寝るのが苦手な話
寝るのが苦手である。
正しくは寝入るのが
昔から本当に苦手である。
いわゆる寝付きが悪いのだ。
修学旅行でもお泊まり会でも
人より先に寝ることは到底難しく
薄明るくなる時間まで
友人全員が寝入るのを
確認することになるのが
常であった。
眠りにつくことは
縁日で見かける千本引きのようだと
常々思う。
眠りに辿り着くための糸を
あれでもないこれでもないと
引っ張るのだが、
一向に見つけられず
見当違いな糸ばかり引っ張ってしまう。
そうこうしているうちに
正解は遠のいていく。
この作業が子供の頃から
苦痛であった。
目を瞑ればいつも
失神するように眠れたらいいのにと思う。
またこの寝付きの悪さから、
どれだけ時間を無駄にし
体力を損なってきたかわからない。
例えば息子が新生児の頃、
昼夜を問わず三時間おきに
授乳をしていたが、
調乳、授乳、哺乳瓶の洗浄消毒を
不慣れな手つきで行っていると、
次の授乳時間までそう時間がなく
挙句一睡もできないまま
次を迎えることも多々あった。
うまく寝るにあたって
もしかすると何か
コツがあるのかもしれない。
そう思い立ち調べてみたところ、
寝付きが悪いことを
過度に気にしないことだそうだ。
うまく寝ることよりも
それが一番難しい。
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