家族ぐるみの付き合いで、小さい頃からずっと知ってる女の子。その彼氏と名乗る妖怪から新小岩でゆすられそうになった話。

 警告しておくけど、かなり長いうえに何も楽しくない話だよ!
 読んでも胸糞悪いだけ、こんなものはタンツボです。



 

 俺が11歳の年にうちの両親が離婚し、俺は母とともに暮らすことになった。
 母が離婚後すぐに働き始めた会社で、仲の良い女友達が3人ほどできた。そのうちの1人は結婚しており、当時はまだ娘が3歳くらい。その数年後に弟も生まれた。この長女を仮称「A子」とする。
 A子の父は遊び人で、女遊びもずっと続いてたし、自分で飲食店を経営したり潰したりしながら、割と自由奔放に生きている人だった。でもすごく繊細なところもあり、人間的な魅力があって、憎めないタイプの人だった。今にして思えば、そういうところが女にモテたのだろう。
 A子の母も、A父の女遊びや奔放な生き方にかなりのストレスを抱えながらも、夫婦仲そのものが冷え切っているようなことはないように見えた。うちの親子2人と、そこの家族3人で、何度も、カラオケに行ったり遊園地に行ったり、お祭りに行ったりもした。
 最後に家族ぐるみで遊びに行ったのは、A子が12歳くらいの頃だったのを覚えている。その頃は弟が7歳くらいになっていて、弟の面倒もしっかり見て、聞き分けもよく、それでいて素直ないい子だった。

 そのお祭りに行った数年後、A子の母親はA父へのストレスや怒り・恨みが限界を超えたか、もしくは単なる遊びだったのか、今となっては分からないが、バイト先で知り合ったかなり年下の男の子と不倫関係となった。そしてその相手と不倫旅行に行った先で、脳梗塞だか脳卒中だかで倒れ、当然A母の不倫は家族の知るところとなってしまった。
 それだけに留まらず、脳の後遺症で言語障害が残り、人格も変わってしまったらしい。A母はもともとあっけらかんとした明るい人だったが、別人のように怒りっぽく、被害妄想が強くすぐにヒステリーを起こして暴れまわる人になってしまったらしい。
 A父もそれで反省し、遊びをやめて家庭に尽くすようになったが時すでに遅く、A家庭はめちゃくちゃになってしまっているらしい、という話だった。「らしい」というのは、俺の母ももはや変わり果ててしまったA母とは関係を維持できず、断絶状態になってしまったからだ。

 それからまた数年たった頃だっただろうか。俺が28歳くらいの時だった気がするが、正直、ここからの話は俺にとってもかなりショッキングな事件だったため、あれが果たしていつの事だったのか、あまり記憶が定かでない。

  ある日突然A子から俺にメールが届いた。内容は「手紙を送りたいから住所を教えてほしい」ということだった。何でわざわざ手紙を? とは思ったものの、特に疑問も抱かずにメールで自宅の住所を教えた。それから1カ月くらい経過したあと、またA子から「相談があるから、新小岩駅に来て欲しい」と連絡があった。これまた特に疑う理由もなかったので、何事かと心配しながら、原付で待ち合わせの場所に向かった。

 待ち合わせ場所に行ってみると、A子がいた。少しやつれて表情に生気がない様子だったが、その様子よりももっと気になることがあった。A子の横に、妖怪が立っていた。
 ずんぐりむっくりした体型で、めちゃくちゃ目の粗いセーターを地肌に直接着ているせいで乳首丸出しで、髪を金髪に染めているが頭頂部が完全に薄くなっている。身長172センチの俺より頭ひとつほど背が低く、頭頂部が丸見えだ。おそらく30歳前後だろうか? 顔は脂ぎっており、ガマガエルを擬人化すればこんな顔になるだろうといった風貌だ。この薄毛豚野郎を以後「カッパ」と呼称することとする。
 俺はA子に挨拶しつつもこのカッパはどなたかと聞いた。カッパいわく、A子の彼氏だという。面食らいつつも、まあ愛の形は人それぞれだし……と思い直した。そういえば何故ここにカッパがいるのかと疑問に思っていたら、カッパが不敵に「まあ座って話しましょうよ」と駅ビルの居酒屋へ案内してくれた。
 移動している間カッパを観察していたが、異様に汚い肌、焦点が合わない瞳、おぼつかない足元、醸し出す雰囲気全てが「ヤベー奴」でしかなかった。挙動不審で、喋り方も情緒不安定そうだ。違法薬物でもやっているかも知れないと本能的に感じた。いよいよ何故こんな奴とA子が付き合っているのか疑問に思ったが、A子に話しかけてみても心ここにあらずといった様子で、表情はポケーッとしており、受け答えもどこかちくはぐだった。とんだ不思議の国に迷いこんでしまったと困惑しているうちに、居酒屋に到着した。

 居酒屋で案内された席につき、ひとまず飲み物を注文。俺は原付だったので、たぶんウーロン茶でも頼んだんだろう。食べ物は頼んだんだろうか。記憶がない。
 そうして俺が「で、どういう相談なの?」と切り出したような気がする。その途端カッパが「俺から話すから」と急に横柄になり、饒舌に話し始めた。
いわく
・自分は風俗店で働いているボーイである。
・A子もその店で働いており、客を取っている。
(この時点でかなり俺は動転して、A子が風俗嬢として働いているという意味か? と何度も聞き返したことを覚えている)
・その風俗店は、女の子が処女であることを売りにしているヘルスである。
・カッパがA子と付き合い始めて、セックスしようとしたら、処女ではなかった。
・A子を問い詰めたところ、幼いころに知り合いの男性からレイプされたので処女ではないと白状した。
・そのレイプした相手がお前だと聞いた。
・処女じゃなかったらうちの店では働けない、商品価値がない。
・慰謝料を払え(と言われたような気がするが、このあたりですでに頭は真っ白だったため、記憶が定かでない。)

 ここで弁解しておくが、天地神明に誓って俺はそんなことをしていない。当然俺は「いやそんなことはしていない」と否定するがカッパはヒートアップして「じゃあA子が嘘をついてるってのか? お前は子供の頃から家族ぐるみで付き合いがあるって聞いてる。そんなA子がこんな嘘をついてるというのか? お前には人間の心がないのか?」とまくし立ててきた。居酒屋に響き渡るほどのカッパの大音声に店員が顔色を変えて注意しに来るが、カッパは「うるせえ! てめえには関係ねえよ! 警察呼ぶなら呼べ、俺は前科者だから怖いものなんてねえぞ!」と、全然かっこよくない啖呵を切っている。前科者のカッパ、略して前科ッパである。A子に問いただそうとしてもカッパがそれを阻む。

 俺がレイプを否定する。カッパが騒ぐ。A子は心ここにあらずという表情でボンヤリしている。いや俺がそんなことするはずがない。いやオメーがやったってこいつが言ってんだよ! おやめくださいお客様。うるせー俺は警察も怖くねえぞ! A子はなおもぼんやり虚空を見つめている。そんなやりとりを繰り返しているうちに、俺の脳内で不思議な現象が起き始めたのだ。

「確かにカッパの言う通りである。あの聞き分けがよくてしっかりしていたA子が、嘘やでまかせで俺のことをレイプ犯だなんて言うわけがない。ということは、もしかして本当に俺がレイプしたのか?」という思考が生じてきた。
 
 人間は、何か耐えきれないストレスがあったり、自分で認めたくない出来事があったとき、それを記憶の奥底にしまい込んで、思い出せなくするという事があるらしい。
 もしかして俺も、A子をレイプした記憶をしまい込んでしまって、思い出せなくなっているだけなのでは?
 だってA子がそんな嘘をつくはずがないから。
 3歳のころ、カラオケボックスの室内であちこちハイハイして動き回り、可愛らしかったA子。
 7歳のころ、俺のことを大好きと言って、肩車をせがんできたA子。
 12歳のころ、もうそろそろ中学生にもなるというのに、ブサイクな俺と手を繋いで嬉しそうにニコニコしていたA子。
 俺は泣いていた。あのA子がそんな嘘をつくわけがない。だから俺がレイプしてしまったのかも知れない。真剣に、そう考え始めていた。

 しかし、俺だってそんなことをするわけがないんだ。ほんの少しだけ冷静になって気を持ち直した俺は「じゃあどこで、どんな状況で俺がレイプしたってんだ」と聞き返した。カッパは少したじろいだ様子で「犯罪者が偉そうに抜かすな! お前が一番分かってるだろうが!」といったようなことを叫んだ。その瞬間、これは嘘だと直感した。

 そうしてみると、A子が不自然にいきなり住所を聞いてきたのは、A子に俺の住所を調べさせたかったに違いない。俺の住所をおさえてどうするつもりなのか? 襲ってやろうとでも思ったのか。
 となるとこの話は全部カッパが絵を描いたストーリーで間違いない。ビビらせてゆすろうとでも思ったのか? そもそもの話が嘘である以上、こいつが動くメリットは金目当てくらいしかない。

 もしくは、本当に俺がレイプしたと思い込んで怒っているのかもしれない。しかしよく考えてみれば、処女を売りにしてる風俗店の女の子とセックスしようとしてたくせに、俺にレイプされたからもう店に出られないとかいう理屈はめちゃくちゃだぞという当たり前の話にもやっと気が付いた。このあたりで俺はやっと正常な思考を取り戻した。そしてとにかくこのイカレ野郎から逃げなくてはいけないという恐怖にも襲われた。A子のことは後日両親に確認しよう。とにかくその状況に耐えられず、自分がここから逃げ出すことしか考えられなかった。

 俺は精いっぱいの沈痛な面持ちを作り、「いいから、全部話してみてくださいよ。その上で何も言い逃れができなかったら、俺は逃げも隠れもしません、どんな償いでもしますから」と泣きそうな顔で絞り出すように言った。我ながら名演技だ。

 カッパはそんな俺の弱り切った様子を見て勢いを取り戻し「A子から聞いた話」とやらを話し始めた。合間にはA子に「な? そうだよな?」と確認する芸の細かさには少し感心した。A子はボンヤリと頷くだけだったが。
 カッパの話いわく、

・俺が20歳くらい、A子が12歳くらいの時に、夏祭りに行った。
・その時、親達だけ先に祭りに行って、子供二人で俺の家に残ったタイミングがあった。
・その際にレイプされた。
・ベッドに力づくで押さえつけられて身動きが取れず、怖かった。

 その話をふむふむと聞き終わってから、俺は答えた。
「いや俺んちベッドないわ。布団だわ」
『はあ!? ……じゃあ勘違いだろ!』
「いやさすがに布団とベッド勘違いしないでしょ」
『そんなもん証拠ねえだろうが!』
 みるみる顔を赤くするカッパ。茹でカッパである。
「いやそっちも証拠ねーだろうが。それに俺とA子だけが残ったなんてこともなかった。確かに一度家に来たけど、そのまま全員で祭りに行ったよ」
『でまかせ言うんじゃねえよ!』
「じゃあ俺の親とA子の両親にも聞いてみるか?」
 その後もカッパはあーだこーだと騒ぎ立てたが、俺も「文句あるなら警察いけ、今すぐ呼んでやろうか、警察怖くねえんだろ?」とやり返した。そんなやりとりを何度か繰り返したところで、カッパが急に落ち着きを取り戻し「じゃあ、本当にあんたはやってないんだな」と言った。俺ももううんざりしていたが「だから何度もそう言ってるだろ」と答えた。カッパはしばらく俺の目を見つめてから、突然居酒屋の通路で土下座をして、大声で謝り始めた。
 そんなのはチンピラがよくやるデモンストレーションなのは重々承知していたので、「もうそういうのも迷惑だからやめてくれねーかな」とあしらい、店の人にも詫びを入れて、会計して店を出た。建物を出るまでの間にもまた土下座をしてきたので、頭をぐしゃぐしゃに踏み潰してやろうかという衝動にも駆られたが、もうそんなことはどうでもよかった。

 あのA子が、おそらくカッパの暴力や詰問に屈し、わが身可愛さで嘘をついたか。もしくはカッパの金儲けのために俺を売ったのか。
 A子の明らかに薬物をやっているようなラリラリした様子から、もうまともな精神状態ではないのだろうとは察していた。A子に裏切られたと言う驚きと、あの可愛らしかったA子が風俗で働いているというショックと、A子が何故こんな様子になってしまったのかという絶望感と、このヤク中カッパが今にも逆上して刺して来たりしないかという恐怖がぐちゃぐちゃに混じり合い、訳の分からない混沌とした恐ろしさが俺を支配していた。
 我ながら情けないことだったが、A子を守らなければと考える気力もなく、ただその場を1秒でも早く離れたかった。

 なんとかその場から離れることに成功し、原付に乗って帰途についたが、その道すがら、A子の両親に対してふつふつと怒りが沸き上がってきた。一体なにをやっているのか。何故A子が風俗で働いているのか? もしかしてA子は家出をしていて、両親は何も知らないのか? だとしても、何故野放しにしているのか?

 もう思考と怒りが限界を超えてしまい、俺は途中で原付を路上に停め、まずA子の母親に携帯から電話をかけた。母親はすぐに電話に出た。
「久しぶりじゃ~ん! 元気?」以前と同じ明るい声だったが、まるで作り笑いのような違和感を覚えた。同じ人が同じ声で喋っているが、中身が宇宙人に入れ替わっているような違和感だった。
「A子って今は何してるの? 学生? 仕事してるの?」俺はどうしても、風俗で働いているという言葉だけは口にできなかった。彼氏だと名乗る金髪のカッパデブに呼び出されてレイプ犯呼ばわりされた事、A子も心神喪失状態だったこと。そんなことを話してもA母はとぼけていた。
 俺はいよいよ腹が立って、語気を強くした。とぼけるんじゃねえ、A子は何をやってるんだ、どんな仕事してんだよ! 間髪入れずA母が叫んだ。
『そうだよ! ウリやってんだよ!! テメーに関係ねえだろうが!!』
「……ウリじゃねえだろ、ヘルスだろ。処女専門風俗だってよ。俺がレイプしたから商品になんねーって、キチガイに襲われかけたんだぞ」
 妙に冷静に訂正したのをはっきり覚えている。
 謝罪が欲しかったわけじゃない。娘が風俗で働いてアッパラパーになっているなんていう状況を許すはずがない。まだ信じられなかった。しかしA母の答えは俺に現実を突きつけるものだった
『ああそうかよ! そりゃ悪うござんしたね! 話はそれだけか!』

 ああ、もう、本当にあのA母はこの世にはいなくなってしまったのだと虚脱感に襲われ、もう口もききたくなかった。何も言わずに電話を切り、今度はA父に電話した。A父は即座に電話に出た。A父も近くにいてその騒ぎを聞いていたらしい。俺は激怒しながらA父にことのあらましを話して聞かせた。A父はうん、うんと静かに噛み締めるように相槌を打ち、俺に対して深くわびた。
 俺は幼少期に名前を変えた経緯があり、うちの母は小さい頃からの習慣で、旧名にちなんだ愛称で俺を呼ぶ。A家族も付き合いが長いから、うちの母と同じ愛称で俺のことを呼ぶ。
『〇〇くん、ごめんな、巻き込んで』
 A父は絞り出すように謝った。俺はさらに怒った。
「俺にじゃねえよ! A子に謝るんだろうが! なにやってんだ!」
『うん……そうだな……。A子に謝らないとな……』
 A父は嗚咽を上げて、押し殺すように泣き始めた。俺もそれを聞いて泣いた。A父が語ったところによると(といってもやはり記憶は曖昧だが)、A母が倒れて以来A母は当然仕事ができなくなり、家の事もできなくなったので、A父が仕事を減らしてその世話をしなくてはならず生活が苦しくなってしまったこと。その結果、A子も学校を辞めて働かなくてはいけなくなってしまったこと。やがて稼ぎが足らず、風俗で働き始めて、今はカッパの家に一緒に住んでいることなど。A父は当時まだ50歳くらいだったはずだが、その話し方は、疲れ切った老人がすすり泣くようだった。

 俺は泣き叫ぶようにA父に叩きつけた。お前が引き起こしたことだろうが、しっかりしなくちゃいけないのはお前だろ、あんたはダメオヤジだったけど、かっこよかったじゃないか。なんで娘が風俗で働いてそのゼニで親がメシ食ってるんだ。娘が汚いチンポをしごいて稼いできたゼニで食う飯はうまいか? 弟だってもう小さい子供じゃないから、何が起きてるかは分かってるだろ。どういうつもりなんだ。
 そのようなことを浴びせかけたように思う。A父も耐え切れなくなったのか、叫ぶように言った。
『〇〇くん、俺だってなあ! おかしいとは思ってるよ! 〇〇くんの言った通り、これは全部俺のせいなんだよ。その負い目がある俺に、何が言えるんだよ!』
「負い目があるからこそ、言うべきことは言わなきゃなんねえんだろうが!」
 俺は即答した。負い目があるからこそ、自分が狂わせたからこそ、みんなを導く責任があるんだろうと。申し訳ないと思うなら、狂っていく家族をそのままにさせるなと。女房子供に殺されてもいいくらいの覚悟で、お前が言うべきことを言えと。のうのうと生きるくらいなら娘に殺されて死ねとまで言った。

 A父は俺の言葉にまた泣いた。泣きながら「そうだよな、〇〇くん、ありがとうな、俺は親だもんな、そうだよな。しっかりしなきゃな」と何度も噛み締めながら泣いていた。俺も泣いて、しっかりしてくれよと伝えた。A父は頑張ってみると答えてくれた。
 もう疲れ切っていた俺は電話を切って家に帰り、一部始終を母に話した。激情家の母はA夫婦に電話をかけようとしたが、俺が必死に止めた。今はそっとしておいてやった方がいいと。A父を信じようと。


 それから1か月くらいたった後だっただろうか、俺はA父に電話をかけた。その後どうなったかを聞くために。
 A父は憔悴しきった声で答えた。一度はA子を家に連れ帰り家族で話し合ったが、A子は結局家を出て行った。着信拒否され電話もつながらず、どこにいるかももう分からないと。

 俺はもう何も聞きたくなかったので、電話を切った。A子の番号に電話をしてみたが、俺も着信拒否されていた。

 A子は今どこで何をしているのだろうか。生きているのだろうか。生きていればもう30歳を過ぎていることになる。全てを捨て、新しい人生を生きていてくれれば嬉しい。

 しかしあの時俺がもうひと踏ん張りして、A子をその場で連れ出して警察に飛び込むなりしていれば、また違った形になっていたかも知れない。別れ際に見たA子の顔はやはりラリったままで、まっすぐ歩くこともできていなかった。もしかしたら何も覚えていないかもしれないし、信頼していたお兄ちゃんが自分の身を守ることに精一杯で、何もしてくれなかったことに絶望していたのかも知れない。

 俺に何ができたかは分からないし、俺がもっと関わったとしても事態が好転したとは限らない。しかし何もしなかったという事実に、ひたすら後悔が募るばかりだ。

以上

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