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#007 私も歯科矯正したかった
長女さんの5年以上に及ぶ歯科矯正にゴールが見えてきた。
彼女は二枚歯な上に両親に似て歯並びが悪く顎も少しずれて歪んでいた。
【解説】
二枚歯(二重歯列)とは、歯が正常な位置からずれて重なり合う状態のこと。
前歯の部分が二列に並んでしまうことが多く、特に歯の生え変わりが起こる成長期の子どもさんに生じやすい歯列不正です。
本来の正常な歯並びは、歯と歯が均等な間隔で一列に並んでいる状態が理想的です。
見た目の悪さだけでなく、噛み合わせが悪いことも多いため、この歯並びを放置しておくと、様々な悪影響を及ぼすリスクが高くなります。
普通、二枚歯といえば手前と奥に重なって生えているイメージだけれど、彼女の場合は本当に上顎から生えていた。
前歯よりずっと奥に生えていたのだ。
彼女曰く「しゃべりずらい」。ごもっとも。
ということでいろいろ調べて、HPで症例を多くあげている矯正歯科を訪れた。
二枚歯、歯並びの悪さ、顎の歪み(顎変形症)から顎の手術も考慮した治療をした方がきれいな噛み合わせにななって虫歯予防もしやすくなって、将来の歯の欠損率も下がると言われた。
歯科矯正に手術は想定外。
もちろん手術をしないやり方もできると言われたけど、左右に歪んだしゃくれ気味の顎。
見るに耐えないほどではないけれど、女の子にとってはコンプレックスにも繋がるし、これから長い人生でやった方がいいのは明らかで、説明を聞いている段階で彼女はやる気満々だ。やっぱり歪んだ輪郭が嫌だったんだろうな。
治療に保険もきくというのも後押しして始まった歯科矯正だ。
先生に「治療は長くなるので、今後県外に移る予定はありますか。」と書かれて「ありません!」と彼女は元気いっぱいに答えたのに、隣の県の大学へ進学した。
そういうわけで毎月県をまたいで通院すること、もうすぐ3年になる。これはかなり想定外。
1年目 6本の抜歯手術のため入院
2、3年目 ひたすら通院して矯正
4年目 上下顎変形症手術のため入院
5年目 プレート除去手術のため入院
手術はもちろん大変だったけど驚きなのが上顎から生えていた歯の行方だ。
あまりに奥から生えていたので抜くのだとばかり思っていたら、親知らず4本と犬歯あたりを左右1本づつ抜いて上顎奥の歯を前歯まで持ってきたのだ。
「そんな長距離移動が可能なのか」とびっくりした。今では綺麗に前歯に収まっている。
他にも紆余曲折、思うことはあるけれど、奥歯がきっちり噛み合うことに感動している彼女の嬉しそうな様子を見ると、やって良かったと思う。
そして振り返って、私も歯科矯正してきれいな歯並びと歪んでない顎を手に入れたかったと思う。
でももう今更だし、痛いし、歯茎が矯正についていけないお年頃である。
今、出来るのは、せめて歯の欠損を最小限に抑えて健康的に歳をとるため、ずっとサボっている歯の定期検診の再会だ。
そのために近く予約をとることをここに宣言する。
たぶん…。