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バイクで行ける日本最西端の初日の出を目指す旅-2022▶︎2023年末年始ツーリング-




はじめに-今回の旅の目的


皆様は日本最西端の地が何処かご存知だろうか?

正解は沖縄県の与那国島、そして本土最西端は長崎県佐世保市の神崎鼻。



地図を拡大すると九州と平戸島は橋で繋がれており、平戸島の西端がバイクで行くことの出来る最西端であることがわかる。



さらに地図を拡大すると、本土とつながった最西端は岩礁で魚釣崎という小島と結ばれており、魚釣崎は南に張り出す形をしている。

平戸島南西部の拡大図


2023年の初日の出が出るのは117°の方角。
地図に当てはめてみるとこのようになる。

右側のオレンジ色の線が日が昇る方角


つまり、理論上はバイクでいける最西端、魚釣崎南端からであれば、初日の出を拝むことが出来る可能性がある。

この企画を考えた後、色々な資料やブログなどを読み漁ってみたが、誰もここで初日の出を拝んだ人はおらず、そもそも魚釣崎まで徒歩で渡れるのか?日の出自体見ることができるのか?ということは分からずじまいだった。

だったら現地に行って実際に確かめてみようじゃないか。というのが今回の旅の目的なのである。


12/30 相模原→大阪南港
 

午前8時30分ごろ、荷物をバイクの荷台にくくりつけ出発。国道16号を南下して横浜町田インターから東名高速に乗る。天気は曇ってはいるものの、風はあまりなく寒さは感じない。
東名高速は御殿場ジャンクション付近まで断続的に渋滞しており、車の合間を縫うように進んでいく。
新東名高速に乗ってからは渋滞もなく、スムーズに走ることができた。

時間があれば花園ラグビー場で高校ラグビーを観戦したかったが、船の時間に間に合わない為、今回は断念。
午後4時頃、大阪南港から新門司港へ行く名門大洋フェリーに乗り、就寝。 

夕日に照らされた船内と相棒のV-STROM650


12/31 新門司港→平戸

大阪南港▶︎新門司港の名門大洋フェリー

午前6時頃名門大洋フェリーから下船。
外は海からの風が吹きつけ骨身にしみる。体を温める為、24時間営業の資さんうどんで朝食。カツ丼と肉ごぼううどんに加えて牡丹餅までついて880円。
福岡のうどんらしく、コシが弱めで柔らかいうどん。とろろ昆布が無料なのもよい。カツ丼は肉が薄いもののサクッとした感触が残っており、出汁も効いており程よいボリューム。

資さんうどんにて。肉牛蒡うどんとミニカツ丼。



出発する頃には外は夜は明けつつあり、途中何度かの休憩を挟みながら福岡市の海の中道を通り志賀島へ。

宮地嶽神社から望む志賀島。参道と島が一直線に並ぶ。


市街地を抜けると快走路が続いており、私以外のバイクも何台か見かけた。
島内は道は細いものの急カーブはあまりなく、海の向こうに見える福岡ドームと福岡タワーを中心にしたビル群、北の方に連なる小島、志賀島東部の険しい岩場と青く透き通る海、海の中道から続く細く南に伸びた砂浜と次々に景色は変化していく。首都圏の海では見ることのできない、素敵な場所だった。

志賀島と九州本土をつなぐ砂浜。遠くに福岡のビル群。


志賀島の北の方は荒々しい岩礁が続く。


志賀島から海の中道へ抜ける道中にあるラーメン屋で昼食。博多ラーメンと家系ラーメンのハイブリッドなお味で、博多ラーメンのクセの強さと家系ラーメンの過剰な脂っこさを見事に打ち消しあった絶妙なお味。麺は博多ラーメン風の細麺で、ご飯にスープをぶっかけて食べてもいい感じ。

麺屋伍利羅漢さん。福岡で家系ラーメン。


福岡市内の神社を何社かお参りをした後に出発。九州の北部を糸島→唐津→伊万里と通って平戸島北部の宿、ゲストハウス コトノハに到着。
共用部や部屋の中はテレビもパソコンもはないけれど、昭和レトロな家具家電やセンスのよい本が並び、時間を忘れさせてくれる作り。

平戸の街は古い建物が立ち並び静かで穏やか。コンビニもなく、宿からは東の方角に港を挟んで平戸城、西の山の上にザビエル聖堂がライトアップされている。

西に見えるザビエル聖堂。
聖母マリア様像と港を挟んで平戸城


大晦日ということもあり、午後7時を過ぎると空いているお店もまばら。

バイクを宿の横に置かせて頂き、市内の大晦日もやっているラーメン屋さんへ。その後に島内の居酒屋さんで軽く晩酌。そして就寝。



1/1 平戸→天草

午前5時頃起床。午前6時頃宿を出発。
初日の出を見に平戸島西端の魚釣崎を目指す。
気温は5℃、風はあまりなく張り詰めた空気を裂くようにバイクを走らせる。外はまだ暗く、ヘッドライトで照らされたセンターラインを頼りに国道373号線を平戸島の西端へ向かって走る。道中はコンビニが一軒あるだけで、他にやっているお店も初詣で賑わう神社仏閣もなく、民家もまばら。
平戸島を縦断する国道373号は信号も急カーブほとんどなく、緩いカーブと直線が続く走りやすい道。
徐々に空は紺色へと変わり、山の輪郭が見えてくる。
午前7時ごろ、平戸島最西端・魚釣崎へ続く細い道に到着し、山の中に入っていく。


魚釣崎へ続く山道。路面状況がかなり悪い酷道

路面は国道の走りやすいワインディングから打って変わって、細く曲がりくねった険しい林道に。大きめの石が転がり、ガードレールは途切れ途切れで、右
側は崖になっている。軽自動車一台分の幅しかない為、落ちたらどうにもできない。ギアを1速に入れ10km/hぐらいのスピードで恐る恐る進む。

15分ほどで開けたところに出る。そこにバイクを止め、半分海に浸かった岩の上をおっかなびっくり歩いていく。
この岩礁の先の孤島が魚釣崎である。

平戸島と魚釣崎を繋ぐ岩礁。
道無き道を魚釣崎の南端に向かって進む。


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