10月5日(友人の紹介)
突然だが私はバカである。
兄や母に発達障害や精神疾患を疑われることはしばしばあった。
私を病院につれていくかどうかで母と兄が家族会議を開くことはしょっちゅうだった。
うちの家庭には「デリカシー」というものが存在しないためその種の会議は私の前でも行われていた。
果たして娘は、妹は、ただのバカなのか、それとも病気からくるバカなのか。
私の前で繰り広げられるこの論争に対し私は「子供なんてみんなバカでしょ!神経質すぎ!あと失礼だし!」くらいにしか思っていなかったし、つい最近までそう思っていた。
それがどうやら違うかもしれないのだ。
もしかしたら私は結構なバカなのかもしれない。
誤解しないでいただきたいのだが、天然ぶった女がよく使う「私バカだからぁ」などといったエセのバカとは違う。
今年で学生生活も終焉を迎える肉まん、最近めっきり昔の話が多くなったのだが、自分の幼少期の話をすると友人たちは若干引く。か、引き気味にウケる。かのどちらかなのだ。
こちらからしたら、「みんなもそんなかんじのことやってるよね。」的なノリで話しているので割と心外である。
昔から今までずっと、バカなのだ。
例えをあげれば枚挙にいとまがない。
まあもののついでなのでひとつ紹介させていただこうと思う。
私は皿洗いが嫌いだった。ごはんをたべたあとの重たくなったからだを台所まで運び、ぬるぬるになっている皿を冷たい水で洗わなければならない。
母は仕事だったので夏休み中なんかは自分で使った皿は自分で洗わなければいけなかった。
もうほんとにいやでいやでどうしたものかと考えた末私はどうしたと思う?ねえ、ほんとありえないよ。
あのね、ベッドの下に隠したの。使用済みの皿を。納豆食った皿とかカレーの皿とか…
きゃあ…ちょおきもいね…
今となっては10歳にもなってなぜそのような判断を下してしまったのか、己の知能指数を疑うしかないんだけど当時は真剣だった。
が、日に日に皿が減っていくのだ。
しかもベッドの下から納豆やらカレーやらの臭え匂いがする。
母はすぐ気がついた。
そして私はボコボコに殴られた。
泣きながら見上げた先で、兄が蔑んだ目をして私を見ていた記憶がある。
こんな感じのことがしょっちゅうだったので母と兄は不安だったと思う。
申し訳ないと思う。が、知的障害を持っていると思われて育った私の身にもなって欲しい。
常に異物を見るような目で見られていた。
家族に「こいつはなんか違う」と思われながら一緒に生活するのはまあまあキツイのだ。
ベッドの下に皿を隠したりしているのであんまり強くは出れないのが悔しい。
だが、今では毎日家の掃除をしているし、夜は水回りに一滴も水分を残さぬよう心がけている。
それにしてもなんてきもい子どもだったのだろうか。
自分の子どもがベッドに皿を隠したりしたら私はどう対処しよう…
人のこと言えないしなあ…とか思っちゃうと思うので教育は未来の旦那に一任することにしようと思う。
こんなバカが母親だなんて…いつか訪れるかもしれない己の子が不憫でしょうがない。
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