知事の資質
リタイア生活を株式投資で楽しむモト3の妄想エッセイ
最近、兵庫県知事の百条委員会のことがよく報道されている。パワハラ疑惑とかおねだり疑惑が、面白おかしく報道されるが、そんな枝葉末節などどうでもよいと私は思っている。
上司に机を叩いて怒られる。迎えに行った車の駐車場所が遠いと説教される。差し出した書類を目の前で破って捨てられる。こんなことは私自身も会社生活の中で経験した。珍しいことでもない。
上司は何事にもついても神様ではないのだ。仕事上で有能な部分も確かにある。それは尊敬し、学ぶ。だが、上司の徳のないこと、下品だと思う行動は、自分は絶対に真似をしないぞと反面教師として学ぶ。
上司も人間だから様々なタイプの人がいて、欠陥もある。上司はそういうものだと思って、割り切ってやり過ごすか、乗り越えるしかない。パワハラ疑惑はどこにでもある話に過ぎない。
私がよく聴くラジオ番組では、全国のリスナーから季節の特産品が毎週のように番組宛てに送られてきた。パーソナリティーは、口では「もう送らないでください」と何度も言いながら、特産品の紹介をすることは止めない。
私には「もう送らないでください」という発言が「おねだり」にしか聞こえなかった。ラジオで紹介することを止めれば、送る人は直ぐにいなくなるのに。
兵庫県知事のおねだり疑惑が報道されてから、その番組で特産品の紹介を一切聞かなくなった。私と同じ感覚の耳を持った人が、その番組の中にもいたのだろうと思う。人間は贈答品に弱いのである。まさに品格の問題である。
報道を見ていると、「今回の兵庫県の問題は、告発者を守れなかったことが本質的な問題点である」と指摘する人がいた。私も同感である。パワハラ、おねだりはどうでも良い。
まず、内部通報された文書が担当部署から県知事の処へ行き、対処の指示を仰ぐのがおかしい。告発者を探すなどもってのほか。県庁の内部通報制度の問題点ついてはほとんど語られていない。
企業の場合、不祥事が発覚する度に、内部通報制度の機能性と重要性が確認されるが、今回の場合そういう報道を聞かない。役所より企業の内部通報制度の方がずっとしっかりしているように見える。
関係者に行った県庁幹部による事情聴取の録音が公開されている。聴取の内容は私の常識を逸脱しているが、私が気になるのは関係者を〇〇ちゃんと呼ぶ人間関係である。
幼馴染ばかりの村役場でないのである。県庁の幹部が○○ちゃんと呼びあう世界が私は嫌いだ。仲良しグループで運営されている組織を想像してしまう。合理的な分析や判断より、仲間内の損得が優先される世界に見えてしまう。
私自身も50歳の時に、転勤を契機に会社の中での人の呼び方を変えた。先輩にも、長年の同僚にも、新入社員にも○○さんと呼ぶようにした。よそよそしいかもしれないが、○○ちゃんと呼ばれなかった人が仲間外れの様に見えるから。
県知事の資質として相応しいか?という人がいるが、資質は総合的に判断しなければならない。マイナス面ばかり報道されるが、プラス面はどうなのか? 今までの業績は? 業績に対する評価は?
会社に中でも、徳のない、品のない幹部でも業績を上げたり、業務改革を断行したりすれば評価されるのが実態だと思う。完璧な人は少ない。
テレビは日増しに興味本位の報道になっている。そんなテレビに惑わされず、冷静に事実を見極めないといけないと自分自身に言い聞かせている。
<了>