読み聞かせした本(57)『ふしぎなたけのこ』2024年12月
小学校の図書館司書をしています。
図書の時間に読み聞かせをした本や紹介した本について書いています。
『ふしぎなたけのこ』 松野正子 さく 瀬川康男 え 福音館書店
選んだ理由
・『ふしぎなたけのこ』はあまり知られていない気がしたから。
・『わらしべちょうじゃ』が教科書の後ろの方に出てくる。似た感じの明るい話を紹介したいと思ったから。
子どもの反応
・たけのこがぐんぐんのびていく場面では、どうなるのか見入っていた。
・たけのこを切るページ(本を縦にするページ)で「高〜い」と反応があった。
・「いけのみずがしおっからい」という描写に、たろと同じく?どういうこと?という反応だったが、「からい!うみだ。こりゃ、うみだ」のセリフにうなづいていた。
気づき
・『たけやぶのたけ、くぬぎばやしのくぬぎ、まつばやしのまつ、ひのきばやしのひのき。また、つぎの、たけやぶのたけ…』と繰り返すことろは、まとまりを意識して読んだ。
・たけのこが倒れたあとのシーンでも 『たけやぶをすぎ、くぬぎばやしをすぎ、まつばやしをすぎ、ひのきばやしをすぎ、またつぎのたけやぶをすぎ、くぬぎばやしをすぎ、まつばやしをすぎ…て、とうとうひろいすなはまにでた。』と繰り返されていた。テンポよくリズミカルに読めた。
・表紙が紺色なので暗い話なのか?と思ったが、中は明るい色合いもあり、ハッピーエンドだった。
・書影にを貼り付けるのにAmazonを検索して気がついたんだけど、もしかして手に入りにくくなってる?勤務先の小学校にあったこの本の奥付を見ると、1997年1月15日 第62刷 とあった。第1刷りは1966年9月1日とある。私よりも年上の本。子どものときに自分が読んだ記憶もないし、自分の子どもにも読んでいない。私はこの本を司書になってから知った。独特の間合いやセリフ回しがいいなあと思う本だ。
・昔見ていた『日本昔ばなし』を思い出した。本を読むと脳内で市原悦子さんの声で再生される感じがする。読み聞かせをするときにちょっと意識して読んでみた。今の子は(というか、今の先生も)知らないんだろうなあ。穏やかに年を重ねた人の声がよく合うお話だと思う。