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ゲーム業界のSNS / コミュニティマーケティングの取り組みと考え方の基本 〜 ゲームをもっと楽しくするインフォメーションとコミュニケーション

スマホゲームのマーケティングにおいてSNSを活用した「ユーザコミュニケーション」「ファン施策」「コミュニティ施策」が業界でも注目されるようになりました。ゲーム業界も早くからSNSを積極的に活用していた業界の1つだと思いますが、まだまだ十分に情報が発信/共有されておらず、「難易度が高い施策」として捉えられています。

今回はゲームにおけるSNS活用の状況や考え方を書いてみます。ゲーム業界の方はもちろん他業界の方にも少しでも参考やヒントになれば幸いです。


ゲームにおいて「ユーザコミュニケーション」や「コミュニティ」が重要な理由

これはマーケティング観点では、Free to Playの運営型モデルが多くを占めるスマホゲーム市場において、①既存ユーザ及びコアユーザのリテンションがビジネスにおいて重要だから、②運営年数を重ねたゲームが増えて新規ユーザ獲得が難しくなっているゲームが多いから、の二点が主な理由です。

マーケティング設計も"ユーザの利用開始後"が重要になってきています。
(参考:すべてのマーケターに伝えたいスマホゲーム業界のマーケティング)

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また、もう一点マーケティングの観点だけでなく、ユーザ体験の観点から考えていくと、ゲームを思いっきり楽しむためには「ゲームプレイそのもの」以外にも「インフォメーション」と「コミュニケーション」の要素が重要/必要であることに気がつきます。

「インフォメーション」とは、新展開や攻略情報、ゲームの環境や注目度などのゲームにまつわる情報のこと。「コミュニケーション」とは、協力や競争や友人や運営との関係のことです。共通しているのは「ゲームプレイそのものをもっと楽しくする要素」であることです。もちろんゲームにはいろんな楽しみ方がありますが、「インフォメーション」と「コミュニケーション」が充実しているプレイヤーはそのゲームを熱心に遊んでいる傾向がとても強いです。

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上記のように、マーケティング観点とユーザ観点の両方で理由があるために、「ユーザコミュニケーション」「ファン施策」「コミュニティ施策」が業界でも注目されている、または市場競争のために取り組みが必須であると言われているわけです。

「インフォメーション」と「コミュニケーション」の観点でゲーム内とゲーム外でどのように設計するかは「ゲーム運営そのもの」と言えると思います。そして特性上ゲーム外での「インフォメーション」と「コミュニケーション」はSNSを活用する施策が中心になります。

ゲーム業界は競争が激しく消費スピードも早いため、ともすれば商品の寿命が短いと思われがちです。しかし実際は何年も長く愛され続けるゲームが存在します。これを成立させているのは「インフォメーション」と「コミュニケーション」だと思います。「ゲームの外側にゲームをし続ける理由をつくる」という考え方もとても重要な考え方になります。

「コミュニティマーケティング」が難しいとされる理由

しかしながら、マーケティングとして主にゲーム外部でこれらをどのように取り組むべきかわからない、実際になかなか進んでいないという声をよく聞きますし、実際に課題に感じているマーケターは多いと思います。難しい理由を紐解くと以下の3点に集約されます。

ゲームごとに行うべき施策が異なるから
施策の評価や費用対効果の算出が難しいから
効果を出すためには粘り強く取り組む必要があるから

つまり正解がない中で自身で正解に向かっていかなければならないので、とても難しくて当然なわけです。というわけで、前置きが長くなりましたが、今回のnoteではそうした悩みのヒントになればということで、SNSを活用した「ユーザコミュニケーション」「ファン施策」「コミュニティ施策」に取り組む際に、必ず最初に考えていること / 伝えていることを書いてみたいと思います。

大切なのは「誰」が「誰のため」に「どこで」「どんな行動」を「なぜ」してくれるのか、そして「なぜして欲しいのか」を考えること

最初に結論なのですが、コミュニティマーケティングで大事なことは、「誰」が「誰のため」に「どこ」で「どんな行動」を「なぜ」してくれるのか、そして「なぜその行動をして欲しいのか」を考えること。そして「その行動を支援」できる方法がないかを考えること。

そして、各施策が「インフォメーションのためなのか、コミュニケーションのためなのか」を定義をすることが大切だと思っています。テキストではわかりにくいと思うので、簡単にイメージを図にしてみました。

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誰もが情報発信者にも受信者にもなれるSNSでは、さまざまな立場があり、それぞれにおいて関係が生まれます。この立場と関係をイメージした上で施策を考えることが大事ではないかと思います。この関係をイメージできていない、または曖昧に捉えてしまうと、「誰のために、誰が行動する施策なのか」が定義できません。その結果「このゲームだからこそ行うべき施策」にならず、ぼんやりした施策になり、効果も見えないことにつながります。

【ゲームのSNS上に立場と関係】
①運営とユーザ
②ユーザとユーザ(コアユーザなのか?未プレイユーザなのか?も含む)
③インフルエンサーとユーザ
④運営とインフルエンサー

それぞれの立場と関係別の施策を少し詳細にまとめた図が以下になります。

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そして、上記の関係に対して施策を行う場としての適切なSNSを選択することが望ましいと思います。前述したように、ゲームは「インフォメーション」と「コミュニケーション」が重要/必要であるがゆえに、SNSとの相性がとても高い特徴があります。TwitterやYouTubeはもちろんのこと、勢いのあるTikTokやMirrativ、ゲーム専門のコミュニティであるDiscordやパラレルなどもユーザに熱心に活用されています。

Twitterマーケティングブログ:Twitterにはゲーム好きが集まる

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以上、ゲームのマーケティングにおける「ユーザコミュニケーション」や「コミュニティ」の施策を考えるときに最初に考えたほうが良いと思うポイントを書いてみました。少しでも参考になれば幸いです!

■ゲームにおけるSNSを活用したマーケティングのポイントまとめ
①「SNSで生まれる関係」をイメージして施策を考えること
②「誰のために、誰が行動する施策なのか」を決めること
③「施策の目的(インフォメーション or コミュニケーション)」を決めること
④「関係と施策に適したSNS」を選択すること

注目すべきSNS/コミュニティマーケティングの事例

スマホゲーム業界には注目すべきSNS活用やコミュニケーションの事例がたくさんあるので、詳しく紹介したいのですが、とても書ききれないので、外部記事をいくつか紹介します(本当にいっぱいあるのですが、、)。これはゲーム業界以外の方にもぜひチェックしてほしいなぁと思います。

Twitterの活用が上手なゲームタイトルはたくさんありますが、その中でも最近の新規タイトルとして立ち上げに成功している「このファン」と「マジカミ」、市場で大きく存在感を示す「ガルパ」「PUBG」の事例の記事です。

「DeNA」と「GREE」の方がコミュニティマーケティングの目的や価値、取り組み方について語っているセミナーのレポート記事です。KPI分析まで具体的に触れているの記事は貴重です。

あまり情報が出ていない『コミュニティ』や『インフルエンサーとゲーム運営の関係』について、「Supercell」、「PUBG」、「Mirrativ」に語ってもらったセミナーのレポート記事です。

「オセロニア」のプロデューサーのけいじぇいさんよる運営とユーザの関係についての講演のレポート記事です。ゲームそのものだけでなく、『運営』の面白さでゲームが選ばれる、というのは今後のポイントだと思います。

VRゲーム「東京クロノス」のマーケティング事例は、運営とユーザの関係という観点で非常に勉強になります。これも『運営』の魅力も含めてゲームが選ばれた例ではないかと思います。CEDECのサイトで公開されている講演資料は一読の価値ありです。

また先日DeNA、バンダイナムコエンターテインメント社に登壇いただき、「成果にコミットするスマホゲームのSNSの/Twitter活用」というテーマのウェビナーを開催しました。レポート記事を公開していますのでぜひご参考ください。


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