フォーレ室内楽全曲演奏会4
フォーレの室内楽全曲演奏会が去年の11月から始まり、今日が4回めになります。傑作のいずみという副題がついていますが、今日は晩年の大傑作が3曲あります。今日はこの3曲を中心に鑑賞日記を記載します。
フォーレの室内楽は目立たないですが、内容的にはブラームスに匹敵すると思います。人気はブラームスの方が上でありますが、フォーレの室内楽を取り上げる企画というのはフォーレの音楽を見つめ直すいい機会になったなと思います。
⬛️チェロソナタ第2番
チェロが高木俊彰さん、ピアノが桑野郁子さんでした。桑野さんのドレスがオレンジ色だったのは今日の曲目を意識したものかな。今日の曲目は夕焼けの色に例えて日の沈む瞬間の輝きでもあります。
第2楽章がナポレオン没後100年の式典用に作ったものと言われています。天に昇るような感じの美しい楽曲です。終楽章は躍動感ありますが、76歳のときの作曲で病気がちではありましたが、輝きに向かって進みます。それがすばらしいです。
⬛️弦楽四重奏曲
フォーレの弦楽四重奏曲ってすごいいい曲ですが、人気はある曲ではありません。個人的にはベートーヴェンの晩年の弦楽四重奏曲と同じレベルぐらいの曲だとは思っています。ベートーヴェンのようにドラマティックには進まないですけどね。この曲を作曲したのが79歳で作曲後に入院して亡くなっています。最高の愛と最高のやさしさと最高の情熱。人生のすべてが詰まっています。
前回に続いて名古屋フィルのコンサートマスターの日比さんが第1ヴァイオリン。第2ヴァイオリンがビルマン良弓光さん、ヴィオラが小坂井君、チェロが高木さん。でした。すごい難解な曲だと思っていますが、すばらしい演奏でした。この曲を聴けて至福の時でした。
⬛️ピアノ三重奏曲
驚いたのはピアノ、チェロ、クラリネットの編成でブラームスのクラリネット三重奏曲と同じ編成で演奏されました。ピアノが桑野さん、チェロが高木さん、クラリネットが箱崎由衣さん。クラリネットでこの曲を聴くのはまた格別です。この曲のCDは2枚持っていますが、いずれもピアノ、ヴァイオリン、チェロのスタンダードのピアノ三重奏曲です。
クラリネット三重奏で聴くピアノ三重奏曲はすばらしかったです。新鮮な響きだったので1音1音かみしめながら聴いていました。この曲の最終楽章好きなんです。クラリネット版の最終楽章も良かったです。
最後にアンコールでラシーヌ讃歌。フォーレの若いときの作品ですが、フォーレはフォーレ。フォーレはいいな。このフォーレの室内楽全曲演奏会でますますフォーレが好きになりました。