。

はじめは、
いやいや多少説明の事例がちがうだけで
そんな中身変わんないでしょとか
思ってたんですけど(※私はブルーベリーなので)

本当に説明が違います。
最高で七回同じ講座に参加した人がいるくらいですからね。

塾頭が常々口にする
「自分ごとに落とし込む」
相手にそう思ってもらうために

演繹・帰納法がベースにあって・・・
という話が今回の著書を通して私は改めて、はっきりと頭に刻まれました。

池上さんの本の中で紹介されている
わかりやすく伝える技術は非常に有効なものばかりでしたが、

さらにその根底に「演繹・帰納法」の視点があると
よりいっそう真価を発揮する内容でもあります。

基礎の筋トレ、基礎体力ができてないと
柔道で型を覚えても
うまく技を使えないように

「演繹・帰納法」の視点をベースに
(更に言えば「フルーツ分類法」も)
今回紹介した手法をおぼえていけば

より深い理解と応用力をつけられると思います。

図で書くとこんな感じ

わかりやすい伝え方の技術
どの手法も見る人、聴く人にとって
わかりやすいようにという視点なんですが
話し方ではなく、”図解”だとこうするんですよって本は
珍しい。(探せばめっちゃあると思うけど笑)

「伝え方」の本で図解の話も取り上げるものは
あまり見かけなかったので今回紹介しました。

本著書には、図解だけじゃなく
話し方についてもいろいろ書かれているので
興味あったらぜひ読んでみてください。

池上さんの著書なので
文章が読みやすくてわかりやすいです^^

※で書いたブルーベリーの意味が詳しく知りたい方は
ぜひこちらのページを覗いてみてください。

また、もしご興味あれば
猛獣塾入門講座の「演繹・帰納法」を
どうやって池上さんの手法と組み合わせて応用力を発揮するか
喜んでお伝えします。

運営スタッフにあった際にぜひ声をかけてください。(久保)

いいなと思ったら応援しよう!