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英語学習をもっと楽しく!映画で口語スキルを磨きませんか?(7)
前回の映画を使っての英語学習からかなり間が空いていしまいました。
そこで、久しぶりに映画を使って口語表現を解説してみます。それも懐かしいやつを。私が高校生の頃に見た青春ラブコメディー映画(coming-of-age comedy film)で、アメリカの高校生はこんな生活をしてるんだーといたく感動したやつです。
Sixteen Candles
日本語タイトルが『すてきな片想い』です。
この映画の中から特にお気に入りの2つのシーンをピックアップ。
一つが、高校2年生のサマンサ・ベイカー(愛称サム)を、ダサい1年生テッドがダンスパーティーに誘うというシーンです。笑っちゃいますよ。
ここで使われている表現をいくつか見てましょう。
0:24 things, life, whatnot 「いろんなこと、人生、その他もろもろ」
whatnotは口語表現で、「その他いろいろ、 その他もろもろ」ということで、いくつか列挙した後に、and whatnotの形で使うことが多い。ここはandが取れた形。
0:30 It's none of your business. 「あなたの知ったこっちゃないでしょ」
学校でも習った決まり文句。相手を拒絶するようなかなりきついい言い方。こんな言い方をされたら普通はめげます。
0:50 me and my dudes 「俺と俺のだち」
dudeは元はカリフォルニアのサーファーたちが互いに呼び合う言葉として使われたのが起源とされています。Hey, dudeのように呼びかけで使われていました。私が留学していた90年代もこの言葉が盛んに使われていました。ここでは「仲のいい男友達」の意味で使っています。スラングなので日本語の「だち」に近いニュアンス。
0:52 Sounds major 「すごいわね、大したもんね」
ここは、あきれて「それは、それはすごいわね」とかなり皮肉交じりで言っています。
1:28 You're a total fag! 「このオカマ野郎」
これは今では完全にアウトの表現です。fagはhomosexualの隠語で侮蔑的な言葉です。この時代は男性をからかったりする時にも使われてました。今なら一発で退場です。
1:34 Am I turning you on? 「俺に(性的に)そそられるかい?」
ここは笑っちゃいました。「turn+人+ on」で「人を(性的に)興奮させる」です。
1:45 It's encouraging. 「やる気になってきた」
encouragingは何かをよけいにする気になってきたときに使えることがわかります。
1:52 Vogue 「おしゃれ」
フランス語からきた言葉で雑誌にもありますね。fashionableをより洗練した言い方です。
では、もう一つのシーン。今度は、ダンス会場でテッドがサムにリベンジとばかり迫っていくシーンです。これも笑っちゃいます。
ここも思わず大笑い。テッドをはじめ仲間全員がダサい(英語でgeek)タイプなので。
0:18 fully aged sophomore meat 「十分年齢的に熟成した女性」
meatは通常「肉」を意味しますが、比喩的に「肉体」を指す意味で使われ「性的な対象者」という意味合いがあります。このフレーズは、誰かを品定めするような感じで、品位に欠ける言葉遣いになります。
0:28 I have a relationship with her. 「彼女とは関係があるんだぜ」
have a relationshipは通常、お付き合いしていて肉体関係があることもほのめかします。
2:01 I'm blowing your mind, aren't I? 「どう、俺、超びっくりさせてないかい?」
blow one's mind「圧倒する、驚かせる、度肝を抜く」ということで、人をとてもびっくりさせることを言ったり、行ったりする時に使われます。ただし、ニュアンス的には「ぶったまげさせる」に近いです。「頭を吹き飛ばす」くらいですから。そして、確認するために付加疑問の形になっていて、語末がamn't I?でない点に注意です。主語がI'mの時はaren't I?になります。
2:05 I'm just getting warmed up. 「体があったまってきたぜ」
進行形を使っているので、徐々にそういう状態になってきたという意味が出ています。
この映画で、サム役のモリー・リングウォルド(Molly Ringwald)が一躍有名になり、ティーンのアイドル的存在になりました。
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また、テッド役のアンソニー・マイケル・ホール(Anthony Michael Hall)も注目されるようになりました。
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どちらも私の好きな俳優の一人です。後に、アンソニーがインタビューで答えてましたが、この二人、実生活でも短い期間ですが実際にお付き合いしていたそうです。
ちなみにイギリス のバンドである スパンダー・バレエさんのヒット曲「Ture」もこの映画で使われて大ヒットしました。この曲を聞くといつもこの映画を思い出します。