見出し画像

読書の記録(61)『子どもの「書く力」は家庭でのばせる お母さんができること、してあげたいこと』花まる学習会 高濱正伸 竹谷和 実務教育出版

手にしたきっかけ

勤めている小学校の先生と卒業文集について考える機会があった。どんなテーマでどうやって書いていくのがいいかを考えた。そんなこともあり、この本のタイトルに惹かれて読んだ。

心に残ったところ

読んでみて思ったのは、この本は家庭向けに書かれているけれど、先生たちにも読んでほしいなあということ。

花まる学習会の赤いハコと青いハコって何?

赤いハコというのは大体4歳から9歳頃のいわゆる「幼児期」。そして、青いハコというおは10歳から18歳ぐらいまでの「思春期」を含む時期です。

子どもの「書く力」は家庭で伸ばせる

昔、実家にあった『一年一組せんせいあのね』を読んで、子どもの書く文章っていいなあと思った。私が学校の先生という仕事に憧れを持ったのは、たぶんこの本の影響。

今読むならこちらかな。

ここに書かれているのは、まさに「赤いハコ」の時期の子どもの作文。発見や驚きや考えたことがそのままダイレクトに書かれている。大人がどうやっても書けない子どもならではの感性に、読み手は撃ち抜かれる。

「赤いハコ」の時期の子どもと、高学年の「青いハコ」の時期の子どもとでは書く作文が全く違う。ここを意識しておかないと、先生が入れる赤によっては子どもの意欲を削いだり、うわべだけの「よく書けました」といったコメントになってしまう可能性があると思った。

この本には実際の子どもの作文と、それに対して先生がどんなコメントを入れるのかの例がたくさん示されている。この例を見るだけでも勉強になる。言葉にできない思いをすくい上げたり、本人が気がついていない文章の価値を言語化して伝えることができれば、子どもは楽しんで書くようになると思った。

子どもが書いた作文に対して、自分ならこんなふうにコメントする、というのを先生たちと交流できたらいいのになあと思う。夏の研修などでできないかなあ。作文を書かせるのが好き!という先生は、きっと自然にさらりと子どもの意欲を引き出すコメントを書かれるのだと思う。できることが当たり前だから、普通に書けるから、その特技に気がついてない。でも、先生たちみんながみんな作文指導が得意なわけではない。その技を共有できれば、きっと学校全体で「書くこと」を研究することつながるのになあと思う。あの先生だからできる、と終わってしまうのはもったいない。

まとめ

私はやっぱり書くことが好きなんだと思う。教員時代は学級通信、学年通信を書き続けてきた。生徒の作文をたくさん載せてきた。今思えば、「青いハコ」の生徒と20年ほど向きあってきたんだなあと思う。

今は図書館司書という立場だけど、先生たちのお役に立ちたいと心から思う。書くことのお手伝いがしたい。書くことは自分と向き合うことだと知っているから。

いいなと思ったら応援しよう!