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ゲームをしながら社会貢献。DePINが引き起こすゲームチェンジ
昨日、「NFTとDePIN。地方創生の可能性と価値創造」というセミナーに参加しました。
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今回の参加目的は、以下の3点。
DePINに興味がある
DEA共同創業者で「ピクトレ」提供元である山田耕三さんにお会いしたい
CNPファウンダーのRoadさんにお会いしたい
セミナーは2本立てで、前段がNFTを活用した地方創生の話。CNPのIPを冠したNFTを返礼品として提供するふるさと納税の成功事例の紹介。
日本最大のNFTコレクションであるCNP(Crypto Ninja Partners)のファウンダーであるRoadさんとふるさと納税事業運営母体である、あるやうむ社代表畠中氏による対談形式にて進行。
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本記事では、主にDePINの話をしたいので、こちらはさらっと流します。
一番、印象に残ったのは、「NFTという新しい技術に抵抗を示す自治体は多いのでは?」という質問に対し、畠中氏が「その壁を乗り越えるのは困難なので、理解と興味を示してくれる相手に巡り合うために、ひたすら行脚している」という話。
これは、大いに共感しました。NFTに限らず、新しいテクノロジーは否定をしようと思えば、無限に否定できます。「挑戦したい」という想いがベースにある人がカウンターパートでない限り、結局、前には進みません。私自身、過去に何度も見てきた景色です。
ここからが、DePINの話となります。
DePIN(Decentralized Physical Infrastructure Network)とは、分散型物理インフラネットワークと訳され、トークンをインセンティブとして分散されたリソースを有効活用することで、世の中に必要とされるインフラの構築または維持するコンセプトのことを指します。
この説明だけを読んで理解できる人は、類まれな天才だと思います(笑)。山田さんは、より分かりやすく「シェアリングエコノミー2.0」→「誰でも利用でき、誰でも自分のモノを提供・貢献できるネットワーク」と解説されていました。
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それでも、まだ難しいですよね?抽象的な説明よりも具体例を見た方が早いということで、「PicTrée(ピクトレ)」をご紹介します。本セミナーにおいて、山田さんがメインでご紹介された事例です。
参加型社会貢献コンテンツ「ピクトレ」は、プレイヤーが電柱やマンホールなど電力アセットの撮影を行い、電線を繋いだ長さなどを競う無料の携帯ゲームアプリです。プレイヤーはゲームを通じて、身近なインフラ設備の保守に協力することで、設備異常の早期発見等の社会貢献に寄与します。また、プレイヤーはゲーム内での活躍に応じた報酬を獲得することができます。
ゲームの内容は、こちらの動画をご覧いただくのが一番わかりやすいです。チーム対抗で、チームメンバーが競い合い、適度に頭脳と体力を使うゲームで、中々、面白そうです。
プレイヤーはゲーム内での活躍に応じて、Amazonギフト券やDEAPcoin(DEP)などの報酬が獲得できる他、一定期間行われる各シーズンの終了時にはチームランキングに基づくチーム報酬の獲得チャンスもあります。
ここで、一点、ご注意頂きたいのは、Play to earnとして数年前に盛り上がったアクシーやステップンの様に大金が稼げる訳ではないという点。ここは、山田さんも強調されていました。ポイ活感覚でお小遣い稼ぎになる程度に設計されています。
前掲の動画、テレビ番組の様で、実に分かりやすいと思いきや。山田さんは、元テレビ東京で番組制作をされていたプロの方でした。
このインタビューの中で、私が最も可能性を感じたのが、社会貢献とゲームの両立という視点。社会貢献は、崇高で立派なことであるが持続させることが困難。一方、ゲームは楽しいが無益。ゲーム会社が儲かるだけ。これを両立させることで、新たな価値を創造しようとするアプローチが実に魅力的です。
社会課題の解決に取り組む場合、一番の問題は持続可能性だと思うんです。色んな企業や国、自治体、あるいは個人レベルでも、様々な社会課題への取り組みがなされていますが、単発で終わってしまい、なかなか続かない。啓発イベントなども開催されますが、1日とかで終わってしまいます。
でもほとんどの課題というのは継続的で、終わりのないものです。そこで、ゲーム性を取り入れて、楽しみながら無理なく取り組むことができるのであれば、持続可能性が担保されるというわけです。特にスマホで簡単に遊べるカジュアルなゲームの形をとれば、相性はよりいいですよね。
ピクトレのアプローチは、社会貢献にとどまらず、チームビルディング研修や地方創生にも応用できるのではという可能性を感じました。
第一部で登壇された畠中さんが代表を務めるあるやうむ社でも「地域おこし協力隊DAO」という地方創生に取り組んでいます。
投機NFTの最盛期に、メンバーで協力してNFTをコレクションを立ち上げ運営するというモデルが機能しました。その母体となったのがディスコードというチャットアプリ上に構築されたDAO。
実は、DAOが機能し、メンバーが強い絆で結ばれるに至った大きな理由のひとつとして、NFTコレクション運営という共同作業が貢献していると考えます。
単にオンラインコミュニティを用意して、「みなさん、ここで自由に交流してください」と掛け声をかけるだけでは自走していきません。
共同作業を通じて、お互いの資質、強み、弱みが理解でき、可視化される。共に苦労を乗り越えることで仲間意識が芽生える。
DAOにDePINのアプローチを取り込むことで共同作業を促し、「地域おこし協力隊DAO」の活性化に繋げられるのではと考えた次第です。同社の畠中代表や、広報担当のたーなー氏が、この記事を見てくれると信じて(笑)。
最後に、農業×Web3に挑戦されている農場人さんの記事を紹介させて頂きます。ピクトレの可能性を以下の通り、わかりやすく解説されています。
2024年に登場した「ピクトレ」は、新たな概念「Contribute-to-Earn」を提示しています。これは単に活動に対して報酬を得るのではなく、社会に具体的な価値を提供することで収益を得るモデルです。インフラ点検という実務的なニーズと、市民の日常的な活動を組み合わせることで、持続可能な経済圏の創出に成功しています。
農場人さんが書かれている「アグリトレ」や「インフラトレ」は、近い将来、お目にかかれるのではないでしょうか?
<追記(2/10)>
あるやうむのたーなーさんがVoicyで私の記事を紹介してくれました。
DePINについて背景情報含め網羅的に解説した記事を見つけたので、併せてご紹介します。かなり情報量多いので本当に興味がある人限定という感じです。
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![マルセロ| 事業プロデューサー](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/110569032/profile_585cc8bcf28b898f1f4842434f22f780.png?width=600&crop=1:1,smart)