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英語学習をもっと楽しく!洋楽で口語スキルを磨きませんか?(65)
しばらくご無沙汰していたので、今日はまた洋楽シリーズに戻りましょう。
以前、私が教えている学校で「洋楽歌詞研究会」を発足させ、そこで学生たちに一番人気だった曲を取り上げます。ジョージベンソンさんの
Nothing's Gonna Change My Love For You.
この曲は出だしから高校、今は中3で習う仮定法が出てきます。仮定法は慣れないとなかなか難しいですね。でも、洋楽では好き嫌いを題材にしたものが多いので、しょっちゅう出てきます。使えるようになると複雑な心情をうまく伝えられるようになるので、表現に厚みが出てきます。
If I had to live my life without you near me
The days would all be empty
(もしそばに君なしで生きなければいけないなら、なんてむなしい日々なんだろう)
● 想像にはもってこいの仮定法
仮定法は、非現実的なことや願望を表現したい時に使います。
ポイントはIf I had ~、the days would~です。動詞や助動詞の時制をずらすことで調整するのでした。haveをhad、willをwouldのように過去形にすることで、現実から離れている感覚が出せます。
つまり現実からワープして別の世界が意識され、それが想像の世界へと導いてくれるのです。ここも「(実際そういうことはないけど)今、もし君がそばにいなかったら、毎日がからっぽでむなしいだろうな」ということです。仮定法は一見形が複雑で難しそうですが、原理を理解して使えるようになるといろんな想像の世界が言えるようになります。上級者レベルに仲間入りすることができます。
I might have been in love before
(以前、恋していたかもしれない)
● loveの感覚の違い
be in loveで「恋してる、好きになってる」ということです。英語では「恋している」状態をI’m in live.と前置詞のinで表します。つまり、自分が恋で一杯の入れ物(容器)にすっぽり入っているという捉え方をします。感情は自分の心で感じるという捉え方をする日本語とはだいぶ違っていますね。
そしてその恋で一杯の入れ物(in love)の中にいる、という感覚がbe in loveです。fall in love「恋に落ちる」といういい方もありますが、まさに恋で一杯の入れ物にストンと落ちる(fall)という感覚です。
ところで、I love my brothers and sisters.とは言えてもI’m in love with my brothers and sisters.とは言いません。英語ではloveは、両親、兄弟・姉妹、子供、親戚、友人に至るまで幅広く使えますが、be in loveは、恋愛関係にある男女に限定されて使われることがほとんどです。
ちなみに、loverといえば「愛人」という意味もあり、性的な関係だけというニュアンスも伴うので、うっかり日本語の「女友達」のつもりでShe is my lover.と言ってしまうと大変なことに。
私も昔昔、英語初心者のころ知らずに得意げに使ってましたから.......。本当はa female friend of mine「女性友達の1人」と言うべきだったのに。とほほ………。