心からそこに在る/Be Present
こんにちは、CAM Japanディレクターの浅井元規です。CAM本部のブログを一部翻訳し、コメントしてみました。
今回は、Biran Millerコーチが書いてくれた「心からそこに在る/Be Present」というトピックについて、感じたことをまとめてみました。このトピックは、CAMが大切にするコーチとしてのあり方であり、私もとても大切にしているあり方です!
Be Present
Be Present という英語の表現は、個人で過ごす時間や、周りの人と過ごす時間の中で、その場に存在しているという意味ですが、体だけでなく、意識や心も含めてそこに在るという状態をさします。ですので、話を聞いているふりをしていても、頭は他のことを考えていたり、相手の心に寄り添っていなかったら、完全にBeing Presentとは言えないでしょう。
さらに、Be Presentの表現には、その場を味わうことや、今を生きるという意味もあり、過去や未来にとらわられるのではなく、今を自分の内側や周りに起きていることに意識を向けるというあり方にもなります。コーチングでとても大切にしているあり方ですね。
心が癒される
さて、本題のBrianのブログですが、「A Beautiful Day in the Neighborhood」という映画の登場人物 RogersとRogersの陰謀を暴こうとする調査員の関係性の描写から始まります。
調査員が、Rogersについて調べようと、本人に電話をかけます。するとRogersの方から調査員に質問をしてきました。「私が今している一番大切なことはなんだと思いますか?」調査員は、そこに陰謀を暴く手がかりがあるかと思いペンを持ち、「なんですか?」と聞き返すと、Rogersはこう答えました。「私があなたと話しているということです。」調査員はわけがわからず、Rogersに真実をごまかされたと感じました。
そして、映画後半の最も印象に残るシーンでは、Rogersが調査員との食事の席で、心からそこに在り、調査員と正面から、誠実に向き合ってい対話をしていた時、その場にとても暖かい空気が流れ、疑いと敵意に満ちていた調査員の心がやわらかく変えられていきました。
Brianの要約をまた要約したので、ストーリが少しわかりづらいと思いますが、Brianはこのストーリーについてこのように語りました。
うまく説明はできないけれど、心を完全に開いた人と対話をするときに、人の心は癒しを受けていくように感じます。それはとても麗しいことで、どんな「仕事/Doing」をすることにも勝ります。人が相手のために時間をとり「心からそこに在る」時、人は自然と「あなたは愛されていて、そのままで受け入れられている。そして、価値があるんだよ。」というメッセージを伝えているのです。
Brianは、コーチとしてベテラン中のベテランなんですが、普通にお茶をしながら話すと、とってもほっこりする優しいおじさんなんです。彼と話をしていると、あったかい干したての布団に包まれるような感覚になるんですが、この文章からも彼のそのようなあり方が伝わってくる気がします。
スキルではなくて「あり方」
私は、コーチングを、スキルではなくあり方だと考えています。スキルは、目的を達成するための手段ですが、あり方は見返りを求めずに自分が大切にしたい価値観を体現することです。この「心からそこに在る」ことを、相手の心を開く目的であったり、コーチングがうまくいくために使う手段として実践しようとすると、本質的なあり方から逸れてしまいます。
しかし、コーチがまず自分自身が愛され、そのままで受け入れられ、価値があると心から思える時に、周りの人に対しても自然と同じ想いで接することができます。そして、それはスキルではなく、結果的に「心からそこに在る/Be Present」あり方となっていきます。
Brianが表現したように、わたしたちが、家庭や、職場で、また大切な人との関係性の中で「Be Present」であるときに、周りの人たちの心に癒しやあたたかい空気がながれ、より良い関係ととなっていきます。
最後にBrianはブログにこのようにコメントしています。
最後に、私は家族との間で最も Be Present である必要があります。特に家庭の中では、それが当たり前であるべきです。私のあり方を通して家族ひとりひとりに、「あなたはわたしにとってとても大切で、あなたとの時間は、何にも変えられない宝物だよ。」というメッセージが伝わるべきです。その時に、わたしが家族に対して心からそこに在るだけでなく、わたし自身が彼らの心にも「存在している/Present」ことを知る時に、わたし自身の心も癒されていきます。
この様なあり方や価値観を大切にする人たちと繋がり、人をそのままで愛し尊重する文化が広がっていく時に、至る所で大切な人との関係性がより良いものになっていくことを願っています。
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