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株主優待投資の失敗を反省「千趣会」

リタイア生活を株式投資で楽しむモト3の妄想エッセイ

千趣会の株式を購入したのは5年前のこと。カタログによる通信販売は衰退し、もうネット通販が主流になっていた。

それでもカタログ通販老舗の千趣会の株式を購入したのは、500株で4000円の買い物券を年間2回貰えるという優待利回りの良さだった。

私は376円で500株購入したので、優待利回りは4%を超えた。長いカタログ通販の低迷の中で、やっと半期の営業損益が黒字になり、株価が上昇し始めたので遅れないようにと購入した。

当時は、決算で赤字が出てもまだ自己資本比率は高く経営には余裕があるように思えた。何より、大阪市北区にある本社ビルの前を通った時、立派なビルだったのでお金持ちの会社だと思った。

そんな千趣会はなかなか黒字が定着しない。JR東日本との資本業務提携が発表された時に株価は一時上昇したが、その後徐々に下落し、現在は236円になった。

今月、会社から発表されたIR情報を見ると、社長が交代するらしい。業績改善が遅いのだから当然だとは思うが、後任が生え抜きの人だから経営能力がわからない。経営危機なのだから、よそから再生請負人のような辣腕経営者を招聘すべきだと思ったり、、、。

本社を売却することも決定された。財務状況が厳しそうだ。いつまでもお金持ちの会社ではいられない。「再生計画」が発表された。また、公認会計士等の異動も発表された。

JR東日本との提携の解消も発表された。解消の理由は「提携により一定の成果が得られたので、今後はそれぞれ独自の経営戦略で柔軟に推進する」ためらしいが、この解消理由を鵜吞みにする人は少ないのではないか。

2024年度の決算も発表された。減収で赤字は継続しているものの、業績は改善しているとのこと。重点施策の振り返りが興味深い。「収益改善や共創は多くの点で期待通りの成果をあげることができた」

振り返りは良いことばかりではなく、「出来なかったこと」や「不十分なこと」を挙げて、その理由を解析し、対策計画を合わせて発表してほしいと思った。

私が工場で働いていた頃は、「振り返り」による反省と対策ばかりであった。PDCAの管理のサイクルを上司や先輩から厳しく指導された。だから、そのストーリーに合わない話は納得しにくいのである。

さらに資料を読んでいくと「経営課題と対応方向性」という項目があり、主要ブランドであるベルメゾンをマルチターゲットから団塊ジュニア世代にフォーカスする戦略らしい。

立派な戦略なのでぜひ成功させてほしい。私は「商売の本質は顧客の欲しいものを提供すること」だと思っている。どう売るかも重要だが、何を売るかが大切だ。

妻は千趣会を利用しているが、「ユニクロより少し高くてもいいから、ユニクロにはないものが欲しい」と言っている。

もう財務に余裕はない。次の再生3か年計画はもうないかもしれない。時々本社の前を通って心の中で応援したいと思う。千趣会、頑張れ!
<了>




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