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【ミスチル自分史】(6) アルバム「HOME」

トップ画像は、snafu_2020さんからお借りしました。ありがとうございます!


2007年、春。

私の社会人生活1年目は、アルバム「HOME」とともにあった。2007年3月リリースのこのアルバムは、社会人デビューの春という節目にちょうど重なる。早朝の出勤時、家から最寄り駅まで歩く記憶の中に、「Another story」と「やわらかい風」の歌詞とメロディーがある。

 ーごめんねって言葉 君は聞き飽きてるんじゃないかな
 
 ー忙しく過ごしているかな? 風邪なんかひいていないかな?

その頃は、まだ大学を卒業した直後で、昔の仲間たちのことをよく思い出してしまっていた。特に遠い遠い町に行ってしまった人たちのことを。「HOME」のいくつかの曲は、歌詞と曲調が、少し切ない新生活のスタートに不思議とピタリと合っていた。このアルバムは、社会人の始まりのあの頃の気持ちを呼び起こす。原点や初心のようなものを。

必死で走りながら、あっという間に過ぎていく社会人の日々。人生で初めての一人暮らしを始めた頃でもあった。2008年に「GIFT」がリリースされて、その年の暮れの紅白歌合戦にミスチルが出演していた。実は紅白初出場だったらしい。意外だった。

大晦日の夜、実家に戻って、ぼんやりとテレビで紅白歌合戦を観ていた。このときのGIFTの映像が印象的で、今でも鮮明に記憶に残っている。特別会場らしき場所でミスチルは演奏していた。その周囲を多くの人々が取り囲んでいた。老若男女さまざまで、また多くの外国人もいた。曲の終盤。大合唱が起こり、手拍子をたたき、自由に体を揺らしていた。それを見ていたときに自然と涙が流れた。その年のさまざまな出来事が頭に流れた。

 ー今 君に贈るよ
 ー気に入るかなぁ 受け取ってよ
 ー君とだから 探せたよ
 ー僕の方こそ ありがとう