『伝え方が9割』(佐々木圭一氏:著)をわかりやすく解説
Q:「前回、『人は話し方が9割』(永松茂久氏:著)を解説していただきましたが、今回はどんな本でしょうか?」
今回も大ベストセラーの『伝え方が9割』(佐々木圭一氏:著)をご紹介いたします!
2013年に発売されて以来、100万部以上売れているベストセラー中のベストセラーです。
伝え方を変えると相手との関係性がよくなる
考え方を変えるのは、なかなか難しかったりしますよね。
例えば、苦手な上司がいたとしましょう。「上司は私のことを思って叱ってくれているんだ。そう解釈して頑張ろう…頑張ろう…と思ってもやっぱり腹が立つ!!」みたいに、すぐに考え方を変えるのは難易度が高かったりします。
「イラっとしてはダメ」とわかっていても、ついイラっとしたり…
でも、伝え方だったらどうでしょう。
今すぐ変えられると思いませんか?
例えば、居酒屋さんに入って、どこに座ろうか席を探しているときに、
「ちょっと待ってください!!お席準備しますので!」
と、急に店員さんに止められたら。
たしかに、準備しなければいけないので店員さんの言うことは正論です。
でも、「ちょっと待ってください!!」と急に言われると、「そんな言い方ないんじゃない?」とカチンときたりもします。
これに対して、
「少々お待ちください~、ピッカピカのお席をご準備いたしますので(^○^)」
と言われたら。
いかがでしょうか。何だか凄く歓迎されている感じがしませんか?
言っていることは一緒なのに、言い方を変えると印象も180度変わる。
そういった、
少し伝え方を変えるだけで、相手との関係性が抜群によくなる
そんなメソッドがたくさん詰まった本です。
本書は、大きく2つの構成に分かれます。
①ノーをイエスに変える7つの技術
②「強いコトバ」をつくる5つ技術
今回は、①②で、これだけは絶対に日常で使ってほしいと思うメソッドを一つずつピックアップいたします。
ノーをイエスに変える技術
商談だったり、上司との会話だったり。奥さんに何かお願いごとをするときだったり。ノーをイエスに変えたいと思う場面があると思います。
今回は、ノーをイエスに変える7つ技術のうち、4番目に出てくる「認められたい欲求」をお伝えします。
人は誰しも、「認められたい」という欲求があると思います。私にもあります。人間は認められることで、自分の存在意義を確認します。
その認められたい欲求を刺激します。
本書には、このように使いましょうと書いてあります。
例えば、
「残業をお願いできる?」
これは、自分がお願いしたいことをそのまま伝えているだけです。残業をやってくれる人もいると思いますが、いやいやだったり、「無理です」と断られたりするかもしれません。
そこでこう言います。
「きみの企画が刺さるんだよ。お願いできない?」
と。
結局同じことを言っているんですが、ストレートに「残業できる?」と頼むより、残業してもらえる確率は高くなると思います。
過去、受講生から、こんな質問をいただきました。
「認めるのは大切だと思いますが、そもそも認めるところがない人には、どうすればいいですか?」と。
非常にいい質問だと思います。「相手を承認することは大切。でもそれが見つからない」。日常の現場ではそういったこともあります。
私は、「ビフォー・アフターで承認できることはないですか?」と質問しました。
例えば、最初は一人で営業に行けなかった営業マンが、今では一人で営業に行けるようになったとします。
その方に、
「おい!もっとテレアポしないとダメだろ!」
と言うより、
「〇〇さん、入社したときは一人で営業に行けなかったのに、今では一人でガンガン商談しているんだって!すごいねー!。さぁもう1件電話してみよう!」
と。こちらの方が俄然やる気が出そうな気がしませんか。
その場では承認することが見つからなくても、ビフォーアフターの差分で見ると、承認すべきところが見えてきたりします。
日常生活では、つい相手を否定したり、罵り合ったり。そうしてサツバツとしている職場も少なくありません。
言葉を承認系に変える。良好な人間関係をつくる上で、本当に大事なポイントです。是非使っていただきたいメソッドです。
「強いコトバ」をつくる技術
5つあるのですが、今回は2番目に書かれている「ギャップ法」お伝えします。
例文が書いてあります。
「事件は現場で起きているんじゃない!会議室で起きているんだ!」
まさに名言中の名言。「踊る大捜査線」の織田裕二さんですね。
この言葉、感激しませんでした?私は感激して体中が痺れました。
きっと、自分に置き換えたんだと思うんです。「社長、事件は取締役会で起きているんじゃない!現場で起きているんだ!」と。そういう方も、たくさんいらっしゃったのではないかと思います。
まさに、「会議室と現場」というギャップ。このギャップにエネルギーが生まれます。
例えば、「がんばります」と言うより、
「明日ぬけの殻になったとしても、今日だけは絶対これをやりきります!」
と言う方がエネルギーが強い気がしませんか。
「お得な情報があるんですけど、話聞いてもらえませんか?」
より、
「たとえ、他のお客様は買わなかったとしても、どうしても〇〇さんだけには話を聞いていただきたいです。お時間いただけませんか?」
と伝える方が、真剣さが伝わってきます。
そんなに簡単にギャップがつくりだせるか?と思わた方もいるかもしれません。
しかし、意外とカンタンです。
3つのステップです。
ステップ1:最も伝えたい言葉を決める
ステップ2:伝えたい言葉の正反対のワードを考え、前半に入れる
ステップ3:前半と後半がつながるように、自由に言葉を埋める
ひとつ言葉を決める、正反対の言葉を入れる、つなげる。
行けそうな気がしますね。
例えば、「ありがとう」という言葉。
漢字で書くと「有難う」になります。
有難うの反対は、無難ですね。無難とは、普通とか、当たり前のことです。
先ほどの3つのステップにあてはめると、「当たり前」を前にして、後ろに「ありがとう」を入れて、つなぎ合わる。
ただ、「ありがとう」と伝えるのではなく、
「今まで当たり前だと思っていた俺が本当にバカだった。ありがとう」
こうなります。
感謝の気持ちが深いレベルでが伝わるような気がしませんか。
こんな感じで、言葉を決めて、反対の言葉を出して、つなぎ合わせて、心に届くフレーズをぜひ生み出してみてください。
今回のまとめ
今回は、佐々木圭一さんの『伝え方が9割』をご紹介いたしました。この本をひとことで言うと「話すのが面白くなる本」です。
ゲームの攻略本に似ていると思うんです。1面つずつクリアしていくと、だんだんとゲームが面白くなってきます。
この本も同じく、1つピックアップして実践する。すると上手くいく。更に1つピックアップする。また上手くいく。伝えることが段々おもしろくなってきます。
話すのが苦手な方、今ひとつ伝わっていないと感じる方、うまく言葉が出てこないという方は必見です。是非、本書を手にとってみてください。
詳細は動画でも解説しております。
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【株式会社モチベーション&コミュニケーション:桐生稔 著書】
◎説明の一流、二流、三流(明日香出版)
【プロフィール】
・株式会社モチベーション&コミュニケーション代表取締役:桐生 稔
・モチベーション&コミュニケーションスクール代表講師
・日本能力開発推進協会メンタル心理カウンセラー
・日本能力開発推進協会上級心理カウンセラー
・日本声診断協会音声心理士
1978年生まれ、新潟県十日町市出身。もともと臆病な性格で、対人関係が非常に苦手。小さい頃は親戚の叔父さんと話せない程、極度の人見知りであがり症。体も弱く、アトピー性皮膚炎、扁桃腺炎症、副鼻腔等、先天性欠如等、多数の病気に悩まされる。
18歳の頃に新潟から東京に上京。東京で新卒入社した会社では営業成績がドベで入社3カ月で静岡県富士市に左遷させられることに。しかしそこから一念発起。コミュニケーションスキルをあげるべく心理学、大脳生理学を学び始め、1,200店舗中営業成績でNo1となる。その後、ボイストレーニングスクールに転職。話し方の基礎を徹底的にマスターし、8店舗だったボイストレーニングスクールを40店舗に拡大。一気に全国区の業界大手に引き上げる。そして2013年、強いビジネスマンをつくりたいという想いからモチベーション&コミュニケーションスクールを設立。現在では全国で伝わる話し方、あがり症改善、人前でのスピーチをトレーニングするビジネススクールを運営。全国40都道府県で年間2,000回のセミナーを開催し、受講者数は30,000人を越える。
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