
偽物の影響力 vs 本物の影響力 Duolingoのマーケティングから学ぶ
先日、スタエフ人気配信者の五十嵐花凛さんが、「偽物の影響力 VS本物の影響力(売れ続ける秘密)」という放送をされていました。
「影響力の魔法」金沢景敏著を引用し、
偽物の影響力:恐怖心を煽り強権的に相手を動かす
本物の影響力:相手が自ら行動したくなる様、動機付けを行う
偽物の影響力は、短期的な効果は得られるが、「無理矢理やらされた、買わされた」という気持ちが残ってしまい、中長期の信頼関係は築けない。
一方、本物の影響力は、手間もかかるし、効果を発揮するまでに時間を要するが、本人が納得し自発的に動くため、効果が長く持続する。
「EQこころの知能指数」の著者としても有名な米国の心理学者、ダニエル・ゴールマンは「6種類のリーダーシップスタイル」を提唱しています。
ビジョン型
コーチ型
関係重視型
民主型
実力型
強制型
強制型(≒偽物の影響力)は、強制的に指示命令する厳格なリーダーシップスタイルである為、迅速な意思決定や対応が求められる緊急時には効果的。
一方、これを長期間続けると、チームメンバーは指示待ち、思考停止となり、人材育成や組織力向上に繋がらない。そもそもモチベーションが保てない等のデメリットが大きくなっていく。
※リーダーシップ論に興味のある方は、こちらの「HRドクター」の記事がわかりやすいです。
影響力/リーダーシップを受け手側の視点から構築された理論がマクレガーのモチベーション理論(X理論・Y理論)。
X理論:人間は本来仕事をするのが嫌いであり、強制や命令がないと働かないと捉える
Y理論:仕事をするのは人間の本性であり、自ら設定した目標に対しては、その報酬により積極的に働くと捉える
そして、この放送を聴いた後に目にしたのが、米国の言語学習アプリDuolingoの最高マーケティング責任者マニュー・オーサード(Manu Orssaud)氏の日本講演に関する記事。
オーサード氏は、Sony Playstationでゲームマーケティングを、Spotifyでグローバルマーケティングを経験。その知見を活かして、Duolingoのマーケティング戦略を立案。
従来、地味で苦痛であった語学学習を「ゲーム感覚で楽しく学ぶ」というゲームチェンジに成功。
マーケティング指標としても、認知率や新規ユーザー獲得数と共に「デイリーアクティブユーザー数」を重視。単に、ダウンロードだけさせても、使ってもらえなければ意味がないということ。
冒頭の花凛さんも、先日の「あげ花セミナー」にて「死んだリストは役に立たない」という話をされていました。
そして、「本物の影響力」に通じる話として、下記をご紹介して締めたいと思います。
「広告は過去の時代のもの。やはりマインドセットが変わってきていると思うんです。人々は売りつけられるのに疲れている。求められているのは、本物の、信頼できるブランド、そして何かを売りつけようとしないブランドです。それはまさにDuolingoがやってきたこと。
自らのストーリーを伝え、人々の笑顔を作り、売りつけることはしない。そして人々が学びたいと思ったときにブランドを思い出してもらう、そんなアプローチを取っています。こうすることでエモーショナルな繋がりができると思っているんです」
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