マスターカードのCEO、マイケル・ミーバックは全世代が利用しやすい生体認証決済への投資を匂わせた。12年前からのブロックチェーンへの投資も、支払い手段に困らないサービスの実現に向けたものであるとし、安定性、規制対応、消費者保護の観点で投資を決めるという。DXという言葉の浸透と共に、生体認証決済も浸透するのだろうか。安全性の確保に努められるのか、ここが一つの肝になりそうだ。
円安はそろそろ終焉する。11月12日時点で、1ドル138円台とピークは抜けた。これには、コモディティー価格の上昇と地政学リスクが原因だ。世界経済の減速、特に中国の需要減により、原油価格は低下トレンドが続いている。また日本の観光による外貨収入減によるドル高であったが、10月よりインバウンドの入国制限緩和に伴い、回復の見込みだ。この状況で、円高の未来は想像に容易かったのかもしれない。
日本政府や企業に未来はあるのだろうか。億り人は現預金3割、残りを外国債権・外貨預金・海外不動産等への投資など幅広い運用をしているという。長期運用を基本スタンスとし、下落株のナンピン買いも厭わない。政策への期待も薄く円ドルは155円まで到達するのではないかと想定する投資家さえいるほどだ。人材流動性の低い日本に期待できないと公言する投資家もおり、国の行く先を案じざるを得ない。
円安が止まらない。9月22日の為替介入の甲斐なく、10月14日の外国為替市場では、1990年8月以来32年ぶりの1ドル=148円台後半を付けた。円は他通貨に比べて、対ドルで下落率が高い。イエレン米財務長官は、政策や為替介入に協力する気はない旨の発言をしており、日本の政策変更等が求められている。低金利政策継続の意志を示している日銀からすると、国民の消費や投資推進策が鍵になると考えられる。
脱炭素社会に向けた車社会の在り方を模索する時かもしれない。ガソリン車の燃費と比べ、EVの「電費」は1万キロ走った時点で⅓で済む。またガソリンには掛かった税金が掛からず、購入時の政府からの補助金が最大92万円支給される制度もある。充電設備の不足や税の公平性が議論の的である。21年に世界の販売台数がハイブリッドを超えた今、日本もグランドデザインの一新が求められる時代もそう遠くはないのでは無いか。
韓国が電子漫画業界を席巻している。漫画アプリ利用経験者のうち、41.9%の利用率を誇るラインや37%超えで2位のピッコマはいずれも韓国発だ。従来の漫画と異なり、縦スクロール・全編カラーの特徴を持つ「ウェブトゥーン」が好評だ。業界課題は、音楽・動画・ゲーム業界との可処分時間の争奪戦で劣勢であること、企業課題は、分業での編集体制の整備や有力作家の確保であると考えられる。
TポイントとVポイントが統合に向けた資本・業務提携を発表した。背景として、自社サービスと相乗効果を狙ってきたdポイントや楽天ポイントの勢いがある。またPontaがKDDIと連携し先を越されていた。今後Vポイントの認知促進、Tポイントの購買データ促進にそれぞれ繋がる見込みだ。ECやスマホ決済など新たなインフラサービスの趨勢も見張りながらのサービスデザインが重要になる。
人的資本とは、従業員または従業員が持つ知識や技能を指す。当資本の開示を欧米が先行しており、GDPに占める人的投資額は、米国2.1%、ドイツ1.2%に対して日本0.1%に留まっており、重要性が見て取れる。財務情報だけでは見えない事業戦略と人的資本投資を組み合わせて、「選ばれる企業」になれるか今後注目すべきである。
主要国で金融政策の効果が薄くなっている。日本の異次元緩和、米国の高インフレが該当する。90年代の大安定期から大不安定期へ変化した理由は三つ。まず世界経済の分裂による資源と労働供給の混乱だ。次に見通しのつかない気候変動だ。そして金融政策そのものの効果が薄れていることにある。金融引き締めの時期に加え、主要業界の変化に伴い借入ニーズが減り、金利による需要操作ができないでいる。今後の中銀の動向が気になる。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB153E60V10C22A9000000/ 23年以降、銀行間送金を可能にする「全銀システム」への加盟を解禁すると 発表した。企業・銀行の手数料に関しては、競走状況次第で引き下げ余地があると思われる。今後企業のコスト負担増大に伴う淘汰が起きたり、日銀の監督下に伴いイノベーションを阻まれないか懸念点となりそうだ。20年時点でも議論されており、実装が待ち遠しい。
スマホ金融サービスを展開するIT企業は、本格的な金融サービスに触手を伸ばす。PayPayはみずほ証券と提携しETFを100円から購入できるようにしたり、LINEは野村HDとLINE証券の展開をする予定だ。ただし競合になり得る以上、大手金融1社との関わりを深めず、データ分析等の主導権を握らせないつもりだ。今後米アップル、中国のアリペイ、シンガポールのグラブなどに次いで覇権を握れるだろうか。
歴史的な円安は止まらないのか。要因の一つとして金融政策の違いが挙げられるという。欧米は物価高を抑えるため政策金利の引き上げ策を講じるも、日本はそこまで物価高でなく金融緩和を続けている。一般に金利の高い通貨にお金は流れるため、日本円が売られ円安になっている。円安対抗の為替介入は過去32回あり、利上げも検討されうるが、市場理解に苦しむとの理由で難しいと考えている。打開策は国民か、国か、考えどころだ。
JCBは、23年中に消費者と事業者向けにスマホ決済サービスを提供する予定だ。QRコード決済はICプリペイド型の取扱高を上回り、若年層中心に確実に広がっている。ペイペイや楽天ペイのようにクレジットカード等の連携を図る企業に対して、どこまで対抗できるか実物である。勝機はクレジットカードユーザーの取り込みなのか、新規ユーザーなのか、マーケティング戦略にも注目だ。 以下自作資料
擬似中小企業が増えている。資本金が数十億~数百億円あった企業の一部で、「外形」対象に含まれないように資本金を1億円以内に収める動きが活発になっている。稼ぐ力が弱まり、本来所得が増大すると税率が減少する仕組みである当制度も役割を果たせていない。世界中でも注目される地方税制だが、デジタル課税や再生エネルギー課税など割に合わない税制をいかに整えていくかが今後の鍵になると考えている。
金融教育を国民還元型で再構築する。金融庁は、NISA拡充、金融リテラシー向上、顧客本位の業務運営の3つを掲げて「新しい資本主義実現会議」に提言する。リテラシー向上に伴う官民の連携や業務運営における販売勧誘環境のルールやプリンシパルの改訂が喫緊の課題となる。官民の請け負う度合いや国民の期待を操作できるかが普及できるかの鍵を握るだろう。
フィンテックは、再エネ消費や脱炭素、日本の競争力向上に役立てるのか。個人の再エネ普及率の低さの一因に割高な手数料があった。NTTやJRも参画しているDCJPYのデジタル通貨により、送金を早く安くできる見込みがある。ただし今後グローバルに目を向けると、送金情報伝達速度の低下による障害が発生しかねない。遅れる日本にとって、絶好の機会にできるかは仕組み化と国民の協力度合いによると考える。