アートは自分と繋がるツール
自分の本音や価値観って案外言葉で説明できないものです。
言葉で説明しているうちに本当に言いたかったことがするっと逃げて行って、何となく不完全燃焼になってしまうのです。
フワッと心に真実みたいなものが浮かぶことはあるのに・・・。
それを捕まえようとすると違うものに変わってしまっている、私はいつも自分自身についてこんな風に少し扱いにくさも持っています。
きっと見えないもの、対象物がないものを説明しようとしているからなんですね。
私が真剣に作品を作り始めてまず気づいてのは、全体は好きだけどその中の部分にはイマイチのところも含まれている作品もあれば、部分部分は気に入っているのに全体としてみると失敗かなという作品もあるということ。
最初は好き嫌いよりも自分が用意した完成予想図に近づけることに一生懸命だったので深く考えずに無視していたのですが、だんだんこの好き嫌いこそが私だけの感覚かもと思うようになりました。
それは見ていただいた他の人と自分の感覚に違いがあることが多くて、自分の作品を自分で見るのと他人が見るの違いだけではないかもと気づいたからなのですが・・・。
だからここで「私は何でここを好きと思うんだろう?」「なぜここが嫌いなんだろう?」をじっくり考えてみました。
私の場合だと
均一にキレイに塗れたと思ったのに気に入らない→なんで嫌いなんだろう?→きちんとはめ込んだ隙のない感じが窮屈で退屈
さらに作品を離れて読み進めていくと
ちょっと揺らいでいる線や強弱のある色遣いが好き→人間の手を感じるものに愛おしさを感じる→偶然を楽しみたい
こんな感じです。
これが正解なのではなく、私の場合です。
アート作品をみることは自分の気持ちを分析するためのアプローチ法になる、そう思うのです。
あちこちアラがあるんだけど、気に入っている作品です。