映画『そこにあるべきものたち』の出発
映画『そこにあるべきものたち』が2024年11月16日に苕野神社の境内にて特設スクリーンを設置して奉納上映を行いました。
奉納ですので、社殿に向かってスクリーンを張って、神様に観てもらう形式です。
初めてスクリーンに投影される、いわばこの映画の誕生日です。
苕野神社からの出発はとても素敵なものとなりました。
スクリーンには、この一年で様変わりした請戸の風景が淡々と映し出されて、神社再建に関わる方々の声や音楽がスピーカーから流れてきます。それを鎮座する社殿と共に感じることができてしまうのです。
映画館では味わえない特別な空間です。
『風が教えてくれる』って書くと「カッコつけ」と思われるかもれしませんが、本当に風が「土地の時」を教えてくれるんです。
苕野神社での、野外での上映は、それはそれは価値あるものとなり、私の48年の人生において「初体験」がこの年齢で出来るなんて、幸せでしかありません。
この映画の力強さに涙があふれてしまいました。
私は映画制作において、淡々と撮影して、じっくりと編集して、わーい完成だー!と軽く思っていましたが、どうやら、この映画、別の価値があるように感じてきました。
おかげさまで、新聞では大きな記事で取り上げていただいたり、テレビにも取材していただき、浪江の町を歩くと「板橋監督ですよね」と声をかけられ、感謝しかありません。
私自身が気がついてないだけなのかもしれませんが「え?そんなに反響大きいの?」と驚いているのは確かです。
ですが、町の方からは
「請戸が映画になるなんて」
「あなたはそれだけの事をやっちゃったんだから騒がれるのは当たり前」
らしいのです。
映画は完成して終わりではなく、上映して観ていただいて成長していきます。苕野神社での奉納上映では約100人弱の方々に観ていただきました。
この方々からの感想の言葉が、とても有り難いことに、読んでいると涙がとまらないのです。
アンケート内容は近いうちにまとめて公開します。
そんな苕野神社奉納試写上映会をまとめたムービーが公式サイトにアップしてますのでご覧いただければと思います。
https://www.sokoniarubeki.com/
さて、映画『そこにあるべきものたち』の試写上映会は続きます。
続いては朝日座での試写上映会です。
朝日座は南相馬市の原ノ町駅から徒歩15分ぐらいの場所にあります。
なんと!築100年!
先日下見に伺ってきましたが鳥肌ものでした。
受付から、ロビーから、座席から、映写機から、文化遺産で保管すべき価値あるものばかりです。
映画館自体は通常営業はしていないので、その空間にプロジェクターとスピーカーを設置しての上映会になりますが、想像するだけで興奮です。
地域に根付き、大切にされてきた朝日座での上映会もまた大切な日となりそうです。
映画監督の犬童一心監督をお招きしてトークイベントを行います。
ぜひぜひ、お待ちしております。
〜映画『そこにあるべきものたち』南相馬市・朝日座 試写上映会〜
2024年12月14日(土)
【試写上映会①】
11:00 開場
12:00 上映スタート
14:00 上映終了後 板橋基之監督挨拶
14:30頃 試写上映会①終了
【試写上映会②】
15:00 開場
16:00 上映スタート
18:00 上映終了後 犬童一心監督と板橋基之監督のトークイベント
18:40頃 試写上映会②終了
※上映会①と②は完全入替え制
※どちらもチケット料金 ¥1,000-(税込) 当日券のみ・全席自由席