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「世の中の体温をあげる」Soup Stock Tokyoから学ぶこと

最近、お気に入りのVoicy番組が「耳から学ぶマーケティング」。MarkeZineというマーケティング専門誌が運営しています。マーケティングの最新トピックを短時間で仕入れられるので重宝しています。

先日、今年のイチオシ放送としてSoup Stock Tokyoの記事が紹介されていました。

離乳食の全店無償提供が物議を醸し、それに対する対応が賞賛されたという話。

スープストックトーキョーが発表した「離乳食後期の全店無料提供」は、SNSを中心に様々な反響を呼んだ。想定外の事態を受けて同社が発したメッセージは、多くの広報・マーケティング関係者から「完璧な対応」と称賛された。同社のようなブランドの一貫性は一朝一夕で出せるものでも、他社が簡単に真似できるものでもない。その大前提に立ちながら、今回の一件を炎上対応のお手本としてただ眺めるのではなく、ブランドづくりのお手本として紐解き、効率とは無縁のブランディングに日々取り組み続ける担当者へ「気付きの種」を届けたい。

今回の肝はパーパス経営。「世の中の体温をあげる」というパーパスを浸透させることで、細かなマニュアルを規定することなく、各社員が自発的にパーパスに沿った行動を行い、それが顧客満足度に繋がるという話。

目の前にいる人の心の体温を上げるために、店頭で働くパートナー(アルバイトスタッフ)は日ごろから様々な工夫をしてくれています。たとえば、リクルートスーツを着た就職活動中のお客様に応援の一言を伝えたり、マタニティマークを付けたお客様に白湯を差し出したり。保護者の方が温かいスープを召し上がることができるように、泣き出してしまったお子様のバギーを揺らしながらあやすパートナーもいました。

これらの対応にマニュアルは一切ありません。理念に共感した各人が進んでアクションを起こしてくれているのです。Soup Stock Tokyoで離乳食の無料提供を開始した背景には、世の中の体温を上げるための“公式アイテム”をパートナーに授けたい思いがありました。

まさにSoup Stock TokyoのDNAなのでしょう。創業者の遠山氏が本事業アイデアをプレゼンした際の小説風企画書「スープのある1日」。ここでも、パーパスや世界観を打ち出し、賛同者を広げていくというアプローチがなされました。

企画書の全文は同氏の著書「スープで、いきます 商社マンがSoup Stock Tokyoを作る」に掲載されています。

さわりの部分がAll Aboutの記事で紹介されています。

<プロローグ>
恵比寿の日本センタッキー・ブライト・キッチンの秘書室に勤める田中は、最近駒沢通りに出来た(仮称)Soup Stock の具沢山スープと焼きたてパンが大のお気に入りで、午前中はどのメニューにしようかと気もそぞろだ。
(→具沢山スープと焼きたてパン)

<店舗イメージ>
白と黒をベースにした、極めてシンプルな店舗は、さながら港区あたりの美容室かアパレルショップを連想させるが、メニューの内容が充実している自信の裏返しの様にも感じられて心地よい。ただの余計な装飾は、社会悪とさえ思えてくる。
(→低投資で高感度。シンプルな店舗)

チェーン店は、一般的にはマニュアル化による標準化が強み。同社は、創業時からパーパス経営を実践し、実績を積み上げて来たからこそ、今回のような通常のチェーン店では困難な神対応に繋がったと言えるでしょう。

換言すると、ティール組織やDAO的な運営がなされているとも言えます。

最後に「DAOって何だ?」と興味を持って頂いた方、下記記事をご覧頂けると幸いです。

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「スープのある1日」という物語からSoup Stock Tokyoは生まれた 起業家・遠山正道。


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