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なぜ自分だけ? 〜ワールドトリガーから学ぶ、理不尽なキャリアとの向き合い方〜
僕は新卒から3年くらい派遣で働いており、自身のキャリアに理不尽さを感じていた。
「正社員と同じくらい(なんならそれ以上)仕事しているのに、なぜ正社員と給与の差があるのか?」
「こんなに頑張っているのに、なんで派遣なんだ」
当時の自分はそう思っていた。
そして、これまでの職業柄、僕はこのような「理不尽というモノ」と戦っている人をたくさんみてきた。
しかし、今ならこう思う。
厳しいことを言うが、自分が理不尽に置かれているのは、ズバリ実力が足りないからだと。
僕はワールドトリガーという漫画がめちゃくちゃ好きだ。冨樫先生の漫画(HUNTER×HUNTER、幽遊白書、レベルE)と同じくらい好き。
ワールドトリガーは、現在ジャンプSQ.連載中のSFアクション漫画。普通、ジャンプのバトル漫画は1対1で戦うケースが多く、当然だが強い方が勝つ。しかし、ワールドトリガーはチーム戦で、様々な戦略や思考が織り混ざる複雑な展開が面白く、強いキャラも弱いキャラもしっかり活躍する(全てのキャラが立ってて、全キャラ推せる)。またバトル以外の設定がかなり緻密。しかし解説が丁寧で理解しやすく、それが心地が良い。そしてこの緻密さが、ストーリーが進むごとにジワジワと効き、気づけば誰でも虜になる。ゆえに、遅効性SFアクション漫画とも言われている。
先日最新である28巻が発売された。
28巻の後半では、「実力」とは何かにフォーカスした場面があり、非常に面白い話だったので、キャリアに絡めて言語化したいと思った。
※注:ここからは、ワールドトリガーのネタバレを一部含みます🙇
「実力」とは結果である
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作者:葦原大介 出:集英社|ジャンプSQ.
例えば、たい焼き屋が二つあるとする。
1つは、材料や機械にこだわり、焼き方も丁寧で練習熱心。
もう1つは、全て目分量で適当、店をやる最低限の知識のみ。
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作者:葦原大介 出:集英社|ジャンプSQ.
どちらの実力が上か?というと、
当然、美味しいたい焼きを作る方だ。
つまり、「実力」とはシンプルに結果である。
どれだけ努力したか、どれだけ苦労したかは関係なく、出した結果が全て。
僕も、過程や努力を否定するわけではない。しかし、結果が伴ってこそだと思う。
理不尽な何かと戦っていた自分が見落としていたのは、まさにこれ。
「頑張っているのに報われない」という感情は、結局のところ「頑張り」を評価してほしいという甘えだったのかなと。
でも、周囲が求めているのは「結果」。
会社も、クライアントも、社会全体も、僕たちの「頑張り」ではなく、「結果(成果)」に対して評価を下すものなのだと思う。
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作者:葦原大介 出:集英社|ジャンプSQ.
(それが納得できないなら、理不尽と思ってはいけない。アドラーの考え方を参考に課題の分離を行い、気にしないのがいいだろう)
結果を出すためには、目標を「期限付き」にすること
効率的に結果を出すために重要なのが「期限」だ。
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作者:葦原大介 出:集英社|ジャンプSQ.
目標達成までの期限を決めていないとマズい。目標に期限がないと、失敗を正しく認識できないことがあるためだ。
『人は失ったものを確認することで、失敗を認識できる』
例えば、タラタラやって期限に間に合わなければ、時間を無駄にしたな、もっと上手くやれたんじゃないか、と認識できる。
「諦めない限り、失敗ではない。いつか成功する」
これは素晴らしい考え方だと僕は思う。
でも、この漫画の中では「失敗を認めず、成功か失敗かの判定を先延ばしにしている」という表現があり、僕にとって非常に腹落ちする内容だった。
「自分は努力しているのに評価されない」
「でもいつか報われるはずだ」
そうやって、ただ時間だけが過ぎていく。これは足踏みをしている状態だと漫画の中でも解説がある。本当にその通りだと思う。
効率的に結果を出すためには、期限を設け、現実と向き合う必要がある。
僕も副業を始めて4年くらい経つが、いつまでにどれくらい稼げるようになる、という目標は、かなり漠然だった。4年やって、今で年間売上は50万円くらいでしょぼい。なので、今年は、この1年でいくら稼ぐという目標設定をした。あとは月次や週次に落とし込み、計画的に実行する(これもよく挫折しますが…)。こうやって頑張るべきだったなと、勉強になった。
「壁が高すぎる」なら刻め
”足踏みに陥りやすい人間は、本人の認識よりも高すぎる壁に挑んでいる場合が多い”
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作者:葦原大介 出:集英社|ジャンプSQ.
なるほど。心当たりがありすぎる…
僕もよく挫折してすぐ怠けるが、これかもしれない…。いや、これはある。勢いだけで目標決めて、無理だってなることが多い。
このように、なかなか前に進めない場合や、挫折が多い場合、頑張り方が分からない場合は、今の自分の実力では超えられない壁に無謀に挑んでいる可能性がある。
しかし、ワールドトリガーはこの解決策も教えてくれた。
その答えはシンプルで 「己を知り、適正な段階に挑戦する」 こと。
それでも難しければ、 「刻む」 。
目の前の一段が高すぎるなら、その一段をさらに小さな目標に分ける。
小さく刻んで、一歩ずつ登る。
これ、人は「努力」と呼ぶ。(この場面は痺れました)
出来ないことがあってもいい。あって当たり前。
それなら、その出来ないことを小さく分解する。それが出来ないと思ったら、もっと小さく分解する。
「正社員になりたい、でも何からすればいいか分からない」
これなら、
・転職エージェントに登録する
・自分は何をしたいのか自己理解を深める
・面接の練習をする、etc.
などなど、分解すると幾つでも出てくる。
その分解したタスクも難しければ、さらに分解して、
・自己理解を深めるために何をすれば良いか、調べる
・キャリアコンサルタントに相談する
・転職経験がある知り合いに話を聞いてみる
などなど、これもたくさん出てくる。
このように出来ることから着手するのだ。
キャリアの理不尽さを乗り越えるために
派遣時代の自分が「理不尽」だと感じていたことも、今振り返ればシンプルな話だった。
実力とは「結果」であり、頑張った過程では評価はされにくい
効率的に結果を出すには「期限」が必要
自分の実力に見合わない壁に挑んでいるなら、「刻んで進む」
もし、今のキャリアが思うように進まないなら、「理不尽」と嘆く前に、この3つをチェックしてみてほしい。
どれかが欠けているなら、それを修正するだけで、道が開けるかもしれない。
今回の記事では、ワールドトリガー28巻のセリフや画像を引用させていただいております。
🙇布教🙇
ワールドトリガーが好きすぎて、多くの方に読んでいただきたく。
「ジャンプ+」アプリでもたまに無料配信されているので、その時はぜひ!