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【News Picks】地方×パラレルで実現。新しいキャリアデザインと経済再生がDAO活そのものではないかという話

こちら、ひと妻DAO代表のこばやしさんに教えて頂いて拝聴しました。

キャリア形成や収入源の複数化の点から副業に関心のある都会のプロフェッショナルと、人材不足に悩む地方企業・自治体のマッチングに最前線で取り組まれている方々のセッション。

以前、平田麻莉さん(プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会代表理事)の記事に、こばやしさんと共に感銘を受けた経緯があり、速攻で視聴しました。

同協会におけるフリーランスの定義は以下の通り。

特定の企業や組織に専従しない、独立した形態で自分自身の知見やスキルを提供して対価を得ている人

これからの社会では企業の寿命はだんだん短くなり、個人のプロフェッショナルとしての寿命のほうが長くなる。だからパラレルキャリアは副業とは違い、自分の持っている力を、組織を超えて、ネットワークを使っていかに社会貢献していくかということですね。

(中略)

協会でも「複業」と、いわゆるサブの意味の「副業」を使い分けています。フリーランスはもともと複数の顧客と取引しており、業務の配分は顧客のタイミングや状況、自分のキャリアステージやライフイベントによって常に変わっていきます。どちらかがメインとかサブではなく、戦略的にポートフォリオを分散している。

この考え方が、極めてDAO的である。特にキャリアの一時中断を余儀なくされているメンバーが多数在籍するひと妻DAOにはフィットするのではという話で盛り上がった。

今回、そうしたパラレル(複業)人材を「越境人材」としてプロフェッショナル不足に悩む地方企業にマッチングさせることに商機ありという話が展開された。

現在のフリーランス人口は462万人(コロナ前の最新統計)。フリーランス協会の会員数は昨年末で8万人超と活況を呈している。

背景としては、テクノロジーの発展で副業・独立の敷居が下がったことに加え、政策的に副業を推奨していることも後押し。

もうひとつは、少子化による労働人口減少が特に地方では深刻化しており、「都会の優秀な人材をシェアする」という切実なニーズが生まれていることが挙げられる。

番組内で紹介された下記図解がわかりやすい。

番組内で紹介のスライドより作成

と一見、メリットしかない越境人材マッチングであるが、成功させるにはコツがある。特に受け入れ企業側には、以下の4点が重要であると平田さんから紹介があった。

1.やりがいや地域貢献に繋がるミッション/ビジョンを言語化して伝える
2.成長や実績に繋がる経験の提供
  →実績がポートフォリオとして履歴書に書ける
3.必要な情報にリアルタイムでアクセスできる様なインフラの整備
4.地域の人々との交流機会の提供
  →地域にとっても関係人口創出になる

これを聞いて思ったのが、まさにDAO活動と同じであるということ。参加メンバーは、プロジェクトを通じた交流自体を楽しみつつ、実績を今後の活動(DAO内外の)に活かしていきたいと考えている人が多いのではないか?

「熊本の企業が越境人材としてエンジニアを受け入れて、成果に繋がった。女社長がそのことを地場の社長コミュニティで紹介したところ、他の企業からも、どんどん依頼が舞い込んだ」という事例も紹介された。

これも、まさにDAOで起きていること。例えば、Web3エンジニアのむなかたさん(通称、むなかた総理)は、先日、依頼に応えきれないので副業ではなく、会社を辞めて、今後は本業として取り組んでいくと発表があったことは記憶に新しい。

平田さん以外の参加者からも様々な事例の紹介があった。失敗事例で多いのが以下の2点。

1.越境人材が「都会が上、地方が下」という上から目線で評論家気質
2.受け入れ企業が「とにかく来てくれ」と期待値が曖昧

どんなに事前に精査をしてもミスマッチを完全に防ぐことは難しい。「先生扱いも、下請け扱いもしない。チームのパートナーとして扱う」ことが重要であると。

更に、平田さんは「ミスマッチが起こっても大丈夫なのが越境人材のメリット」と解説。本雇用後にミスマッチが起きた場合は深刻であるが、越境人材であれば、相性が悪い場合は代替も比較的容易。

また、越境人材にたいするアドバイスとして、

・自分のキャパシティーを見極め、適切に仕事を受ける
・期待値を上手にコントロールする

期待値を上げ過ぎて、オーバフローしてしまうと、結局、期待に応えられず、貴重な「信用資産」を傷つけてしまうことになる。

「お酒と一緒」という例えで会場も盛り上がっていました。苦い経験をして身体で学ぶというやつです。

この「信用資産」「期待値コントロール」という考え方は、DAO活にもそのまま活かせそうです。

「WillとCanの交差点を見つける」

こちらは、平田さんが常々おっしゃっている言葉。

パラレルワークには、以下の様なメリットがある。

1.金銭報酬
2.人脈・ネットワーキングの拡大
3.心理的報酬(やりがい、自己実現)

その中で、世代によって期待値が異なるという話が興味深かった。

・若年層:裁量権が大きい(会社では歯車と感じている)
・中堅層:自身の専門性を深めキャリアアップに繋げる
・シニア層:セカンドキャリア準備。社会の役に立てている実感

これは、本業としての企業側にとっても注目すべき内容と思われる。会社として戦略的に社員に「複業」体験をさせることで、若手にはモチベーションを与えられ、シニアにとってはセカンドキャリア支援にもなる。

特にシニア層は下手に「飼い殺し」状態にしておくと、本人の貢献度が低くなるだけでなく、周りにも悪影響が出るので、この様な形で活躍の場を与えるのは、皆にとって幸せなソリューションになるのではと思う。

今回のセッションを通して再発見したこと。それは「DAO活は越境人材育成」であるということ。

専門スキルやコミュニケーション能力を活かしてDAOで活躍している人材は、「越境人材」として即戦力で通用する。

既にDAO活をしている方々は誇りを持って。まだの方は、これを機会にDAO活を始めてみては如何でしょうか?

<関連リンク>

金融庁が運営する地域経済活性化支援機構(REVIC)

<追記(11/28)>

Voicy、note、書籍等で幅広い発信活動をされている地方創生のプロ、木下斉さんが、極めて近い視点で解説されていたのでご紹介致します。


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