FiNANCiE(フィナンシェ)の狙いが革新的過ぎて、果たして日本人はついて来れるのか?
最近、何かと話題のFiNANCiE(フィナンシェ)。「ブロックチェーン技術を活用したトークン型のクラウドファンディングサービス」。Web3時代におけるトークンプラットフォームと謳っています。
Wantedlyという次世代型人材マッチングサービスの登録ページに、以下の通り説明されています。
ウェブサイトにWantedlyのリンクを貼り、「こちらをご覧ください」と効率を追求する姿勢に地味に共感しました。
1月中旬にNinja DAOの派生プロジェクトであるCrypto Ninja Games(CNG)
が参入。それを皮切りに、続々と他のNFTコレクションも追随。
「投資をメインとしたプラットフォーム」というのが私の理解だったので、以下の理由から参戦はせず、静観していました。
NFTとFiNANCiEで投資資金が分散してしまい共倒れになるリスク
同様にコミュニティーも分散するリスク
同サービスに依存したコミュニティートークンに投資するより、市場で取引可能な仮想通貨(イーサリアム等)の方が安心
日本に閉じたサービスであり、先鋭的な投資家の層が薄い為、アップサイドが限定的。グローバル市場と繋がっているNFTの方が魅力的
今回、NMO(NFT Marketing Orchestra)のシンポジウムでFiNANCiEファウンダーの国光氏の講演を聞いて、理解が深まり、興味を持ちました。
講演の中で、ファンクラブや推しコミュニティーの「古参のジレンマ問題の解消」という話が響きました。
古参メンバーとしては、コミュニティーの規模が小さい方が、「推し」との距離が近いし、様々な特典獲得の倍率も低い為、大きくなることを望まない。新規参入者を「にわか」として排斥しようとする。
他方、FiNANCiEではトークン価値が紐づいている為、コミュニティが大きくなることでトークンの価値も高まりやすくなり、既存メンバーが新規を呼び込むインセンティブとなるという話。
加えて、CTH(コミュニティー・トークン・ホールド)機能により、ホールド実施者には、FiNANCiEトークン(FNCT)が付与され(仮想通貨ウォレットが必要)、それを更にステーキングするというガチのweb3体験に繋がっていく。このweb2とweb3の懸け橋となるという志に共感しました。
将来的には、各コミュニティーが独自トークンを発行・上場(IEO)する未来まで描いている。実際に先行するCNGでは、既にIEOに向けた準備が進められているとのこと。
「投資と推しのバランス」「短期売買と長期投資のせめぎ合い」等、克服すべき課題は山積みですが、これが普及・定着し、更にはグローバル共通規格へと展開できれば、実に魅力的と感じました。
コミュニティ分散問題に関しては、FiNANCiEにて独自開発するのではなく、各プロジェクトが独自にサーバーを立て、そこに集約する。ディスコードとコミュニティートークンがシステム連携し、保有トークンに基づいたロール(権限)が付与されるとした方が、より拡張性があるのではと感じました。
普段、活発にディスコードでコミュニケーションしているメンバーが、わざわざFiNANCiEに行って書き込みする労力が不要になる。加えて、FiNANCiE運営としても開発リソースをトークンやエコシステム等の、より本質的な機能に集中できます。
国光氏の構想は、革新的で野心的。果たして、多くの日本人はこれを理解し、普及させていけるのか?日本人の投資リテラシーが今こそ問われていると感じました。