一緒になって「よいことをうまくやる」。 軽く始める、自社サステナビリティチームのすすめ
今さらSWOTでもないのですが、法律や規則などだけでなく、ソフトロー、顧客がどう感じるかも含めて、事業環境が大きく変化し始めています。それを脅威としてできるだけ見ないことにするのか、機会として活用するための努力を始めるのかという、運命の別れ道なわけですが、それでも事業がこれからも "いつも通り" 進められると考えたい気持ちがあるのが普通です。「そんなに簡単にルールは変わらないだろう。あれはヨーロッパの話。基準に合わせないといけないのは日本では大企業だけの話。顧客はそんなことより機能やデザインや価格が重要。法律や規則が施行されない限り、対応は先延ばしにしたい。」
短期的な利益の減少につながる可能性が高いなら、業界内でできるだけ最後に対応したいと考える。組織の中で考えても、会社全体の意思決定や、プロセス全体に影響を与えることをあえて提案し、忙しい上司や同僚から疎ましく思われながら、よりよい企業の未来へ牽引するより、会社全体が少し損をする中に静かにいる方が安全と考えるのも普通です。
わかります。
でも、ヨーロッパが、大企業にルールを課しただけでなく、中小企業にも広げることを決定し、それらのバリューチェーン全体で一定のレベルを担保することを義務づけたら、日本の大企業と取引のある中小企業も影響を受けることになるでしょう。それはあまり先の話ではないかもしれませんし、そもそも事業を少しサステナブルにすることだけでも、相当な時間とエネルギーが必要です。「ルールが変わったから、来月からサステナブルバージョンで!」とはいかないですよね。
大きなプロセスの変更は、経営陣はもちろん、プロセス変更に関わる部門、調達先、チャネル、業績への影響があるなら株主など、すべてのステークホルダーの理解と協力が必要です。その上で変えていかないといけない。「こうやればうまくいく」というわかりやすい先行事例があって、簡単に模倣、スケールして、競争力が得られるのならいいですが、そうもいかない場合が多いでしょう。そもそも「何が重要なポイント(マテリアリティ)なのか」さえ、決まっていないところからスタートするわけですし。
まずは「軽く始める」っていうのがいいと僕は考えています。外の会社にどっさり情報を渡して、「あなたの会社はこうすべき」と結論を教えてもらうのではなく、自分たちが部門を超えて、未来をイメージしながら一緒に考える。外部の人も一緒に考えてもらう前提で入ってもらう。そういう力も未来への重要なケイパビリティだと思います。
そして、自分たちが考えたことの方を実現し、改善していく方が、ずっとやりがいがあるでしょう。企業って、利益のための集合から、もっと社会的な価値が重要な集合に変わてきていると思うんです。与えられた結論を効率良く実行するのではなく、自分たちが一緒になって、よいことをうまくやる。そういうのって、日本企業が得意としてきたことな気がします。
ニューロマジックでは、マテリアリティワークショップはじめ、サステナビリティチームを軽く始めるためのお手伝いをしています。
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