見出し画像

【1日目】つっぴょん巡礼の旅

かねてから計画していた、フォロワーで鍼灸師のつっぴょんの家を訪れることとなった。
つっぴょんの家は遠い。私は元子Jr.(娘)を連れて在来線を乗り継ぎ、新幹線に乗った。彼女はどんな人なんだろう。遠方から来るのだがら一泊ではなく二泊くらいしていけと言い、しかもそれは私たち親子だけでなく他のメンバーにも言ってくれているのだから、いい人なのは確かである。まだ見ぬつっぴょん像を想像しながら、移りゆく車窓からの景色を楽しんだ。

新幹線に乗るのは100万年ぶりだ。元子Jr.だけでなく、いい年した私までワクワクしていた。そして我々親子はとても食いしん坊なので、車内で食べる駅弁を楽しみにしていた。Jr.に買い与えた駅弁はこんなのである。

ハローキティ新幹線弁当


新幹線型のお弁当箱を開く。どうやら食べきったお弁当箱は、プラスチック製なので洗って再利用できるらしい。

中身はキティのかまぼこと錦糸卵が乗ったチキンライス、ハンバーグ、ウインナー、枝豆、たまごやき、ゼリーなど。それと、可愛いキティのシールが付いていた


新幹線を降り、在来線に乗り、無事につっぴょんの最寄り駅についた。つっぴょんからは、駅のそばで車を停めて待っていると言われていたので、その前に化粧直しをしようとトイレに行くつもりであった。しかし、改札の向こうからこちらをじっと見ている女性と目が合った。私の実名で声をかけられたので私もつっぴょんの実名を言って返した。おおお。本物のつっぴょんだ。もうずいぶん前からnoteやメールでやりとりしていたのに、やっと顔と名前が一致させられることが出来た。嬉しくてたまらない。初対面なのに初対面な氣がしない。私たちは敬語とタメ語を織り交ぜながら、好き放題におしゃべりを楽しんだ。化粧直しはできなかったけど、もうそんなことはどうでもいい。どうせ暑いし化粧はすぐまた崩れる。元子Jr.も興奮して大人の会話に割り込んでは、自分勝手におしゃべりをしていた。

つっぴょんの車に乗せてもらい、我々親子はつっぴょん宅へ向かう。美しい一戸建てで駐車場が広く、私の期待を裏切らなかった。ワクワクして家にあげてもらう。屋内には一般家庭のようにLDKや和室、それぞれの個室があるほか、鍼灸のお部屋があった。私がすごく楽しみにしていた瞬間である。


木質感があるフローリングで、温もり溢れる室内だった。とても安らぐ雰囲氣で、心地よい



ここ痛いでしょ。ここは。ここもダメでしょ。つっぴょんは私の体をあちこち触れながらダメだしをする。さらに鍼を刺し、お灸を据える。ダメなはずだ。私は今年の二月に右足を捻挫して、さらに8月には左足を捻挫している。その間に風邪を2、3回ひいて、芋づる式に喘息発作も出た。中耳炎もあった。元からの関節の硬さもあって、膝も悪いようだ。消化器官も疲れているらしい。自分は見慣れた体だが、あちこちおかしな造形らしい。刺絡(鍼)をされて特に痛いと思った経絡は胆経、腎経、肝経だった。


私は時々絶叫しながらも、つっぴょんの施術を全力で受け止めた。つっぴょんの指の腹は丸くてふっくらしていて、さらに温もっていてしっとりしているので、触られるだけでとてもとても氣持ちよい。もともとドM氣質がある私はつっぴょんの容赦ない責めに恐悦至極であった。


クラシカルでレトロな戸棚にはさまざまな鍼や灸がぎっしり並ぶ



さて、一番乗りで到着した我々の後に、はるぴょん親子とちろりん、のとにゃんもやってきた。彼らもつっぴょんからきめ細かな指導を過去に受けていた。私は、はるぴょんとは初対面だったので嬉しかった。彼女は人を不快にさせない、癒しオーラとユーモア全開な人である。もう2年も前からnoteでは仲良くやり取りをしてきたので、ようやく本人と会えたのは感無量だった。

はるぴょんのところの可愛い娘ちゃん、はるぴょんJr.は、うちの元子Jr.と歳が近く、早速2人で仲良く遊び出した。女の子2人だと話が早いのか、プリキュアやすみっコぐらしのおもちゃを持ち寄って遊ぶ。さらに連中は体力が有り余っているせいか、せっかくつっぴょんが用意してくれた沢山の布団の山を壊し、バランスボールにビヨンビヨン乗って部屋を散らかし放題にしてしまった。見ていると、はるぴょんJr.の方がお姉さんなのもあり、穏やかで控えめで聡明だ。一方、元子Jr.はけたたましくて自己主張が激しく、完全なる構ってちゃんである。対照的な二人は、割とうまくやっているらしい。それぞれの母親に似たんだろうなと理解し、苦笑した。

「本当はバーベキューがやりたかったけど外が猛暑だからやめよう」というつっぴょんの気遣いで、近所で評判の中華屋さんでお惣菜をとってもらった。これがまた美味しかった。ビールで乾杯したら、その美味しさは格別だった。わんこ番長も遅れて到着し、宴に合流した。

ボリューム満点の麻婆豆腐と餃子、チンジャオロース。大ぶりの餃子は肉汁が多くジューシー。つっぴょんが漬けてくれたきゅうりの粕漬けや水茄子、ほかほかの白ごはん、一番搾り等が食卓に並ぶ


お皿に移そうとするつっぴょんを制止して、パックのまんま食べようと提案した。さらにそのパックの蓋部分が邪魔だからと、ちろりんがキッチンバサミでじょきじょき切り始めた。こういう誰もが快適にできるような心配りを自然にできるちろりんには、尊敬しかない。

その後、私とはるぴょんは、娘らを寝かしつけることにした。ほかのメンバーが楽しく大人同士のおしゃべりを楽しんでいるので、早くリビングに戻りたく、がんばって取り組む。しかしながら、元子Jr.の方がなかなか寝ない。興奮しているのか。1度、寝ただろうと思ってはるぴょんとこっそり起きて、寝室から脱出しようとするものの、元子Jr.がむっくり起き上がってしまった。我々母親連合はまるで申し合わせたかのように、イルカのように体を仰け反らせて布団へダイブし、寝たふりを再開した。もうここからは祈るしかない。私たち母親は早く宴の席へカムバックしたいのである。寝落ちしてたまるか。無駄に朝を迎えてたまるか。ようやく元子Jr.が寝付いたのは、消灯から約2時間後であった。

そこからは最高のひとときだった。もう子ども達はいない。大人の夜遊びタイムである。リビングでおつまみを囲みながら酒を飲み、大人同士の語らいを存分に楽しんだ。そう。これだよ。大人同士で夜更かしをする。山奥の旅館とかに泊まってみんなで酒飲もうと、二年前に言い合っていたことが実現した。これがやりたかったのだ。これを待っていたのだ。

さらにつっぴょんが私以外のメンバーをそれぞれ診ながら、鍼やお灸をし始めた。体に悪い宴会をやりながら、体に良い鍼灸を同時進行するという矛盾がまた面白く、そんな状況が心から楽しかった。あなたは足が悪いとかあなたは目にダメージがあるとか、不眠気味だとかストレートネックだとか言って、つっぴょんはあれこれ処置をする。

辛抱強いはるぴょんはよほど重症なのか、足の裏に鬼のようにシール灸を据えられていたが、なかなか熱いと感じられないらしく、むしろ氣持ち良さそうにうとうとしていた。日頃から体力があり、体がとても丈夫で我慢強いわんこ番長は、つっぴょんの洗礼とも呼べる刺絡を足指にされてしまい、阿鼻叫喚していた。のとにゃんは「おそらく小学生のときに車に足を轢かれた」と、恐ろしい過去を曖昧にしか覚えていないことをさらっと言い、足の甲に大量のお灸と鍼を施された。誰よりも学習能力が高いちろりんはつっぴょんの話を頷きながら聞き、つっぴょんのサポートをしていた。ちろりんはつっぴょんの指導のおかげで体の不調がとても良くなり、さらに自分でも積極的に学び、それらを全て自分のものにしていっていった経緯がある。もはや、この「倶楽部・鍼灸」のつっぴょんママの右腕は、ちろりんチイママであると言っても過言ではない。

てんやわんやな様子を見ているのはとても楽しかった。最初はもふにゃんJrさんのフォロワー同士で、それ以上も以下もない間柄だったのに、いつの間にやら酒飲んで笑って鍼灸しあって、夜更かしをする仲にまで発展した。

この晩、我々がリビングから解散したのは深夜2時半ごろだった。私とはるぴょんは子連れなこともあって同室だったので、その後も暗い中で布団に横たわりつつ、2人で会話を少し楽しんだ。さらに、真面目なはるぴょんが小声で「おならしたらごめん」と言うので、私も厳格そうな声を装って「寝言言ったり叫んだりしたらごめん」と言い返した。こんなやりとりをしていると吹き出しそうになるが、Jr.達が起きてしまうのでそれもできない。やがて眠氣に勝てなくなり、私は寝落ちしてしまった。

以下へ続く