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正義と悪 (声劇台本)

男2女1不問1👈兼役大丈夫です

山田♂ストーカー被害にあっている男
         高校時代はブイブイ言わせてた
         今は少し冴えない感じ
前野♀女性警察官山田とは中学時代クラスメート
          女刑事明るく元気
Mr.S  (沢崎)♂山田とは高校時代クラスメート
         情報屋と言われている根暗っぽい
マスコミのリポーターと警官たち「誰がやっても🙆‍♀️」性別不問

警察署にて

前野「、、、誰かと思ったら、山田くんじゃんか、懐かし!」

山田「な!?前野?お前警察官になってたのか!?」

前野「そーよ!!高校卒業したあと警察学校行ったからね!今では刑事やってんの!」

山田「そ、そうだったのか、、いやぁそれにしても奇遇だなぁ、、中学ぶりか?」

前野「そうね、会うのはほんとに久しぶりね、私も高校は山田くんとは違ったし」

前野「それで?どうして警察に?」

山田「そ、それがな、、、最近なんだか視線を感じるんだ、、、特に一人でいる時」

前野「ん?ストーカーってこと?」

山田「わ、分からねえ、ただどこにいても視線を感じるんだよ」

前野「ふーん、、、でも、単なる気のせいではないかもね」

山田「!?何か知ってるのか?」

前野「最近ここら一帯で、連続殺人事件が起きてるのは知ってるでしょ?」

山田「あ、あぁ、それがどうかしたのか?」

前野「その被害者の中の1人が、日記帳をつけていたんだけどね」

山田「お、おう」

前野「、、、、、最近視線をすごく感じるようになったって書かれてたの」

山田「な!?それってつまり」

前野「山田くんが次のターゲットになっている、、、可能性があるかもしれないわね、、」

山田「!?ど、どーすんだよ!どーすればいい?」

前野「はぁ、落ち着いて、、、あくまで可能性よ」

山田「これが落ち着いていられるか!?俺の命があぶねぇんだぞ!?」

前野「気持ちは分かるわ、、でもまだ確実ではない、、、調査が必要よ。」

山田「、、、調査?」

前野「ええ、私たち警察としても今回の連続殺人事件には手を焼いているの、、、だから山田くんにお願い、、、私たちに協力して欲しい」

山田「、、、協力って言ったって何すればいいんだよ」

前野「うん、、ちょっと耳貸して、、、」

山田「、、、おお!なるほど!」


後日

山田N(前野から伝えられた作戦はこうだ、
俺がいつも視線を良く感じる場所を、
いつも通り歩く、
その時俺は無線を警察と繋いでおく、視線を感じた瞬間に連絡し、警察が俺の周囲を隠密に捜索し始める、、、といったわけだ)

無線で

前野「山田くん、準備はいい?」

山田「、、、あぁ」

前野「気をつけてね、、、そして、視線を感じたのならすぐに言って!」

山田「あぁ」

山田N(そう返事をして、俺はいつも通り細い路地を歩き始めた、、、この路地を歩く時にいつも視線を感じるのだ、、時刻は夜の10時、生暖かい風が吹いている、、そして、その時がきた、、、張り付くような背筋が凍るような視線、、、俺は鳥肌がたった
確実に殺意がこもった視線が俺の方を見ている。)

山田「、、、前野、、多分見られてる、、、」

前野「おっけー!全員捜索開始!」

警官たちが入り組んだ路地の中を入っていく

山田「なぁ、前野、、、」

前野「ん?」

山田「あの視線には、確実に殺意がこもってるよ、、」

前野「ふむ、、ますますクロね、、絶対にとっ捕まえてやる」

山田「ははっ、頼もしいな」

前野「一応若くても刑事なんだから!」

山田「ははは、、、っ!?」

山田N(そうやって、2人で談笑をしていた
その時だった、俺の目の前の物陰から、全身黒づくめのやつが飛び出してきた、、、手には刃物を持っている、、、。俺は死を覚悟した)

前野「何!?今の音!前野くん?何があったの?」

山田「あ、ぁあ、ぁああ、やめろ、、、くるなぁ」

前野「山田くん!?山田くん!!」

山田N(恐怖に飲み込まれた俺は、誰かに助けを求める声をあげることも出来なかった、黒づくめが俺に近ずいてくる、、そして刃物を俺に突き立てる、、、その寸前だった)

バァンと発砲の音

前野「はぁ、はぁ、そこまでよ!!」

山田「ま、、前野?」

山田N(俺の視線の先には銃を構えた姿勢の前野がいた、、おそらく俺の無線を聞きながらここまで走って来たのだろう、すごく息が上がっている)

前野「はぁ、はぁ、どうにか間に合ったわね、、
さぁ、そこの黒づくめ!観念しなさい!今度は手以外を狙うわよ!」

山田N(黒づくめの方に目をやると、そこには苦しそうに自分の手を抑える黒づくめの姿があった)

前野「さぁ!観念しなさい!」

山田N(するとその瞬間黒づくめの男は、手に持っていた何かを地面に向かって叩きつけた。、
、、、俺の周り一体が煙に包まれた、、)

前野「な!?煙幕!?げホッごホッ!こら!待て!」

山田N「煙幕で奪われた視界の中で、、俺に声が聞こえた、、、次は殺す、、、とその後、その場から遠のく足音が聞こえた、、、」

煙が晴れてきて、、、

前野「山田くん!!大丈夫!?怪我してない?」

山田「あ、あぁ、大丈夫だ」

前野「そっかァ、、、よかったぁ」

山田「、、、なんだったんだあれは、、、」

前野「おそらくあいつが犯人ね、、、」

山田「、、、さっきの煙の中で、声が聞こえたん       だ」

前野「あいつはなんて?」

山田「次は殺す、、、って」

前野「、、、何か心当たりはないの?恨みを買ったとか」

山田「、、、分からねえ」

前野「そっか、、ところでさっきのやつの特徴覚えてる?声が女だったとか、身長がどのくらいとかさ」

山田「、、、おそらく声は男、、身長は170前後
ガタイは着太りしてたのかもしれないが、、だいぶ大きかった、、、こんな感じだ」

前野「なるほど、、、、んーー顔も見えなかったしなあ、、、、情報不足だなぁ」

山田「すまねぇ、、」

前野「なーんで!謝るの!むしろ謝るのはこっち!
あんな危ない目にあわせちゃって、、それに大丈夫
情報に関してはあてがあるの!」

山田「あて?」

前野「そ!明日の朝一緒にそいつの所へ行きましょ」

山田「そいつ?」

前野「そう!この辺1番の情報通Mr.Sのところ!」



翌日

山田N「そして翌日の朝、俺と前野はMr.Sとやらの所へ向かった。」

山田N「前野に連れられて向かったのは、古ぼけたアパートだった」

前野「ここが!Mr.Sのアジトよ!」

山田「え?ここ?これがアジト?」

前野「そうよ?なにか不満?」

山田「いや、そういうわけじゃねえけど、アジトっつーと、もっとこう、秘密感みたいなの?あんじゃん?ここ、ないじゃん、ただのおんぼろアパートじゃん」

前野「はぁ、あからさまにここがアジトですって雰囲気出てる方が、良くないでしょ、、秘密を共有する情報屋なんだから、これでいいのよー」

山田「そっ、そっかそういうもんか、、」

前野「そ!そういうもん!」

山田「、、、」

前野「さ!いくわよ!」

山田N「そう言って前野は、古ぼけたアパートの一番隅の部屋のドアを叩いた」

前野(ドアを叩きながら)「すいませーーん!警視庁の前野ですー!」

山田N「すると中から細い男の声が聞こえた」

Mr.S「、、、合言葉は?」

前野「正義と悪」

山田N「ドアの鍵が、ガチャンと音を立てた」

山田(小声)「え、、なにそれ、、秘密基地っぽくね?」

前野(小声)「でしょ!かっこいいでしょ!」

山田N「そう言いながら前野はドアを開けた。
こんな合言葉があるのだから、きっと中はものすごくたくさんの機械などがあって、映画などにでてくる、一見何の変哲もない建物に見えて、中は実はすごい、アジトでした!みたいなものを俺は想像し、とてもワクワクした」

山田N「が、、しかし、それはただの妄想に過ぎず、ドアの先には、ありふれたおんぼろアパートの一室に、眼鏡をかけた細身の男がこちらを見つめる光景が広がってるだけだった。」

前野「こんにちは!ミスターS、改めまして、警視庁の前野です、こちらは、今回のストーカー被害者である、山田さん、ふふっ、何の因果か実は、私たち中学の同級生なんです。」

山田「こんにちは!お願いします」

山田N「ミスターSは、色白でやせ細った神経質そうな男だった。あまりに痩せてるため、かけているメガネが大きく見えてしまうほどだ。前野の言葉を聞いたミスターSは、口を開いた。」

ミスターS「あぁ、、お久しぶりです、前野さん、、前回の誘拐事件以来ですね、、今回はそちらの方のストーカー被害の情報が欲しい?との事ですかね?」

前野「さっすが!ミスターS!話が早い!
そうなんです、こいつストーカーにあってて、しかもこの前なんか殺されたかけたんですよ!?」

山田「おま!依頼人に向かって!こいつって!」

ミスターS「はぁ、それはそれは、ふむ。
最近、確かに巷ではストーカー被害が多発していましたしね…それから殺人事件も」

前野「はい、その通りです。今回の連続殺人事件には、警察側も大変手を焼いているんです、、ですから、以前に引き続き申し訳ないのですが。あなたの力を貸して頂きたいんです!もちろん!報酬は弾みます!」

ミスターS「、、ええ構いませんよ」

前野「本当ですか!ありがとうございます!」

ミスターS「はい、、しかし、情報を集めるには時間がかかります。情報が集まり次第、連絡させていただきます。」

前野「ああ!それはもちろん!ありがとうございます!それくらい、いいわよね!山田!」

山田「あ、あぁ」

前野「それじゃ!よろしくお願いします!ミスターS!連絡待ってますね!」

ミスターS「はい、お気をつけてお帰りください、、」

前野「はーい!ありがとうございま、、おっと!失礼電話です!ちょっとごめん山田、先出てるね!」

                     前の部屋を出ていく
山田「ちょっ!おい!前野!はぁ、、」

ミスターS「、、、、山田さん、、」

山田「?はい?」

ミスターS「ストーカー被害は辛いと思います」

山田「あ、あぁ、、ご心配ありがとうございます」

ミスターS「いえいえ、、ですからどうかくれぐれも(不敵に笑いながら)お気をつけて、、」

山田「、、?はい、ありがとうございます」

沈黙

前野「やー、ごめんごめん、上司からだった!
それじゃ帰ろっか!それでは、失礼します!ミスターエス!」

ミスターS「はい、お気をつけて」


帰り道

山田「なあ、前野、、あいつほんとに信じて大丈夫か?」

前野「んえ?なんで?」

山田「なんか、胡散臭いって言うか怪しいて言うか」

前野「うーん、確かに見た目はあんな感じだし、気持ちはわかるよ、、でもね!あー見えて情報集めに関しては一流なの!彼が知っていない情報はないくらい!前に協力してもらった、殺人事件の犯人探しも、彼の迅速な情報収集に随分助けられたわ!」

山田「、、そっか、、ならいいけど」

山田N「家に帰ったあと、どーにも嫌な感じがした。何かが知らない間に蠢いている気がする。
その後、家に帰った俺はとりあえずシャワーを浴び、俺は眠りについた。誰かしらの視線を感じながら、、」

数日後

前野「もしもし!山田!ミスターsからの情報が入ったわ!」

山田「え?もうか?まだ数日しか経ってないだろ」

前野「ふふっ、これが彼の仕事なのよ!さすがよね!」

山田「確かに腕は一流だな」

前野「でしょ?ところで、情報のことなんだけど、どうやら今回の犯人らしき人物が、出入りしてる所を見つけたらしいのよ」

山田「ゴクリ、、そうか、そこにいるのか、、」

前野「うん、、恐らくね」

山田「緊張してきた」

前野「大丈夫、私たち警察がついてるわ、」

山田「あぁ、頼りにしてる」

前野「ミスターSがそこまで直接案内してくれるらしいわ、、位置情報を送っておくから、後で3人で落ち合いましょう」

山田「あぁ、わかった、、ありがとう」

前野「お礼は全部終わってから!それじゃ切るね」

山田「おう」

電話切れる

山田N「いよいよ、俺の命を狙ってたやつが分かる、手が震えてるのが嫌という程わかる、1体どうして俺の命を狙っているのか、、聞きたいこと知りたいことは山ほどある、、身支度を整え、俺は送られてきた位置情報に合った場所に向かった。」

山田「?ここか?」

前野「あ!きた!山田くーん!こっち!こっち!遅いよー!」

山田「わりぃ!Sさんもすいません」

ミスターS「いえいえ、お気になさらず」

ミスターS「それでは早速行きましょうか」

山田N「そう言ってミスターSは、俺たちの前を先導し案内をしてくれた。そしてたどり着いたのが、もう使われてなさそうな廃工場の倉庫のような場所だった。」

前野「ん、、なるほど廃工場か、、たしかになぁここにいるのは思わないもんなあ、、さすがミスターS」

ミスターS「いえ、近所の方に聞き込みをしたところ、怪しい人物が出入りしている所を見たという方がいましたので、、」

前野「くさいですね、、」

ミスターS「ええ」

前野「それでは私を先頭に突撃しようと思います。」

山田「え?警察お前1人だけで突撃しようってのか?」

前野「そうよ!なにか文句ある?」

山田「あるよ!大ありだよ!なんでそんな急ぐんだよ」

前野「応援なんて待ってらんないわよ!そんなの待ったら犯人いなくなっちゃうかもでしょ!」

山田「いや、そう言う訳じゃなくて、、もう少し応援待った方が、、」

前野「嫌よ!わたしは!私自身の手でこの事件の犯人をとっ捕まえたいの!一刻もはやく!」

山田「いや、だからって、、」

ミスターS「まあ、前野さんの意見には一理あります、、犯人がいつ逃げてしまうか分からない、、ふむ、ではこうしてみてはどうでしょう、前方を前野さんが私が山田さんの背後を守ります、いざと言う時に盾になれるように、、」

前野「い、いえ!そこまでさせる訳には」

ミスターS「いいんですよ、依頼人の命を目の前で奪われるのを見てるだけなのは、私にとっても辛いですから、、」

山田「っ!ありがとう、、ございます」

前野「ミスターS、、はい!わかりました!お願いします!」

ミスターS「はい、、行きましょうか」

前野「ええ」

前野銃を取り出し構える突撃体制

前野「それじゃ、行くわよ」

山田「おう」

ミスターS「はい」

山田N「そうして、前野は工場の重い扉をゆっくりと開いた。工場のなかは至って殺風景で中には大きなコンテナがある以外何も無かったし、誰もいなかった。」

前野「だれも、、いない?」

山田「み、たいだな、、」


前野「んー、もしかしたら、もう勘づかれて逃げらたかなぁ、、ミスターSはどう思いま、、キャッ!!!!!」

前野山田の前方へ蹴り飛ばされる

山田「んな!どうした!前野!んぐっ!」

山田首を絞めあげれ羽交い締め額に拳銃を突きつけられる

ミスターS「はぁ、、はぁ、、ははっ、あはははははは!」

山田「ぐっっ、ど、どーゆうつもりだ、ミスターS」

山田N「どうやら嫌な予感が的中したようだ。前野を蹴飛ばし、今俺の首を締めているのは、紛れもなくミスターSだった」

ミスターS「あはははははは!はは!くふっ、ひひひひひ!どーゆう、、つもり?あはは!そっかぁ、つらいなぁ、覚えてないんですねぇ山田くぅん!そっかそっかそっかぁぁあ!覚えてないかあ!」

山田「ぐっっ?なん、、だ?お前は、なんなんだ?俺の事、、知ってるのか?」

ミスターS「ふっ、ふふふ、ああそうさ、そうさそうさそうさぁ!実によく知ってるよ!君のこと、、ほんっとに覚えてないんだねぇ、僕は人生の中で君のことを忘れたことは一瞬たりともないのにぃ!!!、、ムカつく、ムカつく、、ムカつくなぁ」


前野「かはっ、、これは、これは一体どういうことです!?ミスターS!あなたという人がなぜ!?」

ミスターS「、、うるさい、、うるさいなぁ、ほんっとうるさい、馬鹿で無鉄砲で、能無しのクソ婦警のくせにぃ!!」

前野に向かって発砲

前野「きゃあ!」

山田「前野!?おい!おまえ!なにすんっ、ぐがぁ!」

ミスターS「、、なぁ、なぁなぁなぁおい!ほんっとに覚えてないんだな?ほんっとに?」


山田「だから!お前なんて知らねぇって」

ミスターS「ぐひっ、あひゃ、そっか、そっか知らないかぁ、誰かわからないまま、死んじまっても意味ねぇからなぁ、、、いいですよぉ、教えてあげましょう、、。沢崎、、高校時代クラスメートのいじめられっ子のさーわーさーき!思い出したか?」


山田N「ん?、沢崎、高校時代、、、思い出した。確かに俺の中にその名前はあった、今でも顔を鮮明に覚えている、デブでメガネでどんくさい沢崎、、だが、その沢崎はこんなにやせ細ってはいなかったはずだ」


山田「んな、ほんとに、沢崎なのか?」


ミスターS「なんだか、納得いってなさそうですねぇ、そりゃそっか、こんなにやせ細ってますもんねぇ、すっかり見た目もあの頃とは変わっちゃいましたし、、ですが、そうです、そうですよ!あの!沢崎です!あなたが何度も何度もいたぶってくれた。あの、惨めでどんくさい沢崎ですよ!!ひさしぶりぃ!元気そうでよかったあ!
ほんっとに相変わらず君はくっそ憎ったらしい顔をしてるねぇええ!山田くん!」

山田「そうだ、覚えてる、高校時代俺は、確かにこいつをいじめてた。俺がこいつをいじめると、みんなが俺を見てくれた。笑ってくれた。だからそれを正しいと思ってた。死にかけるようなことも何度もやらせたりした。笑いながら、あまりのいじめの酷さにこいつは学校を辞めた。それをみんなで笑ったことも覚えてる。そう、これはまさしく俺の人生の忘れられない高校時代最低最悪の歴史。」

沢崎「うんっ!うんっ!分かってくれたみたいだねぇ!!よかったぁ!よかったぁ!よかったよかったよかったあ!!!覚えてるよねぇ!!君が僕に何をやったのかあ!僕は鮮明に覚えてるよお!?でもさぁ!それは君も同じだよねぇ!!やった本人がいちばん自覚してるはずだもんねぇ!えぇ?どうなんだい?どうなんだい?やまだくぅん!」

山田「お、ぼえてる、覚えてるさ、、俺は殺されて当然のことをお前にしてる、、、そりゃ、お前も俺を殺したいよな、、わかるさ、俺だってそうする、、殺せよ、、悪かった、、謝って済むもんじゃないだろうけど、本当に悪かった
すまない、、、」


沈黙

沢崎「は?なにそれ?」


首を絞める腕に力が入る

山田「ぐあっ、がぁあ!」

沢崎「おーい、おいおいおいおいおいおいおいおおおおおおい!なんだぁ?なんだよなんだあ!?お前ふざけてんのかぁ!?なぁ!!!なぁ!なぁ!!」


どんどん力が入っていく

山田「がはっ、がっぁあ」


沢崎「死んで当然?早く殺せよ?はっ、ははははははははぁ!!!!てめぇさぁ、誰に向かって指図してんだよ!?あぁん?死んで当然?んなん当たり前だろ、寄ってたかっていじめられた側の気持ちがわかる?はぁ?寝言言ってんじゃねえよ!いじめられたことも無いくせに、共感だけして、反省しました。今ではもう心を入れ替えています!今では正義の味方です、何悪人に殺される善人ぶってんだ!?ぁぁあん?、、でも、一つだけよくわかってんなぁ、そうだよ、そうだよ、そうだなぁ!謝って済む問題じゃ、ねえんだよなぁぁあ!?はははぁ!そこだけは褒めてやるよ、そうだな、謝って済む問題じゃねよなぁ、でも死ねば解決するような問題じゃねぇのも分かるよなぁ?そんなに簡単に、人の心につけられた傷は消えねぇからなぁ、、」


山田N「や、やばい、この、ままじゃ、窒息して死ぬ、、もう終わりか」


腕の力が抜ける


山田「がはっ、はぁ!こひゅーこひゅー」


沢崎「おっと、そんな簡単に死んでもらっちゃ困るよお?君には特に酷い目に遭わされたからねぇたっぷり絶望を味わってから死んでもらいたいんだよォ」


山田「はぁ、、はぁ、、ぜつ、、ぼう?」


沢崎「そうそうそう!そうさ!ぜーつーぼーうだよぉ!!君に見せたいものがあるんだぁ」

山田「?」

前野起き上がる

前野「ぐっ、うう。いったぁ」


山田「前野!?お前、撃たれたんじゃあ」

前野「防弾チョッキくらい着てるわよ、」

沢崎「ちっ、死んでなかったか、、まあいい、お前には感謝してるんだよバカ婦警、おかげでこいつをストーカーする手間が省けた。最初俺の家にお前が来た時は、ついに連続殺人事件の犯人がバレたのかと思ってヒヤヒヤしたよ、だが、ハハッ実際のところかもが葱を背負ってきやがった。
間抜けそうな能天気刑事が連れてきてくれたのは、ほかでもない俺が殺したくて殺したくてたまらなかった相手だった、、ありがとうな」


前野「くっ、下衆が!」


沢崎「おいおいおおい、下衆?人聞き悪いねぇ、僕のどこが下衆なのさ?」


前野「当たり前よ!一体あなたのせいで!何人の命が消えたと思ってるの!あなたのせいで!一体どれだけの人が迷惑したと思ってるの!?あなたの無意味な殺人が!一体!どれだけの被害を出してると思ってるの!?」


沢崎「無意味な殺人?ふっ、ふふふふふふ、あー!そっかあ、そうだよね、分かるわけないよねぇ能無し警察だし、、ぐひひっ、しかたない、お前ら2人とも冥土の土産に教えてやるよ」

山田N「沢崎はボタンを取りだした」

前野「なによ、それ」

沢崎「まあ、焦るなってみせてやるからっと」


山田N「沢崎がボタンを押すと目の前に置かれていたコンテナの扉が開いた。扉が開くと同時に腐敗臭が倉庫中に広がった」


前野「ひっ!こ、、これって、、うぷっ!おええ」


山田「ま、ま、待てよ、もしかして、この死体って」


沢崎「あ?きずいたァ?いい目だねぇ、そーそー、こいつらさァ、みーんな僕たちのクラスメイトだよね、山田くん」

山田「まさか、お前、俺以外の全員を殺したって言うのか?」

沢崎「うん?そーだけど?」


山田「なんで?だよ、主犯は俺だっただろ?どーして、どーしてそーなるんだよ、関係ないやつだっているのに、、なんで!?」

沢崎「んーー、やっぱ君馬鹿だね、そりゃそっか善悪の区別つかないようなやつだったもんね、ふふふっ、そりゃ全員殺すでしょ、だってこいつら、君が僕をいじめてきた時何してたと思う?僕が転校する時何をしてきたと思う?あはは、、
見て見ぬふりだよ、挙句の果てには笑ってたんだよ?誰も助けてくれなかった。共犯だよ
立派な立派な共犯だよ、辛かった、辛かったなあほんっとに」


山田「ぐっ、、でもだからといって殺していいとはならないだろ?」


沢崎「そーだねぇ、でもさ、これって君がやろうとしてたことと何が違うの?僕、君にあの時なにかしたっけ?え?した?おい?こたえろよ?え?どうなんだよ?」

山田「、、、なにも、、してない、」


沢崎「そうだよね、そうだよねええ!特に理由はなかったでしょ?ただムカつくからとか言ってキモイからとかいって一方的にいじめてたもんねぇ、なんなら僕のこと殺そうとしてたよね?無抵抗な人間に、弱者だからといって。」

山田「ぐっ、、」


沢崎「いいね、いいねいいねぇ!そのめ!!さいこうなんだけど!!それだよ!それそれそれえ!!ぼくがみたかったのは!今まで見下してきてたはずのやつに、言い負かされ悔しさ自分のしてきてしまったことの後悔!!後ろめたい気持ち、、全部顔に出てる、、はぁ、、最高だね。
今まで殺してきたクラスメート全員その顔をしてくれたァ、、どいつもこいつもいい顔だったけど、お前は格別だァ、やまだくぅん」


前野「あ、あんた!いい加減にしなさいよ!いつまで昔のことなんて引き摺ってる訳!?みっともない!確かに!いじめっていうのは最低な行為だし、殺したくなる気持ちはわかる!でも、、本当に殺す必要あるの?法律に背く必要はあったの!?あんたは、あんたはただの犯罪者よ!」

沢崎「はぁ、、、警察のお前がそれ言うんだ。
なんでさ、俺一人が悪者みたいになってんだ?
どーしてら殺すことがいけないんだ?俺は殺されかけたのに、、殺すことが最大の悪なのか?
ちがう、ちがうだろぉ、お前ら警察はわかってねえよ、ほんっとに、何が正しくて何が間違ってるなんかってのは人によって違ぇんだよ!!!
俺はなぁ、法律の犬になりさがってるお前ら警官が大っ嫌いなんだよ!法律に反するまでは動かずただ見守るだけ!俺が虐められてた時に!何度お前ら警察を!教師を!国の犬の公務員を頼ったと思う?ふふっ、、答えは全部、、大変だったね
、、それだけだ、具体的な対策をとりもしない
クソだ、この世界は、何が正義で何が悪か、警官ですらわかっちゃいねぇ、ただ一定の基準に縛られてるだけだ、くそくだらねぇ、、」


前野「ぐっ、、」

沢崎「なぁ、やまだぁ、さっきも言ったよな?
おれはさ、お前のことを忘れたことなんて片時もないって、、お前のことが恨めしくて恨めしくて殺したくて殺したくてたまらなかった、おかげで大好きな飯も喉を通らねぇ、こんなにやせ細っちまった。それでも生きた、いつかお前に復讐するために、お前を殺すために、、俺はこんなに苦しみながら生きてきたのに、お前はどうだ!
俺に言われるまで、俺の事も思い出せねぇ!
挙句の果てに、殺してくれって!ふざけんじゃねえ!向き合え!向き合えよ、何逃げようとしてんだよ!自分の犯した罪に!死んで逃れようとしてんじゃねぇ、みんなそうだ、最後にはそうやって逃げていきやがった。お前も、消えてくれ」


山田「沢崎、、」


前野「、、、」


沢崎「おい、そこの能無しバカ婦警、、
一つ質問だ」


前野「ッ!なに?」

沢崎「無抵抗な人を殺すのが悪なんだろ?
じゃあさ、無抵抗な人をしかけるまでいじめるのは悪じゃないのか?どうしてお前ら警察は、こんな学生時代クソ野郎だったこいつを、あの時豚箱にぶち込んでくれなかったんだ?」

前野「ッ!それは!」

沢崎「法律を違反してないから、未成年だから、、理由なんていくらでもある。自分に都合の悪いことは、社会人は目をつぶりたくなるもんさ、、でも、それで失われる命があること、壊れていく心があることをお前らはわかってない
押し付けがましい正しくもない正義が、俺のような犯罪者という悪を生み出しているのも事実。
正義が悪を作ってるんだよ、、おい、教えてくれよ、、前野刑事よぉ、、何が正義で何が悪なんだ?」


前野「、、、、」


沢崎「、、まあいい、期待してなかったさ
おっと少し喋りすぎたな、、さて、山田、、
そろそろあのコンテナの中のコレクションにお前が加わる日がきたよ、、
じゃあな、、死んでくれ、、」

山田「ッ!」


前野「ダメ!待って!やめなさい!!」


沢崎「あばよ」


山田N「沢崎が引き金をひこうとしたまさにその瞬間、その瞬間よりもはやく扉が開く音と発砲音が聞こえた。」

警察官達(リポーターと兼役)「総員かかれ!容疑者を取り抑えろ!」


前野「はぁ、、よかった応援が来た、、。」


山田N「どうやら、呼んでおいた応援が駆けつけたらしい、前野はよっぽど気を張っていたのか、応援を見る度気絶してしまった。一方沢崎は、発砲音と同時に俺の足元にうずくまっていた。恐らく警官の銃が当たったのだろう。警官に取り押さえられながら、沢崎は顔をこちらに向けた。その顔にある目は、俺への殺意と同時にもっと大きなものへと向けられた怒りも感じられた。」


警官「ほらっ!たて!きりきりあるけ!」


沢崎「、、」

山田N「去り際、沢崎は耳元で囁いてきた」

沢崎「次は、、、殺す」

山田N「ゾッとした。
こうして、俺の周りを取り巻く連続殺人事件は幕を閉じた。事件は解決したが、俺はどこか浮かない日々を過ごしていた。」

数週間後

山田N「テレビをつけるとそこには、法廷で判決を受けた沢崎が、テレビレポーターに囲まれてるところが映し出されていた。判決は無期懲役になったらしい。たくさんの人を殺したことを沢崎に償ってもらいたいのだろう、、。彼がそんな気持ちなどないとも知らずに、、」

リポーター「沢崎さん!沢崎さん!今のお気持ちをおきかせ頂けないでしょうか?」

沢崎「、、、」

リポーター「あのー?沢崎さん?」

山田N「すると突然沢崎は、リポーターのマイクを奪い取りテレビカメラに向かって語り始めた。狂気的な目をしながら」

沢崎「このテレビカメラの向こう側にいる、呑気に生きてる奴らに教えてやる、、いいか、この世にはな、正義なんてものは無い、悪なんてものはない、本当の正義なんてもんは誰ももちあわせちゃいねぇんだよ、ただどれだけ多いかの数を比べて多いものが正義になっているだけで、本当は正義も悪もなんにも関係ねぇんだよ!今こうして、俺の事をいかにも悪人のように、報道しているマスコミも!裏で不祥事を働いても金でもみ消す汚い政治家も!人の意見に流されがちな!お前ら一般市民も!誰一人として!正義も悪もわかっちゃいねぇ!いいか!騙されるな!自分をもて!周りを疑え!このクソみてえな世界で精一杯生きろ!殺したいほど嫌いな奴がいるなら殺したっていい!たとえ世界がそれを許さないとしても、少なくとも俺はお前を許してやる、はむかえ!戦え!自分の欲に正直に生きろ!どーせみんな欲にまみれて生きてるんだからなあ!!
そして最後に、、俺が殺し損ねたやつに一言、 言いたい。俺は、、来世になってでもお前を殺しに行くからな、、世界が狂っている限り、、」


リポーター「あ、あなたはなにをいってるんですか!も、申し訳ありません視聴者の皆様方!大変不快な思いをさせてしまっ、、」

山田N「俺はテレビを切った。沢崎の言う通りだ、俺も、あいつも、多分この世の誰も、本当の正義なんて分かってない。正義だと思っているものがきずかないうちに悪を生み出していく。かつて人をいじめることが正義だと思っていた俺のように、、沢崎もまた、復讐を正義だとしたんだろう」

電話がなる

山田「ん?前野からだ」

前野「もしもし、テレビ見た?」

山田「ああ、、」


前野「悔しいけど、、あいつの言う通りだよね
あいつに質問された時なにもいいかえせなかった」

山田「ああ」

前野「正義と悪、、なんなんだろうね」

山田「そうだな、、なんなんだろうな俺たちって」

前野「世界が狂ってるのかな、私たちが狂わせてるのかな」

山田「どーだかな、、」

前野「、、あ、ごめんね!ただちょっと心配だったから電話かけただけ!私そろそろ仕事戻るね!」

山田「おう、、いろいろとありがとうな」

前野「、、怖い思いさせちゃってごめんね、私が無茶しなければあんなことには」

山田「気にしてねぇよ、、」

前野「ん、、それじゃ」

山田「おう」

山田N「深いため息をついたあと。俺はベッドに身を投げ目を閉じた。モヤモヤとした気持ちを抱えながら、淀んだ眠りに落ちていった。
正義とはなにか、悪とはなにか、、。」

牢屋の中で

沢崎呟くように「、、、狂ってる、、この世界は、、、狂ってる、、」

山田N「何が正しくて」

前野N「何が間違いか」

沢崎「それは誰もわかっちゃいない」


山田「正義と」

前野「悪」




~完~
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