板橋‿基之(Motoyuki Itabashi)

映画監督 / 脚本家 / ドキュメンタリー / 最新作『そこにあるべきものたち』 / 『Bridal, my Song』 /『おべんとう』/『くもり ときどき 晴れ』/『ten』/ 他 サンダンス×NHK2022選出脚本は福島県浪江町が舞台 / 絵本『ぼくはギザギザ』

板橋‿基之(Motoyuki Itabashi)

映画監督 / 脚本家 / ドキュメンタリー / 最新作『そこにあるべきものたち』 / 『Bridal, my Song』 /『おべんとう』/『くもり ときどき 晴れ』/『ten』/ 他 サンダンス×NHK2022選出脚本は福島県浪江町が舞台 / 絵本『ぼくはギザギザ』

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13年もかかってしまった

東日本大震災から13年が経ちました。 そして『そこにあるべきものたち』という映画が完成しました。 この13年間、私は、動かない理由を探して生きてきました。 言い訳して、逃げて、生きてきました。 気がつけば、年齢は40代後半となり、体力も衰えを感じはじめ、あぁもうこのままシレッと言い訳して終わっていくのかもな、と、正直思っていた自分がいたのは確かです。 ちょうどそんな時に、 「神社が再建されるよ」という情報が届きました。 勢いで、知り合いに電話して、関係者に繋いでいただき

    • 浜通り、を知っていますか?

      皆さんは「浜通り」と聞いて、どこだか分かりますか? 福島県の海岸よりの地域、浜通り地方のことです。 福島第一原子力発電所がある所です。 東日本大震災で津波によって原発事故が起こりました。その記憶は新しいと思います。 では「浜通りの今」を知っていますか? 13年経った今も、立ち入りができない帰還困難区域はまだあります。 まだまだあります。 草ボーボーです。 朽ちた家もあります。 復興?まだまだこれからです。 人は少しだけ戻ってきています。 地域を盛り上げようと、毎週末、ど

      • 短編映画『泣く綾乃』

        ジーンシアターでご観いただけます。 2020年の作品になります。 制作するきっかけ。 それは女優の工藤綾乃さんのマネージャーさんからの相談でした。 〜〜〜〜〜〜〜 ある長編映画で泣くシーンがあったんです。 でも本番で泣けなかった。 それが悔しくて、毎日泣く練習をしています。 彼女に応援メッセージをしてあげてください。 〜〜〜〜〜〜〜 という連絡をいただき、メッセージボードに応援コメントを書いてその写真を送ったんです。 そういった応援コメント写真を、私だけじゃなく、色んな監

        • MAルームの後ろに

          今日は、MAルームでの作業。 自主映画のドキュメンタリーのナレーション収録をした。 私の後ろには、誰もいない。 なぜか私は若い頃、ディレクターでもないのに、ディレクター席に座っていた。 ディレクターの横に座って、ナレーターへのキューやトークバック、ミキサーへの指示など、こと細かに観察するのが大好きだった。 自分の中でOKやNG出したり、その楽しんでいる姿を見て、後ろでプロデューサーが見て笑っていた。 ディレクターになって、同じ席に座った日の事をとても覚えている。 身体の

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        • いたばしの映画
          35本
        • いたばし日和
          81本
        • いたばし育児観察記
          15本
        • いたばし詩集
          5本

        記事

          メモの奥深くに

          スマホのメモアプリ。 そこには思いついたことを打ち込まれた言葉たちが並んでいます。 それを見返すか、といったらほとんど見返しません。 溜まる一方で、何を書いたのかも忘れてしまっているほどです。 放置された言葉たちは、読まずに積み上げられた本みたいに埃をかぶっています。 最近、新しい映画の企画を始めました。 まずはその言葉たちを整理してみようと思い、始めました。 一番古いメモは2012年で、おそらくスマホを初めて買った年です。 その数は1200あまり。 アナログ作業の年代

          創作に集中する日々

          ここ二ヶ月、ろくに仕事せずに、ずっと編集作業をしています。 自主映画で制作しているドキュメンタリーの編集です。 2月の下旬に撮影が終わり、その2月中に補助金の精算をせねばならず、それが終わったら確定申告なんてのをやってたら、編集を本格的に始められたのは3月中旬でした。 全素材で150時間分ぐらいあります。 それを90分にすべく作業を始めました。 自分で撮影したから、何を撮っているかは分かっています。 でも、やはり、編集はなかなか手ごわい。 1シーンを成立させるのに、大体

          ハマカルアートプロジェクトの映画

          福島県浜通りのアーティスト・イン・レジデンスに映画企画が選ばれました。 https://www.meti.go.jp/information/publicoffer/saitaku/2023/s231013001.html 浪江町の映画を撮ります。 これで予算が確保できましたので、 深夜にバイトしなくてもよくなりましたw 選ばれた映画企画の内容はこちら。 ご興味ある方は有料で。 制作費の足しにさせていただきます。

          ¥100

          ハマカルアートプロジェクトの映画

          ¥100

          短編映画『ten』

          2021年の作品になります。 東日本大震災から10年目というタイミングで完成させました。 撮影場所は、福島県浪江町。 2020年9月に撮影してから2年が経ちました。 行くたびに景色が変わるこの町で、 その瞬間の景色の記録を残すことが大事なのだと、 この映画を観るたびに思います。 本当は2020年3月11日から撮影を開始したドキュメンタリーを仕上げる予定でしたが、4月からコロナ禍となってしまい取材ができなくなり、急遽この映画を作りました。 男がただ歩いているだけですが。 1

          凱旋上映(個人的妄想)TOHOの映画館

          2022年9月30日に映画『Bridal, my Song』が公開されます。 口火を切って公開するのは、TOHOシネマズ日比谷です。 現日本ではトップクラスの劇場ではないでしょうか。 上映が一週間なのか二週間なのかまだ未定ですが、 たとえもし一週間であっても、ここのスクリーンにかかるというのは、 今の日本映画にとってはとても名誉なことかもしれません。たぶん。 そして、この東宝の映画館、さらに日比谷という土地というのは、 私にとってとても大切な場所なのです。 それは大学生

          凱旋上映(個人的妄想)TOHOの映画館

          2022.05.13 シナリオコンペ

          毎朝早起きして書いてきた長編映画のシナリオが書き上がりました。 そして、シナリオコンペへの提出も完了しました。 2020年にも同じコンペに提出して最終まで残ったコンペです。 毎年出して名前だけでも覚えてもらおうと(覚えられるのか?) そんな不純な魂胆もあり、真剣に書いてみました。 今回のシナリオは、福島県浪江町が舞台です。 浪江町で暮らす二十歳の女の子と小人の妖精の物語です。 妖精?って聞くとなんか陳腐だなぁと思われるかもですが、 それは日本映画の弱いところでしょうか。

          2022.05.13 シナリオコンペ

          2022.05.09 GW明けて

          世はゴールデンウィークでした。 前半はゆっくりとした滑り出しで、子どもと砧公園で遊んだり、実家に行ったり、地元の友だちと飲んだり、休みっぽいことをしてみました。 さぁ後半はどうするか? 「海を見させてあげたい」 と素敵なことをカミさんがおっしゃりだすもので、娘2歳が「わ〜」と喜ぶ顔を想像したら、もう私は突き進んでしまうのです。 千葉県の御宿あたりにでも行こうかと計画を立ててました。 そして、月曜日の保育園帰り、娘が一つ咳をしました。 何の咳?と思っていたら、家に帰って

          2022.05.05 菖蒲湯

          正月からnoteを書き始めました。 「毎日書く」と始めたつもりですが、やはりこの性格。 三日坊主ならぬ三日月坊主です。 いやはや情けないものです。 こんな感じで生きてるから、ダメダメなんでしょうね。 さて、気を取り直して、 いま新しく長編映画のシナリオを書いています。 仕事の合間を縫って、書いてます。 子どもを保育園に送ったら仕事ばかりになってしまうので、 毎日朝6時ちょい前から子どもが起きてくるまでの1時間ちょっと、 コツコツと書き続けて ようやく一稿があがりました。 書

          2022.04.20 初号試写

          新作映画の初号試写を行いました。 真っ暗な空間で大きなスクリーンってやっぱり良いですね。 この瞬間のために考え抜いてきたので、 ホッとして気を緩めるとすぐに涙が出てきちゃいます。 技術的な部分の不安は全て解消された気持ちになりました。 が、各部署は思うところあるようです。 やってる時は完璧と思っても、完璧はいつも先にあるものです。 仲間たちは本当のプロフェッショナルなのです。 とても有難いです。 午前中の試写ということで、終わったら各々が仕事へ向かう姿を見て、 少し寂し

          2022.04.14 無限電気自動車

          「電気自動車って充電無くなったら止まっちゃうから心配」 今日はロケハンに行ってきました。 自分の運転で。 運転していると、いつも思うことがあります。 なんで電気自動車って毎回充電が必要なんだろうか? 自分の車はガソリン車なので充電の心配はありませんが、 高速道路を走っていると電気自動車が多くなってきた印象があります。 電気自動車は、運転もしたことないですし、乗った事も無いです。 でも、新しく開発された電気自動車を見ると必ず思ってしまうのです。 無限電気自動車説を。

          2022.04.14 無限電気自動車

          2022.04.12 燃えつき症候群

          考え尽くしたからこそ 考え尽くした底を感じることがある。 そんな時は腑抜けになります。 燃えつき症候群ってやつなんでしょうか。 今までも幾度かありました。 数日間、何もやる気が起きなくなるんですね、本当に。 今まで考えてきたことが完結する安堵感と達成感と虚無感が そうさせるのだと思います。 そんな時の対処法です。 私個人のね。 ・「完成した!」と大泣きします。 ・仲間に「ありがとう」を言い続けて泣きます。 ・昼から飲みます。 ・一人で飲みます。仲間を誘ってはいけません

          2022.04.12 燃えつき症候群

          2022.04.08 理系の思考 つづき

          私は「光」というモノについて、何に不思議と思っているのでしょうか? まず、恐ろしい話をしましょう。 光って地球外生命体なんです! なんていうのは科学的に証明にされていませんので、 信じないでくださいね。 光、というモノについて考えると、私は眠れなくなってしまうのです。 その始まりは、中学生の頃。 ある台風が直撃の日の夜。 吹き荒れる風の音が凄かったので、興味本位で外を眺めてみました。 雨が窓に叩きつけて、木々が揺れて、大荒れでした。 そんな景色をジーッと見ていると、フ

          2022.04.08 理系の思考 つづき