「独り娘の神学研究」 

PUTI論叢『摂理と状況』第4集-1
3 独生女神学研究 
「独り娘の神学研究」 
この本は2019年11月に韓鶴子が鮮文大学の教授たちに「今から独生女論を研究せよ。独生女は六千年ぶりに初臨で誕生した。独生女が摂理を完成するために努力していることを堂々と語りなさい」という指示によって企画されたとみられる。2012年から本格的に始まった独生女論だったが、キム教授以外は消極的に対応してほぼ10年が経った。しかし、今になって統一原理を廃棄し独生女論を信じよという主張を盛り込んでこの本を出版する理由を、私たちは推測する。
1.独生女論とフェミニズム
1)男女共同参画時代にふさわしくない統一原理を廃棄せよ
著者らは、統一原理は男女共同参画時代には合わない神学であるため、これを廃棄して天の母(女性神)を実体で顕現する独生女(韓鶴子)と独生女論を信仰しなければならないと主張する。こうして著者らは、独生女論を文鮮明師のみ言葉と統一原理から見つけようと努力したキム教授とは異なり、性平等時代に登場した独生女論は統一原理では説明できないと主張して独生女論と統一原理はお互いに矛盾することを率直に認めている。合わせて韓鶴子が独生女論を発展させたと主張している。
著者らは、独生女論の二元論的内容(本書では、言及は避けたが)と韓鶴子の血統を中心とする救済論は、文鮮明師の統一原理と異なることを正直に認めていて、家庭連合はこの本を通じて文鮮明師の統一運動とは異なる教義と異なるアイデンティティの宗教運動であることを宣言したものとみられる。
特に黄振秀は、創始者の統一原理を性平等時代にはふさわしくない神学として規定し、旧統一教会の信徒に独生女と独生女論を信仰せよと主張している。そして「韓鶴子崇拝を目的とする独生女論が8大教材教本に代表される統一原理を否定し、それを超越した新しい真理体系を発展させることは可能だと主張する。
著者らは「神は異性性上の中立的主体であり、男性格主体としての神ではなく天の父と天の母という二元論的な神である、という論理が独生女によって明らかになった」と主張している。著者らがこれらの主張をした目的は、男性格主体であり「父」と表現した神の属性に、世俗的フェミニズム論者が批判する家父長制のイメージをかぶせて排斥した後、天の母の実体であると主張する韓鶴子が旧統一教会の支配者であることを表したかったと思われる。しかし、創造原理は創始者の宗教的アイデンティティの根源である。人間再創造の過程は復帰原理の根拠である。すでに説明したように創始者は、全ての存在は性相と形状、陽性と陰性の異性相的存在であり、神は本性相と本形状、本陽性と本陰性の中和的主体である原理的存在として、すべての存在の原因であり、人類の親であると規定した。したがって、神がすべての存在の主体である。このように神は、完全に統一された中和的主体として一元論的に存在すると創始者は教示した。
創始者は、神は図像(ずぞう)的な男性格の主体であり父と呼ばれ、天の父と天の母という二つの属性の一元論的存在であることを幾度も教示したのはもちろん、韓鶴子が創始者と完全に一つになることによって「真の母」の完成と復帰摂理の完成が可能だと教示したこともある。

 
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?