厄年の年始にTwitterでバズって絶好調のスタートダッシュを切った話

バズった。


人生初バズりした

だからといって特にこれといった感情は出なかった。びっくりするほど出なかった。
どれぐらい出なかったかって、

こんなこと言ってるぐらいには無感情だった。
なんなら毎秒毎秒スマホがバイブレーションしてるのを横で見ながら仕事していた。
でもまあ、人生初の経験を放置しておくのも勿体ないし、まだ記憶が新鮮なうちに備忘録しておこうと思った記事です。

経緯

1月2日、羽田空港で飛行機が衝突しているのを田舎特有親戚大集合宴席で見ていた。
したらTwitterで宇推くりあ(https://twitter.com/clearusui)氏が関連する内容として、電波法59条について呟いていた。
というのも、事故当時の羽田空港の航空無線の内容をTwitterで呟いてバズっているツイートに関する苦言のようなものだった。

…だったんだけど、くりあお姉さま、まさかの「あけおめツイートしてなかったから」という理由で1月2日以前の年始ツイートを全部消しているので魚拓が無い。言ってたもん!

関連するツイートでも、次のような内容で呟いてプチバズ(当時)している人がいた。

これらを見て、自分もつぶやきたくなった。専門分野に関する内容なので、脊髄反射で鳴いた。皆さんは頭を使ってTwitterしよう。
呟いたのが午後8:17分、自分のTLは基本的に技術者の皆様で構成されているので、数RTと10数いいねぐらいが付いた。
大体1時間ぐらいで昔からの仲の航空系オタクからFFからリプがついたりしていた。身内内に無線技術者は1人だけで、ソイツからもリプが付いたぐらい。

翌日朝

とりあえず起きてTwitter見たらなんかいっぱい通知来てた。

この時点ではプチバズりといった具合。
付いていたリプもFF外の無線技術者らしき人や、無線趣味らしき詳しい人たちだった。

おそらくインプレッション数に比べてけっこうリプが付いていたのだが、その要因は本ツイートの主題である「電波法59条」の解釈が分かれることにある。
自分はこの「電波法59条」を守っている人が少ない旨をツイートしているのだが、「そもそもこの人(=ツイ主:みのる)が言う内容では電波法に違反しない」とする主張があり、最終的に炎上とまではいかずとも煙が燻ぶる程度にまで至った結果のバズとなった。
解釈云々についてはまとめて後述します。

とにかく、この時点ではもう伸び無さそうな雰囲気もあり。
付いていたリプライに返信する余裕があったので、意思疎通が怪しいものとかイマイチ話がかみ合ってなさそうなもの(スパムを除く)全部に返信していた。


というのも、自分はバズ自体に大した価値を感じるツイ廃でもなく、むしろこんな内容で伸びられても自分のTwitter運用目的を考えれば何の旨味もないので拡散を止めたかった。

じゃあどうやったら拡散を止められるか

嫌な感じの人を演じればいいじゃん!

ということで、FF外にも関わりなく反応したアカウント全部に積極的に絡みに行った。
これは俺が始めた物語だが、うっかり覗いて反応してしまったんなら同罪だ。一緒に地獄に落ちようや。
あと普通に知見になるから専門家とは話したいし。

あと宣伝ツイートもぶら下げた。自分自身は大して気にしないが、世の中にはバズツイの下にツイ主の宣伝がぶら下がってると気に食わない人たちもいるらしい。難儀すぎる。
あ、皆さんウチの同人誌買ってください。メロンブックス様で委託します。

そんなこんなであの手この手で出しゃばって拡散対策をした。といっても気休めというか、この日の午前は実家でのんびり仕事する予定だったので軽い息抜きだった。

午前~午後

通知が止まらない。

何故だか分かんないが、9時~12時ごろにかけて大体700RT2000いいねぐらいに到達していた。

なんでか分かんないけどずっと通知止まらんし数字は伸びる。
そして流石に焦り始めた。


Discordでオタクたちに嘆く図

自分は一応電波を専門としている人間だし、これまで飛んできていたリプにも(通知がきている範囲は)全て反応していたが流石に対応しきれず。
頭のいい話を各方面から一斉射されても対応できないよ~という嘆き。実際今こんなことに頭使ってる場合ではないので、そっちにソースを割きたくなくなってきた。

段取りのある会話ができないリプに対する対応はもう嫌になっていて露骨に当たりが強くなっている図

最終的に捨て垢とは思えない丁寧な文体の反論意見に対応した後は面倒になり、また効果も薄そうなので全リプを辞めた。(丁寧と言っても反論を複数ツイートで述べている最中に反射的に反論してきているのでイマイチ対話がうまく行っていない。)
面倒というか、午後からは普通に用事があった。

本厄なので大真面目にちゃんとした厄除に行ってきた。
実際厄年みたいな新年だったし。

夕方~夜~収束

厄除前後は流石に多少通知量が気になったりしていたが、気にするだけ無駄なのでラーメン食いに行った。

そしてご意見全部に返事しない旨を言ったりした。

ちなみに夕方にかけて反論意見が多く若干自信を無くしている。
この後賛同意見が増えて最終的に同率ぐらいになっている。
この時点ではもう焦りも面倒も通り越し、一週戻って無感情になった。厄除の効果だろうか。

帰宅後普通に実家でぐーたらしてたら、正月にも関わらずDiscordでゲームしてるオタクたちが本人がいないのにも関わらず話題にしていた。


貼った人「カスい嫌味やな」


当の本人の反応

ちなみに自分は2級アマチュアと2級陸特持ちなので、どうせアマと言えばアマである。


あとリプ欄に沸くスパムだかインプレゾンビだかを探して遊ばれていた。

んでこの頃になると反論意見も肯定意見も粗方出揃っただけでなく、RT数もいいね数も現在の数字程度に落ち着いていたので自分個人の声明や意思表明による議論の収拾は不可能と判断。
幸い今のTwitterにはコミュニティノートという便利なものがあるし、この規模のツイートになれば付いてもおかしくないので、本ツイートに関する正誤判断は第三者に任せることにした。

元より自分が第一発信者ではなく、他のインフルエンサーが発言されているのを見てツイートした結果相乗効果でバズってるようなものなので、たとえこのツイートがあろうがなかろうがどこかで議論は勃発してただろうとも思う。

あと一応現在(1/8)の数字について魚拓を取っておく。
現在もまだ時折反応が来るし、数字の増減もあるので。


そしてその後、テレビ放送版の青春コンプレックスを聞いて寝る頃には最盛期は終わっていた。

ぶっちゃけTwitter見てる暇があったらぼっち・ざ・ろっく!を見てほしい。
もしくは1/1に再放送してたユーフォでも見ててほしい。

1/4~

その後は2日ほど反応が続いたものの、大規模な拡散はなかった。とは言いつつも、1/3の大拡散時よりも50RT100いいねぐらいは増えている。
1/8現在もまれに反応が来る。現にこれを書いている今も1件いいねが来た。
あとざっくりな記憶だけど、大拡散される1/3の午前中まではRT:いいねが1:3ぐらいで推移していたが、午後以降は1:2程度まで比率が変わった。だからといって何が分かるかは分かんない。


肝心の電波法59条の解釈について

結局これが一番の問題ではある。
今回、本ツイートがバズった原因と構造についてはわりかし明確かつ、その程度はリアルタイムで終えたので時系列で箇条書きする。

  1. 羽田空港衝突事故に関する航空無線(liveATC)を傍受した内容に関するツイート(他人)がバズる

  2. 当該ツイートは事故調査前どころか、事故当日の辞退が全く収拾つかない段階であるためやや炎上。関連する内容として電波法59条違反とするツイート(他人)がバズる。

  3. バズったツイート内には(ネット上のソースながらも)エビデンス付きのモノもあったので、同様の意見を持つ自分が同様の内容に関する自分の考えをツイート

  4. FFの技術者層で反響

  5. FF外の技術者層にも届き、反論意見(電波法59条違反に当たらないとする意見)が来る。

  6. 自分が丁寧にもリプライしてしまう。

  7. 本ツイートのきっかけとなった関連ツイートと共にインプレッション数が伸びる(推測。実際のところはわかんない)

  8. 反論意見、野次馬意見のリプライが特につくようになる。

  9. インプレッション数が伸びる。拡散の軌道に乗る。

  10. 同時に肯定意見や、やや専門外な層からの支持意見も増加

  11. 内容の専門性が高いのである程度のところで高止まりする。(野次馬が沸かなくなるというより、界隈外に飛び火しなかったと推察)

  12. 意見に均衡がとれ、発展が見込めなくなり収束

みたいな感じだと思う。それでも正直爆発的に拡散した理由は分かんないので、初期の拡散構造しか分からない。
こうして改めて追うと、バズるというよりも炎上の方が形態としては近い。爆発的な拡散が起こっている中期では、電波法59条の解釈を巡って議論や意見(という名のバズツイの向こう側に人間がいる意識が希薄なまま流行の話題に攻撃的な意見を付けてしまう私を含む我々人類の野次馬根性)がとても多く付いた。
では炎上寸前まで行ってしまった電波法59条とは何なのか。

(秘密の保護)

第五十九条 何人も法律に別段の定めがある場合を除くほか、特定の相手方に対して行われる無線通信(電気通信事業法第四条第一項又は第百六十四条第三項の通信であるものを除く。第百九条並びに第百九条の二第二項及び第三項において同じ。)を傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000131

要するに、誰かと誰かが通信している内容を言いふらしたらダメ。それだけのことだ。

ここでもう一度、本ツイートをおさらいする。

本ツイートの主張は「傍受した航空無線」と「モールス無線通信」を「YouTubeにアップロードする」ことを電波法59条違反であるから、電波法を守ってくれ、という主張だ。

このツイートは脊髄でツイートしているが、脊髄は脊髄なりに主張には根拠を付けるよう神経プロセスが組まれている。
自分がこのツイートを正として発信した根拠は次の通りだ。

1.ネット上で紹介されている判例・解答例

本記事では、過去にネット上で傍受した航空無線を動画として公開することの是非を弁護士に質問し、違法と返答された例が紹介されている。
他にも、判例として傍受自体を秘密漏洩として罪を認めた判例が紹介されている。

2.私本人が受けた講習より

私は先述の通り、2級アマチュアと2陸特持ちなので、無線に関する法律の座学は4回分受けている。
また、専攻としても無線通信系なので大学の講義で電波法、電気通信事業者法等は一通りの講習を受けている。
それらの経験の中で、航空無線やアマチュア無線の内容を不特定多数に公開する行為は違法であると認識した。

ちなみに当時もそういう認識であると発言してるので後付けじゃないよ。

3.アマチュア無線免許証に59条条文が記載されているため。


http://blog.livedoor.jp/tsutomu2005/archives/52188937.html より

こちらは個人ブログ様より引用させていただいたが、アマチュア無線4級時点の免許証から既に59条条文が記されている。
当然モールス通信が可能となる3級にも載っているし、私の持つ2級免許証にも載っているし、陸特にも載っている。
アマチュア無線の操作範囲ですらこの条文が特に強調されているので、航空無線ならまだしもアマチュアモールス無線をYouTube投稿することは違反であると捉えられる。

…と、まあ脊髄は脊髄なりに根拠があって発信している。
ではこの論に対してどのような反論・意見が付いたのか見ていこう。

意見集

これは古くからの知り合いの方。返信にもあるがliveATCは詳しくないのであまり触れていない。要するにそれは知らんスタンスだ。
ただATCのうち、ATISについては白ではないか?と考えており、実際後ほど別ツイートでご教授いただいた。


ついでに最初期にご意見くださったこの方のツイートも触れる。

このツリーの最下部でも述べているが、確かにこの方が仰るように航空無線についてはグレーではあると思う。
同時に、グレーならなるべく(YouTubeに動画上げたりなど)変なことはせず、どうしても気になるなら問い合わせれば?スタンスではあるので、基本的に違反の意識を持ったほうがいいという考えだ。

頼むから私とキャッチボールして欲しい。


返信

そんな中にもちゃんと意図をくみ取って大人に返信する人もいる。普通に尊敬する。自分はこうはなれない。

本質的だと思う。法律自体に問題がある可能性は否めない。

キャッチボ…キャ…うーん…まぁ、それはそうかもしれんけど、電波法の話ではない。

返信でも述べたが、52条に反するアマチュア無線の目的外操作となる可能性がある。
通信相手の許諾の有無も検討する必要があるだけでなく、59条では「法律に別段の定めがある場合を除くほか、特定の相手方に対して行われる無線通信」としているので、許諾の有無とか関係なしに違反となる可能性がある。

このへん。文脈読んでください。
いや、自分の文章が読みにくいのは申し訳ないんですけど、「傍受」と「傍受したものを公開する」は使い分けてるのでちゃんと読んでください。

貴重な被害者様。

俺に言うなよ。

例の捨て垢なのに文体が丁寧だけど微妙に怒りが隠しきれてない方。
主張としては「総合通信局に確認を取ったらお前の言うことは違う、あとモールス通信動画を違法な客引きのように言うのはやめろや」らしい。
これに対する返信と言うか反論は当該ツイートのツリーにもあるし、上で紹介した自分の根拠とする意見で反論できるのでここでは反論しません。

問題は「総合通信局は『アマチュア無線に保護すべき秘密はない』と言っている」との主張。
身も蓋もないことを言ってしまえば、この方は捨て垢で発言の信ぴょう性(実際に確認を取ったのか、どの総合通信局に確認を取ったのか)が薄く、仮に真実だとしても比較的身分が明らかな自分と比べて信ずるに値しないと言ってしまいそうになるが、反論してみる。

  1. アマ無線に保護すべき秘密が無い場合、アマチュア無線免許証に59条条文が記載されていることが不自然

  2. 総合通信局の電話窓口には法律に関する専門窓口が無く、電話した部署が法律に精通しているとは限らない。(https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/fees/other/commtab1/

  3. というか正月に総通が仕事している気がしない。24時間体制で動いている電波監視関連部署もところによっては休んでるor人員を減らしている可能性がある。

  4. もし本当に総通に電話して確認を取っていたとしても、正月三が日なのでまともに対応してくれている気がしない。

ということで反論としておく。呼んでないと思うけど。ツリーでも反論してるけど後出しじゃんけんは自覚してる。

知らねえよ

グレー性云々の話を参照。あとソースもないのでなんとも。ATISの話と混ざっている?

警察無線や鉄道無線など、現在は暗号化されているあたりから保護すべき内容はあったのでしょう。

ちょっと面白かったんですけど、自分まったくイライラしてないんですよね。
まぁ確かにこのツイートだけ取ればイライラしてるように見えるかもしれませんけど、その後のFFとの会話はお嬢様言葉で遊んでるし、先述の通りずっと無感情だし、

次のツイートとかデカい肉ですからね。バズツイの前後の文脈とか誰も気にしないってのはその通りなんですね。
あと微妙に論点もずれているし、59条は相手が訴訟云々関係なく、取締側(総合通信局)次第であるので関係ありません。

文章ちゃんと読んでくださいシリーズなんですけど、

勘違いした上で諭される体験をしました。

わかる。便利だよね。自分も結構自身のツイートを振り返るタイプなので。

わぁ情熱的。
ぶっちゃけどういう感情でこの程度のツイートにここまで情熱的になれるのか、これ見つけたときは結構本気で考えてました。おそらく自分とこの方ではTwitterに掛ける情熱が違うんでしょうかね…?
反論?いや、傍受自体を違法とは一言も言ってないのでちゃんと文章読んで。

ATISの話と混じっているのか、それとも自分の知らない航空無線全体に関する見解があるのか。いずれにしてもソースが無いのでなんとも
ただ今回の件のように、事故調どころか事態が起こっている最中に航空無線をむやみやたらに共有する行為は褒められたものではないと考えます。
ちなみに空港周辺でエアバンド聞いている人たちはイヤホンして聞いてますが、単純に飛行機がうるさいだけでなく周囲に内容を漏らさないためでもあるそう。

まとめ

なんか最後の方が厭らしい後出しじゃんけんみたいになってしまったけど、インターネットに言論を公開するということは顔も名前も知らない誰かに急に攻撃されるリスクを抱えているという点では自分のバズツイに来た反応と本記事は変わりませんので、全員でこのインターネット地獄に落ちよう。

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