この1か月どっぷりNFTに浸かって理解したことをまとめてみた(後編)
前編からの続きです。
前編では、私がどの様な経緯でNFTに関わる様になったかという話をさせて頂きました。
ギャルバースホルダーとなり、NMO(NFT Marketing Orchestra)で学び、古事記プロジェクトに参画。
時は5月上旬、発売を間近に控えたCrypto Ninja Partners(CNP)が話題を集めていました。当時、「NFTを売るなら海外コレクターを狙え」という定石に反し日本特化型、かつ、販売点数も22,222と突出して多い同コレクションは苦戦を強いられるであろうと予想しました。
結果は、多くの方がご存じの通りの大成功。
その後、イケハヤさん(CNP広報販売担当)、ロードさん(CNPオーナー)も参画するNMO内で様々な成功要因分析がなされました。
低価格で初回購入のハードルを下げホルダーの裾野を広げる
発売後も販促活動を継続し2次流通を促す。初期販売ではなく、2次流通でのコミッションでマネタイズ
日本特化型、コミュニティードリブンという新モデルの構築
主要コミュニティーメンバーが「オーナーシップ」意識を持ち、主体的に動くことで成果に繋げる仕組みと仕掛け
このCNPの成功も踏まえた上で、今後のNFTの可能性について個人的な考察をさせて頂きますと、以下5つのパターンで発展していくと考えます。
アートとしての価値で勝負する1点ものNFT
ジェネラティブ(AIツールを使った大量発行コレクション)
パスポート型NFT(会員権/オンラインサロン)
GameFi NFT(アクシーインフィニティー、STEPN等)
証明書型の譲渡不可NFT(Soulbound token)
1.については、特に説明は不要と思います。純粋に好きな作品を所有して楽しむ。実は従来の絵画にも所有して鑑賞する以外の役割があると、先日友人のコレクターから聞きました。節税対策(米国)、マネーロンダリング(中国)だそうです。
2.は古くはクリプトパンクス、ボードエイプ(BACY)。直近ではギャルバースやCNPと現NFT市場における主流の手法。元々は、多くの人が購入し転売を繰り返すことで資産価値を上げていく投資商品。
その価値向上をサポートする目的で「ユーティリティ」という概念が開発されていった。ハッシュマスクスでは命名権、BACYではホルダー専用コミュニティー、二次創作権、新たなNFTのプレゼント(エアードロップ)等。
ギャルバースの場合は「アニメを作る」をロードマップ(公約)として掲げ、その応援者をNFT販売を通じて募った。ファウンダーの草野絵美さん曰く「ロングタームのクラウドファンディング」。NFTホルダーには、アニメ制作に部分的に関与出来たり、様々なイベントに参加出来たりというユーティリティが提供されている。
CNPは前述の通り、「コミュニティドリブンの日本人特化型」という新しいモデルの構築に成功した。
3.はまさにNMO。キンコン西野さんもパスポートNFTを発行され、今後、オンラインサロンの進化版として定着していくものと思われます。また、1点もの/ジェネラティブのNFTがパスポートを兼ねているというハイブリッドモデルも浸透しつつあります。
4.は従来のゲーム内アイテム(ファイナルファンタジー等)がNFT化され、換金可能な資産価値を持つようになった。アクシーに代表されるM2E(Play to earn)、更にそれを進化させたSTEPNに代表されるM2E(Move to earn)。直近ではフルオンチェーンNFTゲーム:Isekai Sagaが話題となりました。
5.はブロックチェーンに履歴が刻まれ、分散所有され、改ざんが困難であるというNFTの特性を活用した全く異なる事例。学位や資格の証明書として利用されるので譲渡不可。将来的には、マイナンバー等もSBT化され、ウォレット認証するだけで役所の諸手続きが完了という便利な時代が来るかも知れませんね。
最後に、こうしたNFTの提供価値を考えずに安易にNFT化して失敗した事例については、こちらのももクロNFTが分かり易いのでご紹介します。
以上、現時点での考察です。動きの速い業界なので、3か月後には全く異なる状況かも知れません。それも含め、歴史の1ページとして本記事を書かせて頂きました。