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気候変動を考える際のベイシス知識

普通に知られてはいない地球温暖化についてベイシス知識をまとめてみました。


Basis ベイシスとは日本語で基本、基礎、土台、下部構造と造語・翻訳された元の用語。


地球温暖化についてベイシス知識

IPCC

IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change(気候変動に関する政府間パネル)とは以下のようなところです。

IPCCでは、評価報告書を承認する際、加盟国195カ国の政府代表が集まって最終検討を行います。その場にはレポートを作った科学者の代表もいて、政府代表からの質問とかコメントに答えるわけです。

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)とはその6
〜報告書の信頼性〜

海面上昇

米航空宇宙局(NASA) 人工衛生観測では1993年〜2022年に平均海面は9.1cm上昇したそうです。

米航空宇宙局(NASA)による人工衛星の観測データを使った分析によると、地球の平均海面は1993年から2022年までの約30年間で9.1センチメートル上昇した。海面上昇の速度は30年前と比べて約2倍に増して

海面上昇、過去30年で9センチ NASA分析
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC203XR0Q3A320C2000000/
post glacial sea level rise wikicommons

海面上昇実は全海面が一斉に上昇するわけではありません。以下画像のとおり当然気温など要因によって個々の地域で上昇程度は全く違います。

For over 27 years, satellite altimeters have measured the sea surface height of our ever-changing oceans. This image shows the change in sea surface height across the globe from 1993 to 2019. Credit: NASA

海面上昇の原因は南極の海氷ではなくグリーンランド陸氷の融解と海水の熱膨張です。

20世紀の最初から2010年までの全海洋の水位を平均すると0.19 m上昇したことが分かる。昔は水位の観測データがふんだんにあるわけではない。水位の観測が整備されて詳細なデータが取れるようになった1971年以降に関して言えば、その上昇の半分程度は海水の熱膨張であることが明らかになっている。水位上昇と言うと、例えばグリーンランドの氷が解けて海に流れ込んで水位が上がることが注目されがちだが、実際には水温上昇の直接の原因の半分くらいは熱膨張にあったのである。

海と気候と二酸化炭素海洋シミュレーションと地球温暖化予測―
羽角博康 東京大学大気海洋研究所教授
https://ippjapan.org/archives/1774

アメリカ航空宇宙局(NASA)の報告によれば、グリーンランドでは2019年の夏だけで6,000億トンの氷が失われたことが確認されている。これは世界の海面が2.2ミリ上昇するのに十分な量

アメリカ航空宇宙局、海面上昇にかかわる観測を今後も継続すると報告

ホッキョクグマ

ホッキョクグマ(シロクマ)の頭数については減っている説と増えている説がありまだ決着はついてはいません。

その他

水蒸気が地球温暖化の主要な原因である理由

温室効果ガスで寄与は水蒸気が48%、二酸化炭素が21%、雲が19%です。

水蒸気の温室効果

水蒸気は広い波長域で赤外線を吸収するため、温室効果としてもっとも大きな寄与(48%)をもちます。しかし水蒸気はすべての波長の赤外線を吸収するわけではなく、15µm付近の赤外線はCO2によってよく吸収されます。このため全温室効果に対するCO2による寄与は21%程度になります

水蒸気の温室効果

20年間水蒸気量は増加を続け、それは人間の活動で放出する水蒸気が原因ではないそうです。

過去20年の水蒸気量の増加は、人間が排出した水蒸気量では説明できません。人間活動による水蒸気排出としては、灌漑や発電所での冷却による水利用などがありますが、これらの活動による大気中の水蒸気量増加は、観測された水蒸気量増加と比べると無視できる大きさだと、報告されています(IPCC第5次評価報告書)

水蒸気の温室効果

大気と海や大地の間でどのくらい水分交換をしているのかは地域や海域によって異なり、実際にどのくらい水分交換をしているのかは分かりません。その他にも、雲の生成に大気中のチリなどのエアロゾルがどのくらい作用しているのかなども分かっていません。これらのことは、複雑すぎて永遠に計算できないものだというのが、科学者の認識になっています。

そこで、IPCCは計算できないようなことは無視して地球の温暖化を推測するということをしたようです。つまり、水蒸気は温室ガス効果からは除いて議論をしているのです。

 
温室効果ガスの温暖化寄与

水蒸気は温室効果に75~90%の影響力があると言われ、イギリスのJEアンドリュー博士のように95%説もあります。従って、水蒸気の働きのさらなる解明が必要と唱える科学者もいます。

その最大の理由は、水蒸気を考慮に入れると、削減対象となっている温室効果ガスの影響力は10~25%、 (アンドリュー博士説では5%)と温室効果への影響力は格段に低下してしまうことにあるようです。

このようなことから、水蒸気を除いた温室効果ガスを対象に削減を進めても影響は微々たるものであり、その効果は疑わしいとの見方もあります。

皆で考える地球温暖化(3)-削減対象とならない水蒸気
https://web.archive.org/web/20230105151913/http://www.hamabiz.jp/content/view/1540/36/

二酸化炭素が地球温暖化に与える影響

シミレーションによるとCO2が主原因とした場合が現状とよくあっているという。

モデルで過去のデータを再現できるようになるには長い年月がかかりました。気候のシミュレーションモデルの原形である大気海洋結合大循環モデルが開発されたのは1960年代の終わりです。しかし、当時のモデルは現実の気候をうまく再現できず、現実的な気候状態からスタートしても計算が進むうちに寒冷化したり温暖化したりして、まったく別の気候状態が出現してしまうといった症状に悩まされました。その後、大気モデルと海洋モデルのそれぞれに改良を重ねた結果、気候を現実的に再現できるモデルが1990年代の終わりから現れました。さらに、20世紀中の全球平均気温の上昇カーブをモデルで大まかに再現できるようになったのは、ここ10年程度のことです。もしもモデルに細工をして過去のデータに自由に合わせることができたならば、気温の再現ができるようになるのに数十年もかからなかったはずです。
その一方で、20世紀の全球平均気温についてさらに詳しく述べると、観測データは1940年代に極大値を示しているにもかかわらず、それをモデルが再現できないことが問題点として指摘されてきました。ところが最近、観測データの方に問題が発見され、そこを補正すればモデルとの一致がよくなることがわかってきました

https://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/25/25-1/qa_25-1-j.html

モデルはパラメータ化によって作った数式の中に、不確定な係数をいくつも含んでいます。その係数の値を変更することでそのモデルの「変種」を作ることができます。そこで、一つのモデルについて、このような「変種」を多く作って大気中二酸化炭素(CO2)濃度を共通の条件で増加させたら何が起こるか、確かめる研究が行われました。すると、図2と同様に、ある程度のばらつきはあるものの、どの「変種」についても同じ程度の温度上昇が見られることが報告されています。Collins M., et al. (2006) Towards quantifying uncertainty in transient climate change, Climate Dynamics, 27, 127-147.

https://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/25/25-1/qa_25-1-j.html

二酸化炭素シミュレーションへの批判

批判説がありますので紹介します。

二酸化炭素の世界最大排出量国は中国

将来予想のうち寒冷化について

今後の寒冷化予想については以下ご覧ください。

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