聞こえない人とのコミュニケーション
前回「聞こえない選手の挑戦の場を」というテーマでお話ししました。
聞こえない選手も受け入れてくださるチームが増えていけばいいなと書かせてもらいましたが、実際、皆さんのチームに聴覚に障がいのある選手から入団したい
があったらどうされますか?
「手話も知らないし、どうコミュニケーションを取ればいいか分からない」と
不安を抱く指導者や選手もいるでしょうし、中には「全然オーケー!一緒にプレイしよう!」という方もいらっしゃると思います。
何が不安かといえば、「コミュニケーションの方法」なのかもしれないと思うのですが、実は、私も始めから手話で話せたわけではありませんでした。
ろう学校への赴任
教員時代にろう学校に異動し、初めて聞こえない生徒・先生・保護者の方達と関わりました。事前に手話を少し学んでいたものの、「子どもたちの期待に応えられるように教えられるかなと、期待より不安でいっぱいでした。
ところが、心をオープンに自分から関わっていくと、子どもたちが手話をたくさん教えてくれたんです。手話の先生は生徒たちでした。
私のスタートも、そんなところから始まっています。
聞こえない人のコミュニケーションの豊かさ
普段聞こえない人、子供たちと接している中で感じていることですが、聞こえない人の「コミュニケーションの豊かさ」についてお伝えしてみたいと思います。
私たちは、普段 「声」によるコミュニケーションをとっていますが、それ以外には、どんなコミュニケーション方法があると思いますか?
例えば、
「手話」があります。
「指文字」があります。指で50音を表す方法です。
紙と筆記用具があれば、「筆談」ができます。
「絵」を描いて伝えることもできます。
「ジェスチャー」や「表情」で伝えることもできます。
残っている聴力を生かしながら、普通に「口話」ができる人もいます。
メモなどがなければ、空に向かって、または背中、てのひらに指で文字を書く
「空書」でも伝えることができます。
現代では、
メールやライン、音声文字変換など様々な方法があります
コミュニケーションを取りたいと思えば、いくらでも方法ってあるんだなと思います。
私が、聴覚障がいのある方々のコミュニケーション力ってすごいと思う
理由の一つ目は、
「たくさんのコミュニケーション方法を使い分けている」ことです。
例えば、相手の手話経験が浅いと思えば、分かるようにゆっくり表現してくれることもあります。分からなければ、別の方法で伝え直してくれることもあります。
もう一つすごいと思うところは、
「相手の立場に立って、どうしたら伝わるか」そんな目線でコミュニケーションをとろうとしてくれるところです。
この2つのことは、健聴者も大切にしないといけませんし、
あらゆるところでコミュニケーションによるトラブルは、こういったことの欠落から起こりやすいですよね。
時々思います。
ろう者とのコミュニケーションの中で、課題があるとしたら、私たちにも課題があるのかもしれません。
ろう者とのコミュニケーション=手話と、決めつけていませんし、手話が使えなくても、他の方法でコミュニケーションは取ろうと思えば、取れるはずなのに「使わない」と選択してしまっていることありませんか。
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コミュニケーションで大切なことは、お互いが歩み寄り、相手に興味をもち、
「伝えたい」「聴こう」とする気持ちです。「伝えたい」と心をオープンにして関わろうとするがすごく大切なのだろうと思っています。
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とうことで、
「聞こえない人とのコミュニケーション」というテーマでお話ししてきました。
今回は健聴者の皆さんに、少しでも聞こえない人たちのことを知ってもらえたらと思い話してきました。聞こえない方々にお会いした時は、是非心をオープンにして、安心してコミュニケーションをとっていきましょう!
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