弱くて卑怯な自分を受け入れるために、ねずみやアルパヨの事情を理解する
初めて遠藤周作の作品に出合ったのは学生時代。『深い河』『海と毒薬』などなんだか大きくて暗くてテーマがピンとこず、それよりも村上春樹や吉本ばななのような、自分の課題に向き合ってくれる作品を好んで読んでいました。
遠藤作品との再会は3年前。文学サークルで『影について』を取り上げ、遠藤周作の母親への想い、母を見棄てたことに対する後悔を知りました。
両親が離婚をしたのは遠藤周作が10歳のころ。母を見棄てた、裏切ったという後悔の念がこれほど人の生涯に鉛のようにずんと居座り続けるのだと