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「元永定正展」を観に行った

リタイア生活を株式投資で楽しむモト3の妄想エッセイ

今週、「元永定正展」を観るために、三重県立美術館へ行ってきた。私は、元永定正という名前すら知らなかったが、妻が観たいとのことで二人で行くことにした。

元永定正は、伊賀上野の出身である。戦争中に有名な画家が伊賀上野に疎開し、その縁で伊賀上野に絵画の文化が育ったそうだ。彼が絵を本格的に始めた上野時代の作品から、晩年の抽象画に至るまでの作品が多数展示されていた。

抽象画の作品は、まずその大きさに驚かされた。シンプルな絵でも絵が大きいので迫力がある。だが、芸術音痴の私には、その良さがピンとこない。元永定正は、たくさんの芸術賞や文化賞を受賞した世界的にも評価の高い人である。

折角の鑑賞の機会だったので、ひとつひとつの作品のどの辺がどう素晴らしいのだろうと考えるが、私にはわからない。作品の造形が、配色が、グラデーションが、、、何を表現しているのだろうとか、悩んでしまう。

作品に描かれている棒状のものは何だろう? 小さな〇は何を表してるのだろう? 大きなものからちょっとはみ出しているのは何だろう? とか、頭の固い私には想像すらできない。

ダ・ビンチのモナ・リザはその神秘的な微笑が高い芸術的評価を得ていると聞いたことはある。ゴッホのひまわりには、ぎらぎらとした南仏の暑さや力強さを感じるが、私にはなぜ何百億円もするのか分からない。結局、抽象画だから分からないのではなく、私には芸術の価値が何も分からないのだ。

妻が元永定正を知ったきっかけは、絵本だった。我が家の子供たちは文:谷川俊太郎、絵:元永定正の「もこもこもこ」という絵本が大好きだったそうだ。

「もこもこもこ」には文という文はなく、擬態語や擬音語だけの文だ。元永定正の絵を見て、子供たちは絵本の世界を想像するのだろうと思う。

ある日、隣の家の子供のS君と、そして更に隣のT君が我が家に遊びに来たので、妻がみんなに「もこもこもこ」を読み聞かせたそうだ。我が家の子供とS君は大笑いだったが、T君は「何がおもしろいの?」とポカーンとしていたんだとか。

我が家の長男より、S君は1歳上で、T君はさらにもう1歳上なので、絵本からの感じ方が年齢によって違ったんでしょうね、と妻の弁。

結局、絵画からインパクトを感じるということは、見る人の想像力に大きく関係するのだろうかと思ったりする。特に、想像力の豊かな子供たちにはわかりやすい絵なんだろうと思う。そして、やっぱり芸術の世界は私にはわからない、と実感した一日だった。

大阪に住む私は、今回三重県の津市へ近鉄電車で行ってきた。近鉄から株主優待で頂いている優待乗車券を利用した。日常生活がルーティーンで固まりがちな私にとって、フットワークが軽くなるのは嬉しい。<了>


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