【話し方分析】自民党総裁選 4候補の話し方の違いとは?5分で解説!
今回もとっておきの話し方の題材がありましたので、ご紹介いたします!
まさにいま激戦が繰り広げられている・・・
「自民党総裁選」です。
あまり馴染みがない方もいらっしゃるかもしれませんが、これが非常に話し方の参考になります。
菅総裁が次期自民党総裁選に立候補しないことを表明。
そして、4名の方が総裁選に立候補しました。現在は、基本的に自民党の総裁が総理大臣になる流れになっているので、実質、国のトップを決める戦いです。
自民党総裁選挙は、9月17日に告示、29日に投開票です。今回投票するのは、自民党に所属する議員の方、そして約110万人の党員の方です。
それ以外の方は、「自分にはあまり関係ない」と思うかもしれませんが、ちょっと待っていただきたいんです!
今回、出馬される、河野太郎さん、岸田文雄さん、高市早苗さん、野田聖子さんは、まったく話し方が違います。これが非常に参考になるんです。
今回の題材は、9月17日に4人が集まって行った所見発表です。
4人の話し方を噛み砕き、分析してお伝えいたします。
「自分にはどんな話し方が合うのか」「こんな話し方もあるのか」など、皆さんの話し方を向上させる糧にしていただけると嬉しいです。
4候補の話し方は全くちがう
所見発表では、「こういう政策をやります」と、それぞれ20分ずつ発表していきました。
まず、話し方を分析するにあたり、「縦軸に動と静、横軸に想いと具体」、この4象限で分けてみます。
動とは、まさに動き、迫力、熱。
静とは、懇々と、丁寧に、ゆっくり説いていくスタイル。
想いとは、イメージ、想像、気持ち、心の投影などをぶつけていくタイプ。
具体とは、文字通り具体的な話です。
あくまでも、どれがよいということではありません。4人ともそれぞれの部分はありますが、どこの比重が大きく出ているかということです。
今回は、1人20分✕4名=80分の演説です。それを 5分で解説していきます。
動&想は・・・
「動」と「想い」を重点的に語られていたのは・・・
河野太郎さんです。
河野さんの演説は、「国民の想い」「共感いただける社会」「ぬくもりのある社会」「いつかは星に手が届く」といった想いを強烈に伝える演説でした。
もちろん、具体的なこともおっしゃっていましたが、想いの比重が大きかったということです。
また、動き激しい。指でコンコンとする動きや、「手を伸ばせばつかめる」というときの手の動き、ハンドジェスチャーなど、動きが多彩でした。視線も、右から左へと動きます。下の原稿を見るということがほとんどありません。まさに、ダイナミックに動く、動く、動くのが、河野太郎さんでした。
声のキーも高めです。普通、男性の声は、ドレミファソラシドでいくと、ドやレの音で話すことが多いのですが、河野太郎さんはソの音で、結構高めのキーを使われます。
まさに、河野太郎さんは、「動」と「想い」が強いスタイルでした。
動&具体は・・・
高市早苗さんです。
高市さんの演説はエネルギーに溢れていました。なんと言っても、目ヂカラが凄い。本気で意志を貫こうとする迫力があります。目からビームが出ている感じです。
使っている言葉も、「覚悟」「使命」「私のすべてをかけて」「未来を拓く」など、強いワードを連発されます。
そして、言っていることがすべて具体的。経済安全保障包括法の設立、海上保安庁法の改正、衛星の防御、ベビーシッター・家政士の国家資格化、プライマリーバランスの凍結、小型核融合炉の開発など、とにかく具体的なワードがバンバン出てきます。
そして、誰よりも一番数字が出てきます。ファクトベースでわかりやすい。まさに、「動」と「具体」が強い話し方をされるスタイルでした。
静&具体は・・・
岸田文雄さんです。
岸田さんは、河野さんとは対照的。声も低めで、ゆっくり、丁寧に話します。
演説は、ストーリーを、静かに懇々と語り出すところからはじまります。
「前回の総裁選に出馬して菅総理に負けました。そのときは『岸田の話は面白くない』と言われました。周りからどんどん人が離れていく気がしました。でも、広島の商店街に行って、年配の女性の方のお話をじっくり聞いた時、『こんなに政治家の方にゆっくり話を聞いてもらえたんは、はじめてじゃけ』と喜んでいただきました。私には聞く耳があると。国民の声を拾う力があると。今回は私が絶対に総裁になる」
といった、前回の総裁選に負けたことから、今は燃え上がっているという、マイナスからプラスの見事なストーリーでした。
内容も、「党役員任期は1年」「次期総裁選はオンライン投票」「危機管理庁の創設」「デジタル田園都市構想」など、具体的なことをどんどん展開されていました。まさに、「静」と「具体」のスタイルでした。
静&想いは・・・
野田聖子さんです。
野田さんは、静かに「自民党をこうしたい」という想いから入っていきます。
「自民党を多様性のある党にしたい。他の候補者には足りない視点がある。まさに過去の反省と検証をしなければならない」
特に、女性の社会進出を広めていきたいという想いが強かったと思います。まさに、「静」と「想い」が強い話し方をされるスタイルでした。
自分はどんな話し方?
ということで、5分で解説してまいりましたが、皆さんスタイルが異なっていて面白いと思いませんか。
人前で話すときに、自分はどのスタイルか?
どのスタイルにもあてはまらないという方もいらっしゃるかもしれませんが、このように分類してみると、自分がマッチする話しやすいスタイルが見えてくると思います。
やはり、自分に合った話し方というものがあります。
本来は、落ち着いてゆっくり話すタイプなのに、人前に出ると急にハイテンションになってしまい、まわりから「なんで今日はハイテンションなの?」と言われたり。
いつも元気に話す人が、妙に静かにゆっくり話していたら、「今日は元気がなかったね」と言われたり。
自分のスタイルを見誤ると、上手く伝わらないことがあります。
上級者は場面によって使い分ける
さらに上を目指す方は、場面によって使い分けるといいと思います。我々講師もよく使い分けます。
例えば、研修のとき、私のことを全く知らない方、100人に研修するとしたら、やはり最初は元気に入ります。まさに「動」です。最初に出会う講師が、しんみり暗~い感じだと嫌ですよね。なので最初は、思いっきり動きます。
そして、「今日やることが3つあります」と具体的に展開していきます。受講生は「いったい何をするんだろう?」と、最初心配だからです。
中盤は、いったんペースを落として、みなさんと会話するかのように溶け込んでいきます。まさに「静」です。
更に、研修の後半に向かって、「どうか自分の可能性を信じていただきたい」「このメンバーが集まれば、間違いなく歴史を塗り替えることができると思います」「是非このメンバーで新しい歴史を築いていきましょう!」と、想いを伝えていく。
まさに、動&具体から入り、静&想に移行する。そういう使い分けです。
今回は4つのタイプをご紹介しましたが、自分にはどんなタイプが合うのか?ぜひ試してみて、ちょっとちがうかも…と思ったら違うタイプも試してみる。
トライ&エラーを楽しみながら、話す腕前を磨いていただければと思います!動画でも詳しく解説していますので、是非ご覧いただけますとうれしいです。
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【株式会社モチベーション&コミュニケーション:桐生稔 著書】
◎図解版:雑談の一流、二流、三流(ASUKA BUSINESS)
【プロフィール】
・株式会社モチベーション&コミュニケーション代表取締役:桐生 稔
・モチベーション&コミュニケーションスクール代表講師
・日本能力開発推進協会メンタル心理カウンセラー
・日本能力開発推進協会上級心理カウンセラー
・日本声診断協会音声心理士
1978年生まれ、新潟県十日町市出身。もともと臆病な性格で、対人関係が非常に苦手。小さい頃は親戚の叔父さんと話せない程、極度の人見知りであがり症。体も弱く、アトピー性皮膚炎、扁桃腺炎症、副鼻腔等、先天性欠如等、多数の病気に悩まされる。
18歳の頃に新潟から東京に上京。東京で新卒入社した会社では営業成績がドベで入社3カ月で静岡県富士市に左遷させられることに。しかしそこから一念発起。コミュニケーションスキルをあげるべく心理学、大脳生理学を学び始め、1,200店舗中営業成績でNo1となる。その後、ボイストレーニングスクールに転職。話し方の基礎を徹底的にマスターし、8店舗だったボイストレーニングスクールを40店舗に拡大。一気に全国区の業界大手に引き上げる。そして2013年、強いビジネスマンをつくりたいという想いからモチベーション&コミュニケーションスクールを設立。現在では全国で伝わる話し方、あがり症改善、人前でのスピーチをトレーニングするビジネススクールを運営。全国40都道府県で年間2,000回のセミナーを開催し、受講者数は30,000人を越える。
北海道、青森、秋田、岩手、山形、宮城、福島、新潟、石川、栃木、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、静岡、岐阜、愛知、三重、滋賀、京都、奈良、大阪、兵庫、和歌山、鳥取、岡山、島根、広島、香川、徳島、愛媛、高知、福岡、大分、熊本、鹿児島、沖縄
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