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武士コンペティッションを終えての総評

こちらのnoteで何度かご紹介した武士コンペティッション(武士コン)に昨日、参加して来ました。武士コンって何?という方は、こちらの記事をご覧ください。

当日の様子は、いろんな方が発信されていますので、いくつかご紹介させて頂きます。他の方の発信も、是非、探して視聴してみてくださいね。

<参加者編>

■わたしはるかさん

7名の登壇者の講評が簡潔、かつ的確に語られています。

■かおるさん

自身が響いたプレゼンを中心に感情豊かに語られています。

<登壇者編>

■ちあきさん

完璧なプレゼンの舞台裏、秘めた感情が溢れだした発信。

■エリィさん

これを聴いて、そういうことだったのかとすべてが腑に落ちた発信。その意味は、後述します。

プログラム構成、リアルタイム投票システム、棟梁花凜さんの極妻風の衣装、ユーカリさんのストレングス講評、よしこのプロ顔負けの司会等。色々とコメントしたいこと盛りだくさんですが、そこは他の方にお譲りして、私は7名のスピーチの講評に絞って解説します。

その前に投票システムと本前の順位のおさらいです。

投票は事前投票とスピーチ後の会場投票があり、合算の得票数で順位が決定。事前投票は、一人何票でも投票可能。会場投票は、ひとり1票。ただし、主催者の花凜さんは10票を握っています。

つまり事前投票の結果をベースに、当日、会場の63名+花凜さんの10票で最終順位が決定するという仕組みです。

事前投票の状況はというと、最終の中間発表(1/17昼)時点での順位は以下の通り。

1位:あっこさん
2位:ちはるさん
3位:Sakurakoさん

この順位は、前回の中間発表時から変更なし。投票締め切りは、最終発表の12時間後ということで、誰もがこれで本番を迎えると信じていました。

ところが、当日、会場で発表された事前投票の最終結果は、以下の通り。

1位:ちはるさん
2位:Sakurakoさん
3位:あっこさん

最後の12時間で、ちはるさんとSakurakoさんが大きく票数を伸ばし、本命と目され1位を独走していたあっこさんが、まさかの3位陥落。ちはる陣営とSakurako陣営が、最後の最後に仕掛けた結果、大どんでん返しが起きたということです。

という大波乱で迎えた本番。7人の武士たちが5分間で自分の生きざまをプレゼンテーションし、その後、リアルタイム投票にて順位が決まります。

ここで、7名の武士たちを一言で表現すると、以下の通り。あくまで、私の主観です。

  • ちあきさん:努力の人

  • エリィさん:癒しの人

  • あしもさん:覚悟の人

  • おはまさん:苦労の人

  • ちはるさん:戦略の人

  • さくらこさん:度胸の人

  • あっこさん:表現の人

ここから先は、かなり踏み込んだ講評を行いますので、意図しない人に届いて誤解が生まれることを避けるために有料とさせて頂きます。

■最も完成度の高かったプレゼンテーション

これは、トップバッターのちあきさん。苦労して入省した憧れの外務省。3度の海外勤務を経て、全身全霊を捧げて頑張った外務省を、先日、卒業。その葛藤とTOEICコーチとして生きていく決意を語った内容。

カンペなし。スライドを切り替えるタイミング、間の取り方、ボディーランゲージ。すべてが考え抜かれ、相当の練習を重ねて仕上げてきたことが一目でわかる完成されたプレゼンテーション。

冒頭、ハリーポッターの引用から始まり、オバマ元大統領の「Yes, We Can!」で締めるという構成。ハイスペ女子、かくありきという圧巻の出来栄えでした。

最も注目の集まるトップバッターという重圧を跳ねのけ、文句のつけようのない素晴らしい仕上がり。世界を股にかける外務官僚の実力をまざまざと見せつけました。

帰り道、「やっぱり、そもそものスペックが違うんだよね」という会話の中で、私は「もちろん、ハイスペックであることは間違いないけれど、これは、相当な練習を重ねた結果だと思うよ。他の誰よりもたくさん練習しているはず」とコメントしました。

まさに、冒頭で紹介したちあきさんの放送にて、練習とブラッシュアップを重ね、プレッシャーに押し潰されそうになりながら本番を迎えたことが明かされています。

■表現者として格の違いを見せつけたプレゼンテーション

これは、最後に発表したあっこさん。あっこさんは、4歳と1歳を育てるワーママ。現在の職場を今年6月に退職し、自分業を始める予定。

あっこさんは、自称、スキルなし、資格なし、体力なしのもやもや会社員ワーママ。これまでの人生は、まわりの期待に応える優等生として生きてきた。自分の意思よりも周囲の期待を優先する人生。

音声発信を始めたことで、本来の自分に出会い、自分の気持ちと向き合うことができた。そして、安定を捨て、自分らしく輝ける自分業に挑戦することを決意したという内容。

あっこさんは、上述の通り、自称、取り立てて他人に誇れる特徴を持たない平凡なワーママ。ところが実際は、音声配信サービスのスタンドFMで700人超のフォロワーを抱え、「スタエフの女王」とも呼ばれています。

特に有益性はないけれど、共感性の高い発信を通じて、ファン化が進んでいる。まさに、ファンビジネスのお手本のような事例。

それを象徴するのが、あっこさんの登場シーン。他の登壇者は、「頑張って」というエールに包まれての登場に対し、あっこさんの時は「わぁー」という歓声が上がりました。まるで、お待ちかねのアイドルが登場したかのごとく。

会場が一瞬にして、華やかな空気に包まれる。長身ですらったしたモデル体型に整った顔立ち。そして、テーマカラーである鮮やかなブルーのチャイナ風ドレスを纏い、腕を広げると、ひらひらとした飾りが孔雀の様に広がる。さながらジュディオングの再来と言いたいところですが、これは私より上の世代にしか通じませんね。

プレゼンテーションの中身も素晴らしかったのですが、何より、話を始める前から、「素晴らしいプレゼンが展開されるに違いない」という空気を一瞬にして作り出す才能。

これは、努力して身につくものではないので、他の登壇者からすると、ある意味チートであると羨ましがられる才能の持ち主と言えます。

本人は「自分には、他人に提供できるコンテンツがない」という悩みを語っていますが、この才能があるのであれば、必ずしも自分のコンテンツである必要はなく、他人の商材を売る。あるいは、BtoBの営業として活躍する等、様々な展開が考えられます。

■最も隙のないプレゼンテーション

これは、私が推しているちはるさん。事前投票1位というアドバンテージもあり、終始、危なげのない安定感のあるプレゼンテーションでした。

自分へのお手紙というテーマで、未来の自分が過去の自分に語り掛けるスタイル。どんなに頑張っても低収入から抜け出せない福祉業。そこで、一念発起して百万円を超える自己投資をして副業を立ち上げることを決心。不安に震える過去の自分に対し、あなたは成功するから安心してと語り掛けるという仕立て。

どのように副業を育てていったのかが語られるのですが、その中で、「大好きな彼と一緒に過ごしたかった」というキュートな一面も。

そして、このプレゼンテーションに「隙がない」のは、手紙を読み上げるという設定なので、堂々とカンペを見ながら話せるという点。

もちろん、本人も練習を重ねて臨んでいるので、話す内容は頭に入っているのですが、万一、緊張で飛んでしまった際にカンペを見ることができるというのは、安心感が違います。

内容もよく練られていて、説得力があり、かつ、共感性も高い。彼氏のエピソードでは笑いもとった。安定感抜群の隙のないプレゼンテーション。

これが、通常のビジネスコンテストであれば、ちあきさんか、ちはるさんかで決まっていたでしょう。

ところが、今回は「生き様」がテーマ。したがって、完成度や説得力とは全く視点の異なる、「どれだけ感情を揺さぶったのか」が評価に大きな影響を与えます。

この点において、より、感情を揺さぶることに成功した刺客が現れました。

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