家族旅行in金沢福井長野

なんか最近ずっと落ち込んでるからたまには元気だしてみるかあ、ということでですね、年末の金沢福井長野旅行について記そうと思います。

都内から、金沢に車で行ったのだ。
え、車?
そう、車。

車で旅。人生で一度はやってみたかった。

暇な大学生にしかできない技である。

暇真っ盛りだったはずの当時はそもそも免許を持ってなかったため、「ねえ車でどこか行こうよ!!」と言おうものなら「なあ、お前免許持ってないだろ?運転するの誰だと思ってんだよ?」という圧がかかり不可であった。

しかし!私はもう車をぶんぶん乗り回せる。

昨年の夏頃、行きたい宿がきまっていたため夫に「ねえ車で金沢と長野行こうよ」と提案してみたところ意外と即okだった。

私たちは休みが噛み合うのは年末のみ、という寂しい夫婦のためお互い首を長くして仕事納めを待った。

私の会社の数少ない良いところは12連休をとっても誰にも何も言われないことである。
仕事を納め、ルンルンで帰宅。出発は今晩からだ。

…眠かった。
あーなんで夜出発にしちまったんだ。
とにかく眠い。
暖かい布団でぐっすり眠りたい。

夫も眠そうである。
それもそのはず時刻は23時である。
我々超朝方夫婦にとって23時というのは本来であれば睡眠の真っただ中にいる時間なのだ。

3歳の息子だけはアナ雪みたいいいいい!!と後部座席で爆泣きしている。

「子どもの頃21時回って起きてたことないんだけどな…」と夫がぼつり。
同じくである。

夫よりかは私のほうがまだ夜に強いので、最初は私の運転だ。
強いとは言っても「ねえ!お泊りしようよ!!オールでテラハみよww」と友人を我が家に招集。
そのくせ真っ先に睡魔に襲われ、友人にドラマの内容について話しかけられても
「…え?うん…zyaゃがいも…おいしぃぉネ…」と夢の中から返事をし
気味悪がられる程度の強さだ。

そのくせして朝に強いというわけでもなく
最高血圧がぎりぎり90ないくらいの低血圧なため朝もキツイ。

私が元気いっぱいでいられるのは9:30~17:30くらいまでだ。

その、私が、深夜に運転。
夫も自殺行為であることを理解しているのか眠りが浅く、カーブにさしかかるたびにハッ!!と起きていた。

深夜の高速道路はトラックばかりである。
ETC代をケチり軽自動車をレンタルしたため万が一衝突したら10cmくらいまで圧縮されて死ぬだろう。ぞッーーー…

それでもなんとか群馬のあたりまで来た。
ふと、窓から空を見ると星がめちゃめちゃ綺麗でたまげた。

私は星を見るのが大好き。
もしかしてだけど、ヤリマンだったくせに何言ってんだよって思ってる?ねえ、許さないよ?

星を見ると心がわくわくどきどき。
いつか地平線が見える草原で寝ころびながら☆を見たい。

まあ、とりあえず今は群馬の空で我慢。

高速道路の非常駐車帯に車を止めて降りて星を見上げていた。
私たちが見ているデネブは2000年以上前の光が、今地球に届いていると言われている。
今私が見ている星の光たちは何年前のものなのだろうか…

と、ロマンチックに浸るも数メートル先をトラックが100kmはあるスピードで通り過ぎていく。
こえ~…でもきれ~…交互にやってくる感情。

ちょうど旦那も起きたようで、深夜の高速道路で車から降りるのは正気の沙汰ではないと怒られたためすごすごと車に戻った。

そして旦那と運転交代。

起きたら金沢についていた。
朝風呂を浴びようと銭湯に行きアツアツの風呂に入る。

狭い車内で縮こまっていた筋肉が浴槽で隅々まで伸びるのを感じる。

ふう~~~

ドライヤーもシャワーヘッドもリファだった。
最高級人生である。

そのあとは近江市場に行き、寿司。 
金沢に行ったことのある友人から、観光客向けのところより地元の回転寿司が一番美味いとアドバイスをいただいたのでその通りにした。

でも、近江市場て観光地だよね?観光地にある地元の寿司屋はどうなの?とちょっとよくわからなくなったが問題ない。

そもそも私は寿司が嫌いなのだ。
見た目がかなりうまそうなため毎回次こそはたべられる!!というきもちになってしまい、食べに行くが毎回(もうやめよう…)と思うこととなる。

今回も白子がうまそうだったため頼んだが口に含んだとたん鼻をぬける大洗海岸の磯の香り。
うま…いのか…?これは…?うま…い…?てかこれって…精巣…だよね…私今、魚の精子をごっくんしている…?
想像をめぐらせてしまいゲボを、吐きそうになった。

お次はネギトロに卵黄てきなものが載った軍艦をいただいたが、やはりこれも魚のにおいがする…魚…魚…魚…
また、ゲボを吐きそうになった。

白子
ネギトロに卵黄的なもの

もちろん、美味いのだ。
私以外が食べれば美味いと思うだろう。
実際に旦那はこんなにうまい魚久々に食べた!!と目を見開きながら食べている。

私は魚魚魚~♪魚~を食べると~♪ゲロがゲボがゲロが~ゲロが〜でて~きそ~♪
だ。

なぜ寿司屋に入ってしまったのだ。
私が対応できる寿司は100円寿司までなのだな。
あの一切のコクや香りのない安っぽい冷凍の味。

そもそも魚など食べたかない。肉が、好きだ。

そのあとは兼六園を散策、21世紀美術館で撮影大会からのひがし茶屋街でお汁粉とアイスクリームをいただいた。

金沢大満喫である。

そういえば兼六園にあった松の木には、太平洋戦争に使う乗り物の燃料にするためそぎ取られた傷がまだ残っていた。

私の今の生活は、たくさんの犠牲の上で成り立っているものなのだなあ…と人並みの感想で恥ずかしいが胸にくるものがあった。

21世紀美術館、息子はあの有名なプールに夢中。

夫の撮影技術が日に日に向上しておりワンホンの後ろ姿みたいな写真を撮ってもらえ私も無事にっこり。

これを書いていて思い出したがひがし茶屋街で買った線香、どこやったっけ?
あーもやもやする。
帰ったらイライラしながら探す羽目になりそうで今からイライラだ。
あ~一生思い出さなければよかったのに。

と、金沢を無事に大満喫し初日が終わった。
夜は露天風呂付き客室でゆっくり。


部屋で食べる旅館飯が一番美味い
ひがし茶屋街のお汁粉。きなことあんことみたらし?それぞれ皿が分かれていた。息子はきなこを舐めていた。

夫婦ともに疲れ果て爆睡し、初日は~FIN~

二日目は福井の恐竜博物館へ

どんどんどんどん雪が分厚くなっていく。
私の身長ほど高く積もっているところもある。

ノーマルタイヤで行く予定だったが「おまえまじ!?」と何人からも止められ、夫からも止められ、しぶしぶスタッドレスにしたのだが、みんな、ありがとう。私の命があるのはみんなのおかげです。

雪に圧倒されている間にも車はどんどん山道へ。
ねえ、そんなスピードだして大丈夫?と言おうとした矢先、カーブで対向車が。

曲がり切れずに急ハンドルを切る夫。

すると車が山の斜面の方向に滑った。

スリップしたのだ。

ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!
と叫ぶ私。
おいおいおいと焦る夫。
対向車はよけたものの山の斜面にぶつかれば即死間違いなし。
夫がなんとかハンドルをきるも、今度は崖の方向に滑りだした。
きゃああああああああああああああああああああああああああああ!!!と本日2度目の絶叫をする私。
恐怖と焦りのあまりもはや無言の夫。
息子に至っては先ほどから一言も発していない。

崖、斜面、崖、斜面と何回か繰り返し、そのたびに私は絶叫した。

そして、運良く、本当に運良く、車はなんとか持ち直した。

おまえ!!!!!!!!!死ぬなら一人で死ね!!!!!!!!と、
怒りの余り夫に暴言を吐いてしまうも「ごめん…ごめんね…」と魂の抜けた顔で謝られた。

スリップして以降初めて口を開いた息子が「車壊れちゃったの?」と聞いてくるもんですからね、
怒りが収まらぬ私は言いましたよ。
「壊れてるのはパパの頭!!!!!!!!」とね。

スリップしてから関東平野に戻るまで、
私は「はい、スピード出てるよ。40kmに戻して。」と車校のうざい教官に変貌を遂げたのであった。

いやあ、マジで怖かった。
正直これ以外のことそんなに覚えてないもんね。
死ぬか生きるかの瀬戸際、私が唯一発せたのはきゃあああああああああああああああああああああああという叫び声のみ。

生きてて…よかった…

恐竜博物館についてからも先ほどの臨死体験を思い出しては背筋を凍らせ、夫に嫌味を放った。
嫌な嫁だよなあ…でも、こわかったんだもん!!
この日はどっと疲れたのであった。

ただ、反省した夫が文句言わずに何十枚も写真を撮ってくれたのでよしとする。

恐竜博物館、大人の私でも楽しかった。なんか上野にたくさん広告出てたあたりから行きたかったから行けてハッピーである。

この日のお昼ご飯はカツを食べた。
フォロワーの男の子に教えてもらったのだが福井はカツが美味しいらしい。
ということで恐竜博物館ちかくのグリルやまだへ。

カツ。カメラロールにまともなのがなかったため
ネットから失敬

20-30分待ってようやく店内に入りカツを注文。
息子には自分の分をあげようと思っていたのだが夫が「たくさん食べると思うよ。頼んであげようよ」とか言ってくる。

なんだか私がケチみたいではないか。
息子は絶対に食べない!という母の勘があったが一応従うことにした。

カツが目の前に出てきたとき、嬉しかったなあ。
食べなくても美味しいことがわかる。

そして息子、案の定チキンカツを一口食べて「いらない!」と言いパウパトロールを見始めた。
ええ、にらみつけてやりましたよ。

「あんた私の言うこと聞いて失敗したことある!?」と聞くと「ない…」とのこと。ないんだ。なんか嬉しい。とにかく、もう余計な口は挟ませまい、と改めて決心しましたね。

そしてそして車は長野に向かいます。
なげえ、なげえよね。
どんだけ話すんだよってかんじだよね。
私ももうやめたい。でも長野も長野で楽しかったから言いたい。

まず、長野県阿智村というところに私はずっとずっとめちゃめちゃ行きたかった。
星が一番綺麗に見える村だそうだ。

関東で一番綺麗に見えるのか日本で一番綺麗に見れるのかは定かではないが、とにかく一番らしい。

星空ツアーに参加するため宿に着き、早々にご飯をいただく。ライブキッチンだ。
ここが、とにかく素晴らしい宿なのだ。
この宿も、ずっとずっと行きたかったところだ。

ロビーには星の本がたくさん置いてあり、星空を眺めながら読めるようになっている。お酒も飲み放題だ。
玄竹という宿です。
フカヒレのスープ
部屋の前の中庭がとても綺麗だった。

こんなに素晴らしい宿なのだ。チェックイン可能な15時からきてゆっくりしたかった!!

慌ただしくご飯を食べ、車で星空ツアーの待ち合わせ場所にむかう。
つくとそこからはロープウェイに。
コートを二枚重ねしても寒かった。
みんな雪山用のブーツを履いていたが、私が履いているのは厚底ブーツである。

昔、高尾山に登る前にネットで検索したところ初心者向けのすぐに登れる山、と出てきたのでサンダルで行ったことがある。

当たり前だが、登りやすいとは言え、「山」である。
真夏だったが、サンダルで着てる人は一人もいなかった。
しかもつっかけタイプのサンダルだったため非常に歩きにくく苦労した。
あのときにTPOを学んだはずだったが、私はまたしても山に不向きなものを…!

と、後悔したが雪の冷たさが足に届かず意外といいかんじだった。

星空ツアーが始まるまでの間、息子は雪に大興奮して走り回っており、夫は息子が遭難しないように見張っていた。

天気は雪、というかもはや吹雪である。
これ、ほんとに星空見れんのか?と一抹の不安が胸をよぎる。まあ…でも…みんな待ってるし…奇跡は信じるものにしか起こらない…よね…!

待つこと30分。
星空ツアーの司会者?「星兄」の挨拶が始まった。
ほしにぃ。おじさんなのでほしじぃのほうがいいのではないか。しかしこれはルッキズムなのか。

ほしにぃが言う。
「本当ならここで寝そべって夜空見上げるんだけどねー、今寝そべったらみんな遭難した人みたいになっちゃうからねー」と。

もうどっかんどっかんである。
会場を沸かせることが得意なタイプ、羨ましい。

ほしにぃは冗談を飛ばしながらも曇天をレーザーポインターで差し「本当ならここにポラリスがあるんだよー」と色々教えてくれる。

星、目に見えなくとも、私の心には確かに見えている!!!とうんうん聞いていたところ夫に「星、見えてないよ、もう帰ろう」と声をかけられた。

どうやら夫には見えていないようである。
もちろん、私にだって見えていないが、帰りたくない!!

しかし、息子も寒そうだし、ロープウェイが混む前に帰らないとあとあと凍えながら待つことになるよ、という夫の超現実的な進言を受け入れ宿へ戻ることにした。

残念だったなあ。
でもね、ほしにいが「こんな寒くて吹雪いてるのにそれでも星見れること信じて待ってた皆さんはいつか必ず綺麗な星空見れますから!!」と言ってくれたのだ。
ほしにいの言葉を胸に、私は吹雪の山を後にした。

そして、宿に戻り風呂やらなんやらを楽しんだ。
ハーゲンダッツが冷蔵庫に入っており、ブルジョワ気分である。

この宿、必ずまた来る…!

と、言うことで長野は終わり、翌日は阿智神社に寄ったのだが何かを間違えているのか誰もいない、境内?も全てが閉まっていた。
御朱印集めを始めたての私としてはがっかりでしたね…

気を取り直して帰り道にとおる山梨で神社に寄り、一年の挨拶をしよう、と夫と話したが、神社に着いてから夫の財布がないことに気がついた。

夫婦揃って顔面蒼白である。
阿智神社によったとき、キャッシュレス決済ができなかったら困るからと夫の財布を借りたが、返したはずだった。
その後、神社に着くまでの間に車から出たのは夫がSAによったときと、河口湖でみんなで石投げをしたときの2回だけである。

河口湖に戻って探すも、ない。寄ったSAがどこなのかは覚えておらず、どうしようもない。
「えー阿智神社かな?えー…戻る?今、山梨だけど、長野まで戻る?私はいいよ…私が無くしたのかもだし…運転するよ…」「いや、いいよ…一万くらいしか入ってないし…」
財布には全てが入っていたようで落ち込む夫を横目に小遣いを渡す前でよかった…とひっそり安堵した。

でも、落とし物って、その人が見舞われるはずだった不幸も一緒に落ちてくれるって言うしさ!!と、10年以上も前にこっち向いてみぃ子で読んだセリフをそのまま夫に伝えた。

「…」

聞いていない。
出典元こっち向いてみぃ子だもんな。ごめん、なんか適当なこと言って…と、心の中で謝った。

夫が無くしたのは5-6年くらい前に私があげた財布である。
ボロッボロになっても使っていて「そろそろ買い換える?」と聞いても「ちみちゃんがくれたやつ、気に入ってるし、いい。」と断られていた。

新しい財布、プレゼントするかぁ〜

しかし、翌日夫に電話がかかってきました。
拾ってくれた人がゆうパックで財布を送ってくれることになったらしい。
親切な人がいるんだなあ、日本もまだ捨てたもんじゃない…ありがたい…としみじみ。

どこにあったのか、夫に聞いたところ

「阿智神社」

…あ…

このあとしばらく擦られた。

いっそのことでてこないで、新しい財布をプレゼントして感謝されたほうがマシだったかもしれない…と思わないでもなかったが数万浮いたのだから全然そんなことない。かなりありがたい。

なくなったのが私のカプシーヌの財布じゃなくてよかった。
旅行に財布は持っていくべきではないのだな。
今度から100均のベリベリ財布を持っていこう。
30目前になってもなお、学ぶことがいっぱいである。

生きて帰ってこれたこと、財布が戻ってきたこと、なんか全体的にありがたみがしみる旅であった。

次は、どこ行こうかな。

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