自律分散型組織のモデル【汎用性が超高い!3選】
日本ではまだ知名度の低い「自律分散型組織のモデル」
実は世界には色んなモデルがあります。
その中でも汎用性が超高い3選をご紹介します!
なぜモデル(型)が必要なのか?
従来の組織では、指示命令系統(上司・部下)が存在し、人が人を管理・マネジメントしています。大きな判断や承認は、上司に判断を仰ぐことをします。
ほとんどの自律分散型組織ではそれらを脱するために、仕組みがマネジメントしていたり、協調のルールが存在しています。
このような協働の仕組みをゼロから自社で作ることもできます。しかし時間がかかり、車輪の再発明でもあるため、モデルの導入は有力な選択肢です。
自社でゼロから構築する場合も、モデルは大いに参考になるでしょう。
それでは、汎用性が超高いモデル 3選をご紹介します!
ホラクラシー®
世界中で1000社以上が実践しており、非常に作り込まれている仕組みです。
3人から1000人超の企業まで様々な規模の企業が実践しており、汎用性が高いです。
ホラクラシーは「権力の構造を再定義」しています。ホラクラシーを導入する時に、経営陣は保有している権限を手放し、今後の組織運営は「ホラクラシー憲章」に委ねることを約束します。
ホラクラシーのルールやプロセスとはどんなものでしょうか?
一部ご紹介しましょう。
役職はなく、サークルとロールという役割で組織構造が作られ、一人ひとりが権限を持ち実行できるようになる
課題を主体的に解決する「タクティカルミーティング」を実施
組織構造を誰もが起案できる「ガバナンスミーティング」を実施
ホラクラシーでは、「指示・命令がなくても、誰もがパーパスに向かって動き出す」新しい組織マネジメントを仕組み化しているのです。組織をOSレベルから変えて自律分散型組織を作る場合、最有力候補といえるでしょう。
ソシオクラシー
ソシオクラシーの起源は、1980年代に遡ります。当時、ソシオクラティック・サークル・メソッドとして初めて開発されました。この頃から「ロール」「サークル」といった概念が存在していたとは驚きです。そして2005年〜2006年にかけてブライアン・ロバートソンがソシオクラシーを実践し、その末にホラクラシーが誕生します。
ソシオクラシーとホラクラシーは類似点が多く存在します。大きな違いとしては、ソシオクラシーには憲章のような正規の文書は存在しないことです。そして、ホラクラシーは事前に設定されたパラメーターが多数存在しますが、ソシオクラシーは個々の組織がパラメーターを設定できる余地が多く残っており、自由度が高い手法です。
Management 3.0
ヨーガン・アペロが考案したManagement 3.0。
Management 1.0 は、組織を機械のようにマネジメントすること。このようなやり方では上手くいかないという認識が広がっていると思います。
Management 2.0 では、「人こそが最も価値のある資産」と認識しており、マネージャーはサーバントリーダーとして振る舞います。しかし「人を直接マネジメントするのではなく、人を取り巻くシステムをマネジメントすべきだ」とヨーガン・アペロは説きます。
Management 3.0 は、複雑適応系の組織づくりです。複雑適応系ではコントロールすることは困難であり、最適化し続けることが重要です。人を直接マネジメントするのではなく、人を取り巻くシステムをマネジメントし、改良し続けるのです。
Management 3.0 は、原理とプラクティスの両輪が揃うことが重要だと言います。原理のみだとどう実行していいか分かりません。原理なきプラクティスだと、何のためにそうするかが置き去られ、形骸化してしまいます。原理とプラクティスをセットで提供しているのがManagement 3.0 なのです。
またManagement 3.0には多数のゲームやツールが含まれています。それらを実際にやってみることで体感し、複雑適応系のマインドセットが自然と身につくことを狙っています。
最後に
以上ご紹介した3つのモデルは、少々異なるレイヤーのものと考えています。
つまり「ホラクラシーを組織のOSとして、Management3.0でマインドセットが身につき、ソシオクラシーのプラクティスを活用する。」という3つ全部入りの組織づくりもできるでしょう。
それはまた別の話。
またの機会に探求しましょう。