【前編】おっさんバイク乗りの完全主観による、バイクでの首都高の走りかた
まず最初に、声を大にして言っておくよ。
ローリング行為(首都高で猛スピードを出してグルグル何週もする行為)は絶対にやめよう。
おじさんはローリング行為を称賛するつもりも、助長するつもりもないよ。でも、夜景を楽しみながら1人静かにナイトツーリングをしたいって人もいると思う。
もしくは単純に、夜の首都高を走ってみたい! って人もいると思う。この記事はそういう人向けに書くのであって、その点については勘違いしないでね。
首都高の概論
首都高は、東京都心に網の目のように張り巡らされた自動車専用道路。実はあれ、高速道路じゃないんだよ。だから法定速度は最高でも60km/h。もっと低い法定速度の場所もあるから、標識に注意して、法定速度を遵守しようね。
……と言いたいところなんだけど、実際のところ、慣れている人はまあまあすごい速度で走っているのが殆ど。特に深夜のタクシーなんかは、下手な走り屋より速い奴がいたりする。140キロくらいでかっ飛んでいくタクシーを見たことがあるよ。
なので、あくまで法定速度は定められた速度なんだけど、本当にその速度を守っているとかえって危険な『場合もある』よ。時には緊急避難も必要なので、周囲に気を配りながら臨機応変に対応しようね。
首都高の構造
首都高は大きく分けて
①C1(シーワン) 都心環状線
②C2(シーツー) 中央環状線
③放射線
の3つに分けられるよ。
C1というのはざっくり、皇居の周り→東京タワー→汐留→日本橋あたりをぐるっと囲んでいる環状線のこと。俗に左回りをC1内回り、右回りをC1外回りと呼ぶよ。ゲームの首都高バトルとかで聞いたことある人もいるよね。
C2というのは、千葉や埼玉との県境あたりをぐるっと通って、池袋・新宿・渋谷・五反田など主要な地域の外側を通って、大井などの湾岸エリアに接続する環状線のことだよ。
放射線というのは、環状線から外側に向かって放射状に延びていく路線のこと。1号上野線と1号羽田線から始まって、20以上の路線がある。3号渋谷線(3)、11号台場線(11)、湾岸線(B)、神奈川1号横羽線(K1)といったように、各路線ごとに数字やアルファベットの略号がついているよ。
これらの環状線と放射線を組み合わせた網の目状の自動車専用道路を総称して「首都高速道路」と呼ぶんだよ。高速道路じゃないのにね。
首都高ではないんだけど、C2のさらに外側、首都高と各高速道路(東名高速、中央自動車道、関越自動車道、東北自動車道、常磐自動車道、京葉道路、東関東自動車道)を接続する部分をぐるっと伝うように走る、東京外環自動車道というのもあるよ。これはまだ全線開通してないんだけど、首都高と外環道全てを駆使すると、わりとワープ気味に首都圏を移動できて便利なんだよ。毎日あちこちで大渋滞を引き起こしてはいるけどね。
C1・新環状について
各路線について説明していたらきりがないし、みんなが走りたいのはやっぱりC1や新環状だよね。なのでそこらへんだけ抜粋して取り上げるよ。
湾岸線についてはおじさんは詳しくないよ。
くく・・湾岸線のコトが知りたい? 簡単なコトだ 湾岸MIDNIGHTを読めば大体ワカる でもこれだけは言っておく――
「今日死ぬかも知れない・・」そう思わない奴がみんな死んでいる――
ただしその前に、首都高において全般的に言える注意点について解説しておくよ。首都高に共通する注意点
①路面のつなぎ目
②左右へ荒ぶる分岐・合流
③乗用車、商用車、トラック、オートバイが入り乱れるカオス
④ドライブ組、雰囲気組、本気組、キチ〇イの存在
ざっとこんなところかと思う。それでは1つずつ解説していくよ。
①路面のつなぎ目
これは走ってみればすぐにわかる。首都高は陸橋部分が非常に多い。陸橋は地面に繋ぎ止められているわけではないので、多少の伸縮性をもたせて揺れや寒暖差による伸び縮みを吸収するようにできている。そのため、道路には定期的につなぎ目がある。
首都高を走行している動画などを見てみると分かるけど、一定の周期でガタッ、ガタッ、と揺れていると思う。それがつなぎ目を越えたときの音だよ。このつなぎ目が、非常に滑りやすい。バイクで走っているとドキッとすることがあるよ。
②左右へ荒ぶる分岐・合流
首都高、特にC1は都心を無理やりひとまわりさせているせいもあってか、出口やジャンクションがみっちりと詰まっている。もちろんそのたびに分岐や合流があるわけなんだけど、それが左右バラバラで非常に混乱する。道を覚えていないうちは、分岐を曲がったら即合流だったり、突然目の前に合流車両が現れたりして焦ることがあると思う。
C1でいうと、江戸橋JCT~霞が関の間あたりは特にひどい。
合流してくる車両を避けるために反対車線に移っておくのが基本的なセオリーではあるんだけど、道を覚えていないとそれすらできない。まずはゆっくり走って道を覚えようね。
③乗用車、商用車、トラック、オートバイが入り乱れるカオス
首都高はクローズドサーキットではないので、当然、移動のために利用しているクルマやバイクがたくさんいる。というか本来はそっちが普通。
おまけにそれぞれの車両によって、走ろうとする速度がバラバラ。ゆっくり安全運転しているトラックもいれば、前方のクルマを煽り倒しながら飛ばしていくハイエースや営業車がいたりする。
そのため、いわゆる「車の流れ」を感じ取りにくいので、他のクルマを頼りにしてしまうと適正な速度をキープすることが難しい。
④ドライブ組、雰囲気組、勘違い組、本気組、キチ〇イの存在
これはまさに首都高ならではの要因だけど「首都高を走ることを目的に来ている奴」の存在がある。これがさらに首都高の危険性を上げる一因となっているよ。なおこの分類はおじさんが勝手に考えただけだから、よそで口にしないようにね。本気組に「雰囲気組すか~?w」とか言っちゃだめだよ。
・ドライブ組
夜景や名所を回りながら、安全運転でドライブしているクルマ。基本的には害がないし悪気もないが、道に慣れていないため変な運転をすることがある。分岐を間違えそうになってギリギリで慌てて車線変更したり、分岐手前でどっちに行ったらいいのか分からなくて異常な減速をしたりする。車種は高級外車からコンパクトカーまで多岐にわたる。
・雰囲気組
走り屋を気取っているわけでもないが、走り屋っぽい雰囲気を味わいに来ているやつ。運転テクがないのにちょっと早めのスピードで走ろうとしてみようとするタイプと、腕はあるけど本気で走るのは疲れるので、軽めに流して遊んでいるタイプに分かれる。見た目がきれいめのスポーツカーに乗っていることが多い。
・勘違い組
パワーのある高級外車やスポーツカーに乗っていることで、調子に乗ってスピードを出してイキがっている痛い人達。BMWのMシリーズやレクサスの上位グレード、アメ車のスポーツカーなどが多いが、黒のアルファードやヴェルファイヤなども見かける。運転技術は無に等しいので危険な存在。導火線に火が付いたダイナマイトのような存在だよ。
・本気組
本気でローリング行為を目的として走りに来ているヤバい奴ら。この辺から一般常識は通用しない、頭のおかしい奴らになってくるよ。
一定の倫理観を持っていて、一般車両には迷惑をかけないように心掛けているタイプと、周囲の迷惑なんておかまいなしのタイプがいるよ。
「本気組=運転技術がある」わけでもないので、ヘタクソなくせに安全マージンを取らずに本気で攻めて、一般車両を巻き込んで事故るゴミ野郎も大勢いるよ。死ぬなら1人で死ねばいいのにね。
車種はヴィッツやフィット、マーチ、スイフトスポーツなどのコンパクトカー、シビックやインテグラなどのライトウェイトスポーツカー、RX-7やスカイラインGTRなどの大型スポーツカー、そしてポルシェなどが多いよ。
でもボルボとかエスティマの本気組もいるから、よくわかんないね。
・キチ〇イ
本気組を超えた何か。マンガの世界から飛び出してきたような連中だよ。完全に感覚がマヒしてしまっている妖怪なので、見かけたら親指を隠したり、般若心経を唱えるといいよ。もっとも、そんなことしているヒマもなくあっという間に走り去ってしまうけどね。
前編はここまで。
後編ではもう少し具体的な話にうつるよ。