10/2(土) 人間関係決算期/「でも特別な人でしょ?」
先月は散々な一カ月だった。
仲良くしていた友人にトラブルが起き、私の失言により徹底的に嫌われてしまった。別の友人からも距離を置かれてしまって、親しくなりたいと思った人には踏み込みすぎた。
9月だったから決算期だったのかもしれない。
私のすべてが人を「そう」させるのかなと思って、随分前に気まずい別れ方をした人に「人の地雷を三連発で踏んだから、私の改善点も三つあげてくれない?」と連絡する。久しぶりの連絡だけど。
「検証を完了させた後に話し合いに臨む癖があり、強情な姿勢になりがち」
「結論を下したあとこそ、他の見方がないか考えたほうが良い」
「他の人は、違う情報をもとに、違う考え方をしていることを頭の片隅におく」
想像以上に具体的なコメントが返ってきて面白かった。この人は求めれば必ずフィードバックをくれる人。仕事人間の人。私が愛した人。
「咀嚼するね、ありがとう」と返事をする。ついでに最後に別れたとき、彼が私よりも大変な状況にあるのを知らなかった。「あの時あなたが大変だったの知らなくてごめんね、ありがとうね」と続けて書いておく。弱音なんてちっとも吐いてくれないから知らなかった。優しくしたいのにできなかった人。
ごめんね。ありがとう。
過去形かなと思ったけれど、やっぱり今も愛しているなと感じる。私にとっての「愛」は「その人の幸せを祈ること」なので、わりとカジュアルに愛し続けてしまう。ざっくりとした愛。
* * *
「で、地雷を三連発で踏んだんだって?」
SOSを出したら家に遊びに来てくれた友人に、ほんの少しの雑談のあと単刀直入に聞かれる。そうなんだ、こういうことが起きてさ…と話すと「もう少し上手く気遣えたら良かったところもあるだろうけどさ、悲しい事故だと思うよ」と励まされてしまって、「そうかな」と自嘲的に返すつもりが、声が震えて笑えなかった。
(そうかな。私が人を不幸にするんじゃないかな。逆撫でするんじゃないかな。私が未熟だから。人の心がわからないから。存在そのものが悪影響だから。)
自責の念がフラッシュバックして、思わず泣いてしまう。友人が「あらら、悲しいよね」とあやすように笑ったので恥ずかしかった。「ただの友人関係なんだけど」と茶化すと、「でも特別な人でしょ?」と言われて、しばし考えたのちに頷いた。特別な人。そう特別な人。説明するときはいつも「友人」としか言わないけど特別な人だった。悲しいよ。こんなふうになってしまうなんて。悲しい。私の友人たちは特別な人。
記憶と感情を、共有した人たちと別れてしまうなんて悲しい。
「大したことない」「しょうがない」と思うようにしていたけれど、9月は悲しかった。と10月に入ってようやく気が付いた。渦中にいるとわからない。特に傷つきと悲しみは。