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英語学習をもっと楽しく!洋楽で口語スキルを磨きませんか?(59)

今週の「ベストヒットUSA」で、80年代を席巻したこのバンドが出てきたので、ここでも取りあげましょう。

そう、ボンジョビさんです。で、選んだ曲は、

        You give love a bad name


まずは、聞いてみましょう。うー、懐かし~い。

今日は、この曲のタイトルをあれこれ解説してみます。

You give love a bad name
 
(君は愛を貶めた)

give~a bad nameは「~を貶める、汚す」という意味。なのでこのタイトルは「愛を汚す」「愛の評判を落とす」ということです。「~」には人やもの・ことが来ます。先の番組でも司会の小林克也氏は、この意味でタイトルをちゃんと紹介してました。さすがです。

で、注目したいのは動詞giveを使ったSVOOの第4文型であること。文型は英語をマスターするうえでとっても大事なんです。give自体は簡単ですが、この文型を取ることで実にいろいろな意味を作り出せて日常会話でも重宝します。giveを使った表現のコツをマスターすれば飛躍的に表現力が伸びます。以下、例です。

人の場合

ハグして! → Give me a hug.
 
ちなみに「キスして!」はGive me a kiss. 「チュ」と軽い感じ。 Kiss me. 
 だと重すぎて✖。

彼によろしくね。 → Give him my best regards.  

・友達に風邪を移された。 → A friend of mine gave me a cold.
 Don't gve me your cold.なら「風邪うつさないで」。

息子に手を焼いています。 → My son gives me a hard time.

進入社員を歓迎した。 → We gave new employees a warm wlcome.  

・彼女(恋人)に殴られた。→ My girlfriend gave me the black eye.
 black eyeとは殴られると目の周りが黒いあざになることからgive~ the
    black eyeで「殴る」に。  

父はよくやったねと慰めてくれた。
               
→ My father gave me a pat on the back.   
 pat=ポンと叩く、the back=背中 で「背中をポンと叩く」でよくやった
 と慰めるときや励ますときの動作です。映像が浮かんできます。  

・彼女に口も聞いてもらえず無視された。    
               → She gave me the silent treatment.  
  silent treatmentですから「だまっている扱い」。一言も口をきいてくれな
 い仕打ちです。これかなりきついです。

・その虫を見ると(気持ち悪くて)むしずが走ります
                →  The insect gives me the creeps.
  creepは「気持ち悪くてぞっとする感じ」のこと。人にも使えます。

君と話してるとウキウキするんだ
               → Just talking to you gives me a thrill.
 give~a thrillで「スリル」から「ウキウキする」。他feel high、
 feel on cloud nineなども。

彼女に勘違いさせられた。  → She gave me the wrong idea.
 具体的に何についてかはaboutをつけてthe wrong idea about~とします。


【もの・ことの場合】

  ・ベストを尽くす。 → I give it 100%.
   itはその時に話題になっていること。

  ・試しにやってみなよ。 → Give it a try.

  ・それについて考え直した。 → I gave it a second thought.  

などなどgiveを駆使した第4文型はすごい応用力があります。一見難しいことも無理なく言うことができるからです。今後はgiveを見たら、この型にはまった言い方かどうかチェックしてみるといいでしょう。

なお、あるデータによると、giveを使った口語定型表現で一番多かったのが

           Give me a break.
        
(勘弁してよ、大目に見てよ)

だったそうです。a breakは「休憩、休み」で、文字通りの「ちょっと休憩させてください」の他に、文脈によって「勘弁してよ」、うんざりしている時の「いい加減にして」、あきれた時の「冗談でしょ、嘘でしょ」にもなります。

● タイトルに関してもう一つ。a bad nameのbadです。

日本人にはシンボルがつかみにくい単語でなかなか使えません。以下のwrongとの比較で badの持つ感覚を掴んでみましょう。どう違うでしょう?

        I got married to a wrong woman.
              VS
         I got married to a bad woman.

前者はrightの反対なので、「間違った女性、正しくない女性」つまり「本来結婚するべきではない女性と結婚してしまった」ということ。選んだ自分の判断が間違っていたということです。

一方、後者はgoodの反対なので「悪い女性」つまり「素行や態度、性格が悪い女性と結婚してしまった」、もっというと「不良女性と結婚した」ということです。You're bad.ならbadを皮肉っぽく長ーく発音すると「おぬし悪やのぅ~」に。

なんとなくわかってきたでしょうか。ちなみにI used to be bad in high school.といえば、「俺、高校時代は不良だったんだ」です。

ふ~う。

ところでこの曲ですが、Wikipediaによると、

The melody of "You Give Love a Bad Name" was originally written for Bonnie Tyler under the title "If You Were a Woman (And I Was a Man)" with different lyrics.

この曲のメロディーは、元々はボニー・タイラーさん向けに違う歌詞で書かれたものだったとか。タイトルが「あなたが女性で私が男性だったら」という仮定法を使ったタイトルだったんですね。

さてさて、今の世代のアメリカの子供たちはボンジョビのことをどう思うのでしょう、またどういう風に彼、彼女らの目に映るのでしょう。興味深いですよ。


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